路上生活者の雇用を奪い、ソウルを『デザイン』するのか?

10年で1800人の野宿者がソウルで客死...『特別自活勤労』雇用は半分

ハン・ジョンウ氏はこの前、1か月39万ウォンの雇用も奪われた。彼は通りの野 宿者の公的雇用確保のための特別自活勤労に参加していたが、2か月で職場から 追い出された。1か月39万ウォンだけではあったが彼にとっては生存のための最 低限の雇用であった。

雇用から追い出された人はハン・ジョンウ氏だけでなかった。既存の特別自活 勤労に参加した人の半分が雇用を失った。特別自活勤労参加者が雇用を失った 理由は、ソウル市が予算削減により特別自活勤労雇用数の減少対策を実施した ためだ。しかたなくハン・ジョンウ氏はそれまでに貯めた金でかろうじて考試 院費21万ウォンを調達しており、障害者雇用公団と公共勤労等で他の仕事場を 尋ね歩いている。

野宿者たちにとって今回の秋夕はいつよりも貧しい秋夕だった。秋夕を控えて ソウル市が特別自活勤労参加者数を半分以上削減したためだ。昨年11月、ソウ ル市の呉世勲(オ・セフン)市長がソウル駅の地下道で野宿者に「雇用を提供す るよう努める」と話してから1年もたたない。

ソウル『デザイン』に予算ざぶざぶ、野宿者予算は持続的に削減

ホームレス行動によれば、これまでソウル市は季節によって特別自活勤労を継 続的に増加、削減してきたという。冬の前には雇用を増やし、暖かくなれば雇 用を減らす運営をしてきたのだ。実際に2009年冬期の特別自活勤労参加者数は 860人に達したが、3月には456人に人員を削減させた。

給与も天候により引き上げ、または引き下げた。勤労日数を調節し、夏には31 万ウォンの給与を支払い、冬には39万ウォンに上げた。だが冬が近付く9月、ソ ウル市は『特別自活勤労人員を削減する』と言い出した。半分に該当する参加 者がまた路上に追い出される状況である。その上ソウル市は特別自活勤労事業 の現場で欠員が発生しても補充しないと固執している。

このような野宿者福祉の縮小は、ソウル市の予算削減による。ソウル市は2009 年に74億ウォンだった野宿者雇用事業の予算を2010年には54億に削減、編成し た。ソウル市は『予算がなく追加予算も不確実なので減らすしかない』と釈明 している。

先日の秋夕、ホームレス食べ物作りイベントで会った小さな星(仮名、56)氏も、 特別自活勤労参加者だった。彼は勤労人員の縮小について「(ソウル市に)なぜ 選ばないのかというと、ソウル市は予算がないといった」とし「なぜ予算がな いのかというと、デザインソウル事業に金を使わなければならないといった」 と話した。実際に今年のデザインソウルの予算は1040億になる。20日間の『ソ ウルデザイン・ハンマダン』祭りだけで77億を注ぎ込んだ。

10年間で1800人の野宿者ソウルで客死...『生存』より『デザイン』?

野宿当事者の会の『ハヌルトリ会』と『ホームレス行動』、『貧困社会連帯』 など7団体は9月30日、ソウル市庁前でソウル市を糾弾する決意大会を開いた。 30余人の参加者は街頭野宿者の雇用を削減し、デザインソウルに予算を一度に 注ぐソウル市の展示行政を批判した。

この席で貧困社会連帯のイ・ヘギョン教育局長は「呉世勲市長はわずかな野宿 者支援予算を削減し、莫大な予算をつぎ込み外形を変えることに専念している」 とし「外形をデザインするだけでなく、人生を潤沢にするデザインもすべきで はないか」と指摘した。

人道主義実践医師協議会のイ・ミョンハ幹事も、「ソウル市では1年に300人の 野宿者が客死し、10年間で1800人が客死するが、ソウル市は福祉を増やすより むしろ野宿者の雇用を奪っている」と批判した。続いて「ソウル市は口を開け ば予算不足を嘆いて見せるが、数兆ウォンを川と路上に一度に注いでいくらで もない野宿者の雇用を縮小するために必死だ」と付け加えた。

一方、決意大会の参加者は、闘争決議文を発表してソウル市に、△自活勤労雇 用削減即刻撤回、△野宿者の安定した労働権保障、△福祉を口実にした摘発対 策撤回を要求した。彼らは「貧困と極端な状況に置かれている野宿者に雇用と 住居は何よりも切実」とし「野宿者たちが野宿から抜け出すための本当の野宿 者対策を実施しろ」と主張した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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