本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:経営界、最低賃金会議で時間稼ぎ
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1277804500976St...
Status: published
View


経営界、3つの争点を繰り返して最低賃金で時間稼ぎ

労働界、「リス最初の周を回る話日だけ」

ユン・ジヨン記者2010.06.28 21:12

6月29日深夜12時の最低賃金交渉時限を控え、最低賃金委員は28日午後2時に7次 全員会議に突入した。7次全員会議までに経営界が値上げ修正案に出してきたの はやっと35ウォン。経営界は長い間、凍結案を固守した末、わずかな額の値上 げを提示して時間稼ぎをしている。

この日の7次全員会議が終るまで、使用者委員と勤労者委員の間での議論はあま り進展がなく、最低賃金の議論は法定時限終盤まで続くものとみられる。

勤労者委員のイ・チャンベ女性連盟委員長は、7次全員会議の内容を「会議でリ スが輪を回すように同じことを繰り返してばかりだ」と吐露した。経営界が最 低賃金の値上げに反対する三つの根拠を7次会議まで繰り返し提示し続けており、 勤労者委員はこれに反論している状況だ。

争点 1. 最低賃金未達労働者の雇用問題

ファン・インチョル経済人総連企画広報本部長は7次全員会議の前に、記者との インタビューで「経営界の当初の凍結主張の最大の理由は、2000年から2008年 までの高率の最低賃金値上げで労働市場の問題が露出したこと」とし「したがっ て問題が安定するまで凍結すべきだと主張している」と明らかにした。

彼が話した問題の一つは、最低賃金に達しない賃金の労働者に関する問題だ。 ファン・インチョル本部長は「最低賃金が上がりすぎて、最低賃金未満の勤労 者が210万人になっている」とし「彼らを雇用する使用者はすべて法律違反者に なっている」と主張した。

ファン・インチョル本部長の観点で問題を解決すれば、最低賃金を最低賃金未 満の労働者水準まで下げれば、使用者の法律違反行為を合法行為に変えること になる。労働界側としては、これには強く反発せざるを得ない。

イ・チャンベ女性連盟委員長は「最低賃金未満の勤労者の割合が高いのは、労 働部がきちんと管理監督をしていないということだが、最低賃金を問題にする のは不適切」とし「最低賃金未満の事業場が発見されても労働部は是正命令と 共に罰金を賦課するだけで、他の制裁はない」と説明した。

民主労総と韓国労総も28日午前11時、最低賃金委員会前で記者会見を開き、経 営界のこうした主張を非難した。彼らは「未達労働者数を減らすためには労働 部が管理監督を強化し、多様な中小企業産業政策に介入すべきだ」と主張した。

一方、ファン・インチョル本部長はこのような主張に「最低賃金は守れといっ ている」とし「米国も10年間凍結し続けたように、私たちも未達率が最小5%以 下に下がるまで凍結しなければならない」と反論した。

争点 2. 中小企業の危機は最低賃金のため?

経営界側は『中小企業の危機』をあげて最低賃金の凍結を主張している。ファ ン・インチョル本部長は「経済が良くなったが、これは大企業だけで、中小企 業は良くなっていない」と説明した。

経営界では、中小企業の困難を賃金水準を下げて解決しようと主張している。 彼らは全員会議で「主な最低賃金支給対象事業場は中小企業で、中小企業は最 低賃金値上げの余力がない」という意見を表明してきた。また「2011年には、 20人未満の事業場への週40時間制適用が予定されており、中小企業にとって大 きな負担要因として作用する」と見通した。

だが労働界はこの主張に反論をし続けてきた。イ・チャンベ女性連盟委員長は 「中小企業の経営危機は最低賃金が主な原因ではなく、元下請間の不公正な取 り引きのため」と主張した。

民主労総と韓国労総も記者会見で「中小企業経営危機の最大の主犯は下請け取 り引きの過程での大企業の横暴と、中小企業には高い銀行の敷居」と主張した。

実際に15日、中小企業中央会が発表した『中小企業経営環境展望およびあい路 実態調査』で中小企業主は、最大の経営隘路事項として『原資材など製造原価 の上昇(27.4%)』を上げた。

二つ目の隘路事項は『資金などの流動性確保(22.7%)』で、三番目は『人材不足 などの困難(10.9%)』だった。最低賃金と間接的ではあるが関連がある『人件費 と物流費の増加の困難』は5.6%に過ぎなかった。

結局、中小企業の最大の困難は、最低賃金の引き上げではなく原資材価格は上 がるのに納品単価を凍結している大企業の横暴ためだ。『資金など流動性確保』 の困難も、政府の金融政策で解決すべき問題だ。

争点 3. 最低賃金が上がると就業の門が狭まる?

経営界では最低賃金の値上げが雇用を悪化させると主張した。使用者委員は5月 28日の全員会議で「現在の高い最低賃金水準は、低賃金勤労者の生計保護とい う最低賃金制の当初の目的を逸脱し、むしろ雇用に悪影響を与える水準に達し ている」と説明した。

これとともに「職を見つけられさえすれば、最低賃金水準以下でも仕事を望む 場合が少なくないが、最低賃金の高率引上げは企業に雇用そのものを敬遠させ る要因として作用する」と付け加えた。

だがイ・チャンベ女性連盟委員長は「最低賃金を下げれば雇用が創出されるの ではない」と断言し、「製造業や地方事業場などでは、85万ウォンの賃金では 労働者を見つけるのが難しく、鉄道公社なども最低賃金の値上げで契約金額も 上げることで、労働者がこの仕事をしようとする」と説明した。

また最低賃金引き上げを要求する事業を進めている青年ユニオンのチョ・グム ドゥク事務局長は、「OECDでは最低賃金と雇用には相関関係がないという調査 結果を発表している、米国でも最低賃金の過度な上昇はティーンエージャーの 雇用を減らすが、消費促進など他の面で埋められる」と説明した。

チョ・グムドゥク事務局長は続いて「大企業が率先して雇用を減らすなど、経 営界が責任を持って雇用を作り出せないのに、雇用を理由に最低賃金を削ると いうのはとんでもない」とし「雇用悪化が憂慮される零細業者などは、政府の 次元で中小企業支援拡大などの政策で解決する問題」と主張した。

最低賃金法第4条の最低賃金の決定基準と区分によれば、「最低賃金は勤労者の 生計費、類似勤労者の賃金、労働生産性および所得分配率などを考慮して決め る」と明示されている。

だが上の3つの議論は当の最低賃金労働者の現実問題からかけ離れた議題で満た されている。その上、ファン・インチョル本部長は「調査によれば、生計費70 万ウォンは独身勤労者が自分の生計だけでなく貯蓄もできる金額」と主張して いる。

今年の経済成長率は1/4分期に8%を越え、物価上昇率は3%上がった。だが最低賃 金労働者の人生は経済成長とは無関係で、物価上昇率は彼らの生計を締めつけ るものでしかない。

最低賃金値上げの議論が経済成長率数値の8%には満たなくても、物価上昇率3% 値上げ案から議論されてこそ、最低賃金労働者たちは最低の生活を維持できる からだ。最低賃金が労働者の最低の生計を保障するために、経営界と公益委員 の『生計』についての観点を転換することが必要な時期だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-06-29 18:41:40 / Last modified on 2010-06-29 18:41:43 Copyright: Default

関連記事キーワード



このフォルダのファイル一覧上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について