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最低生計費50万ウォン...「ジュース一杯買うのも難しい」

2011年最低生計費現実化のための『民生保委』結成

ユン・ジヨン記者 2010.07.08 18:47

最低生計費は人間らしい生活を営為できる最低の生計を保障しているだろうか。

2010年現在、1人世帯の最低生計費は50万4344ウォンで、4人世帯は132万6609ウォ ンだ。2009年より2.75%上がった額だが、最低生計費制度導入以来の最低値から 上がった状態で、物価上昇率も反映できなかった。

だから基礎生活受給権者をはじめとする貧困層は相変らず経済的困難から抜け 出せずにいる。現在、保健福祉部が主管する中央生活保障委員会では、2011年 の最低生計費計測の議論の真っ最中だが、展望は明るくない。

そこで貧困社会連帯と参与連帯、ホームレス行動などの市民社会団体は人間ら しい生活のための最低生計費決定を要求する『民/生/保/委(民衆生活保障委員 会)』を結成し、8日午後2時に保健福祉部前で記者会見を行った。

この席では需給当事者が参加して、彼らの劣悪な生計問題を打ち明けて、民生 保委の今後の計画を発表した。

「冷たいジュースを一度でも安心して飲めれば」

需給当事者で『民生保委』の委員のキム・ハクシク氏は「豪華に暮せなくても 暑い日に一杯のジュースを堂々と飲みたい」と吐露した。

彼の基礎生活受給費の実受領額は42万ウォン。居住費22万ウォンを引くと20万 ウォンで1か月の生計を立てなければならない。付加的な料金を納め、コメとお かずを買えば使えるお金は残らない。

暑い夏、水やジュースを買って飲みたいが、『一回我慢して、今日だけ我慢し よう』という気持でがんばっている。耐えるのもうんざりして、この頃にはまっ たく日が沈んでから涼しくなる晩に外出をしたりする。

「3年前に江南のあるホテルで受給費の議論があるといって、ホテルの前で現実 化要求をしていた。するとあるホテル職員が出てきて『あの人たちは食事をし ているのに何で今デモをするのか』といった。その時の会議参席者の食事費は 1人当り3万ウォンだった。われわれは1年にせいぜい14000〜15000ウォンの受給 費値上げなのに、彼らは需給値上額の2倍を越える費用を一食の食事で支払って いた。」

また彼は「7月1日から家計簿をつけているが、5頁か6頁に渡って、一つずつ書 いている。書き込む内容がないから」とし「死なないために一日一日を生きて いくが、正直耐えるのが難しい」と打ち明けた。

また他の需給当事者のジヨン氏と彼女の夫は重症障害者だ。2人に該当する受給 費は生計費、住居費など3つの単位に分けられ、毎月20日に支給される。支給さ れる総額は80万ウォンを上回る水準。二人が1か月80万ウォンで暮さなければな らない。

ジヨン氏は結婚前、夫に「婚姻届を出すのをやめよう」といった。一人で暮ら す時は生計費が40万ウォンを少し越えるが婚姻届をすると二人に対して55万ウォ ン程度が支給されるためだ。約20万ウォン程度の生計費が削減される格好だ。

事実、ジヨン氏と夫には障害手当てが各々16万ウォンずつ支給される。だが電 動車椅子に乗って動くしかない彼らにこのお金は車椅子の維持費にも足りない。 電動車椅子を毎晩充電するが、その電気費がばかにできず、1年一回は車椅子の バッテリーを取り替えなければならないからだ。バッテリーの価格は30万ウォ ン程度。ジヨン氏は「バッテリーを一度取り替えるためには食事を抜かなけれ ばならない」とし「15000ウォンでなく、15万ウォンの受給費が値上げされた ら車椅子のバッテリー交替する金に使える」と話した。

一か月50万ウォン? 一度暮してみて下さい

参与連帯は、7月1日から最低生計費だけで1か月暮らす『最低生計費で一か月暮 す』希望UPキャンペーンを行っている。キャンペーンに参加しているイム・ソ ノ氏は最低生計費で1か月を暮すのは無理と話す。

彼は記者会見の席で「今日で8日目だが、もう最低生計費の50%以上を支出した」 と述べた。続いて「政府が言う87000ウォンの月貰部屋を見つけることもできず、 一食は最低2000ウォンだが、この金では食事できない」とし「暑い時、ジュー ス一杯買って飲めば、一食は抜くしかない」と説明した。また「最低生計費は 8日間私たちをひどい生活に追い込んでいる」と非難した。

参与連帯は「これほど高い支出を示した理由は、家賃、世帯備品費、家事用品 費など初期の住居用意および世帯備品用意に多くの費用が必要だったから」と 述べ、「これは政府が決めた世帯別最低生計費の費目別該当金額をすでに超え ており、最低生計費費目別基準の非現実性を示す」と主張した。

このような現実についてチョン・ウィホン民主労総首席副委員長は「韓国社会 での最低生計費はひとりが少なくとも人間らしい人生を保証される金額ではな い」と釘を刺した。また「最低生計費は政府の一方的な根拠で決定されるので はなく、低所得層の現実の人生を基礎として決めなければならない」と主張した。

一方『民生保委』は以後、最低生計費現実化と相対貧困線導入、基礎法改正の 活動をしていく予定だ。彼らは「7-8月の最低生計費決定のための討論と調査を 行い、今日韓国社会で人間らしい生活を送れる基準線を提示し、私たちの要求 が中央生活保障委員会の決定過程にきちんと反映されるように最善を尽くす」 と明らかにした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-07-10 09:08:22 / Last modified on 2010-07-10 09:08:25 Copyright: Default

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