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受給者が車両80台所有? 「不正受給爆弾」!

基礎保障制度不正受給者の事例、モラルハザードとかけはなれている

カル・ホンシク記者 2014.10.16 16:44

10月14日の保健福祉部国政監査で 福祉不正受給問題が核心問題として登場した。

不正受給問題は、朴槿恵政権が昨年の10月から 「非正常の正常化」のための第1の課題として「不正受給の清算」を提示したことで浮上し始めた。 政府は劣悪な福祉財源を不正受給の摘発により確保するとし、 「政府合同福祉不正申告センター」を設置するなどで実際的な摘発を始めた。

こうした政府の基調に合わせ、 与党は国政監査でも数百億ウォンにのぼる深刻な福祉不正受給実態を指摘して、 不正受給の根絶を主張した。 しかし、これについて不正受給の額、不正受給の人数が福祉規模全体と較べてごく少数であり、 相当数の不正受給事例がモラルハザードとは距離が遠いという指摘が提起された。

先に、この日の国政監査でセヌリ党の金賢淑(キム・ヒョンスク)議員は、 国民基礎生活保障制度の不正受給実態が深刻だと主張した。 金議員は2010年から5年間で3万4011人が308億ウォンの生活保護を不当に受け取ったと指摘した。 またこの5年間で海外旅行に行った受給者が53万8708人、 車両を2台以上保有する受給者は2086人だった。

金議員は「現行の最低生計費水準を考慮すれば、 海外旅行に何度も行ったり2台以上の車両などを持つ受給者は、 隠し所得、財産または脱落した扶養義務者などがあるのかを集中的に管理・監督しなければならない」と主張した。 事実上、受給者のモラルハザードを問題視したのだ。

偽装車犯罪の被害者が「不正受給者」に変身?

しかし新政治民主連合の金成柱(キム・ソンジュ)議員は、 保健福祉部が把握した基礎生活保障制度の不正受給の事例を分析した結果、 相当数が非定期的な日雇勤労所得と扶養義務基準などにより発生したもので、 モラルハザードとはかけ離れているという点を強調した。

例えば不正受給返還額上位1位のK氏(52歳)、 上位5位のM氏(56歳)は申告していない日雇勤労の事実が確認され、不正受給処理された。 返還額上位2位N氏(55歳)と4位のR氏(54歳)は、扶養義務者財産が変動したり子供の就職事実が確認され、不正受給者と決定された。

また、代表的不正受給事例として言及されている車両所有の問題も、 受給者の財産が多いからではでなく、 自動車売買に名義を盗用されたり、 車両を処分して名義を整理しないなどの錯誤により生じたことが確認された。

例えば、80台の車両を所有し、受給者の中で一番多く車を多く持っていたA氏は、 野宿当時に自動車売買で名義が盗用され、 車両所有29台で上位2位のB氏は知人が名義を借りて偽装車にして売った。 五番目に多い12台の車を保有するE氏も自動車売買証が彼の名義にされ、偽装車を売ったケースだった。 所有車両が5台以上で上位10位以内にある不正受給事例のほとんどがこうした偽装車問題と関連があった。

金議員は「常識的に財閥でも車を80台も持っているわけがない」とし 「彼らは金持ちが受給者を装って国民の血税を浪費しているのではなく、 名義を盗用された受給者だ」と指摘した。

金議員はまた 「不正受給の肩を持つのではない」と前提にした後、 「過度に膨らんだ部分があるということで、 こうした意図的な世論作りと、改善されない制度のため、 不正受給者という烙印を押された受給者が自殺で命を断ったりもする」と批判した。

▲左から金賢淑、金成柱、梁承晁議員[出処:議員公式サイト]

「不正受給が深刻? 福祉総額に較べ僅かな水準!」

全般的な不正受給の規模も深刻というのは無理がある。 新政治民主連合の梁承晁(ヤン・スンジョ)議員が保健福祉部から受け取った 「2013年主要福祉事業の不正受給現況」を見ると、 国民基礎生活保障制度の場合、合計135万1000人の受給者の中で不正受給者は0.76%にあたる1万222人に過ぎなかった。 不正受給金額も72億ウォンで、受給額合計の3兆3297億ウォンの0.22%水準だった。

他の福祉制度の場合にも特に変わらない。 不正受給者の割合が1%を越えているのは基礎老齢年金(現基礎年金)だけで(1.14%)、 緊急福祉支援0.91%、国民年金と医療給付は各々0.003%、0.005%で、 不正受給者の割合はきわめて僅かな水準だった。

また、各福祉事業別所得・財産確認調査も毎年強化されており、 すでに福祉給与支給の基準がかなり厳しく適用されているという。

梁議員が韓国保健福祉情報開発院から受け取った資料によれば、 主要福祉事業受給者全体に対して年2回、 所得・財産(金融)確認調査を施行し、 昨年だけで25万136人の給与支給を中断した。 2012年の12万9474人と較べ、約二倍程増加した。

梁議員はこのような傾向により、 実際には2011年から2013年までに基礎生活保障受給から脱落した人が約62万人で、 新規受給者の約41万人より1.5倍多いと13日の国政監査席で明らかにした。

梁議員はこうして強化された確認調査のために 「以前のような悪意の不正受給者は現れにくい」とし 「死角地帯発生の原因である扶養義務が基準を大幅に緩和して、 執行率が50%程度に留まっている緊急福祉支援を拡大するなど、 基礎生活受給から疎外されている非受給貧困階層に対する支援を強化するために福祉の力量を集中しなければならない」と強調した。

付記
カル・ホンシク記者はビーマイナーの記者です。この記事はビーマイナーにも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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