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「真実を明らかにしてほしい」...ネパール移住労働者、遺書を残して自決

大邱移住連帯会議、「雇用許可制が移住労働者を死に追いやった」

チョ・ソンウン記者 2011.06.16 17:44

6月12日、大邱のソンソ工団で働いていたネパール移住労働者が「ぜひ真実を明 らかにして下さい」という遺書を残して自ら命を絶った。

「移住労働者人権労働権実現のための大邱慶北地域連帯会議」は6月16日午前 11時、大邱ソンソ警察署の前で記者会見を行い「故人の遺書には、自分を精神 異常者にする会社に対し、自分を何か事件の犯人に追い立てる横暴に対して、 くやしさの解消どころか強制的に事業場を移動させる会社の陰謀について真実を 明らかにしてほしいと記されていた」とし「警察は故ガレー・ドン・ラズ氏を 死なせた原因と真実を徹底的に糾明しろ」と要求した。

ネパール移住労働者「ぜひ真実を明らかにして下さい」遺書を残す

ネパールの移住労働者、故ガレー・ドン・ラズ(満41歳)氏は昨年9月27日、韓国 に入国し、大邱達西区大川洞のふとん綿製造業者S産業で働き、去る12日午後7時 に英文の遺書と2枚のネパール語の遺書を残して自ら命を絶った。故人は故国に 夫人と二人の子どもがいる。

移住連帯会議は「故人の死について明らかにされるべき多くの疑惑がある。 この3か月間に会社で多くのことが起きた」とし「職員20人ほどの小さな工場に 12台のCCTVでも足りず、今年3月にはさらに4台増設した。最近3か月間で会社の 管理者は故ドン・ラズ氏との対話を断絶し、故人を疎外させた。同僚と円満に 過ごしてきた労働者を、会社は精神異常者と言い、誠実に働いていた労働者を 犯罪者に仕立てた」と指摘した。

続いて「苦痛を訴える故ドン・ラズ氏の問題を会社は解決せず、一日後に事業 場変更を強行した」とし「このように3か月の間に発生した多くの疑惑が故人を 死に追いやったと言える。故ドン・ラズ氏がくやしさと侮辱感の中で毎日を過 ごしていた時、少しでも彼の声に耳を傾けていれば、こうした極端な選択は十 分に防げた」と明らかにした。

移住連帯会議が提出した資料によれば、故ドン・ラズ氏は初め自分にしばしば 話しかけてくれたS産業の管理部長に二度にわたり手紙を書いた。この手紙で故 ドン・ラズ氏は「私が夜間交代の時、工場で何があったののか苦しいです。み んなが私を変な目で見ています。いったい何が問題ですか? 私が悪いことをし ましたか? 私への不満は何ですか?」とし「あなたは以前、私にとてもよく話を したのに、この頃には私に話したがりません。私は理解できません。頼むから 私に話をして下さい」と訴えた。

だがS産業の管理部長は返事を避けた。故ドン・ラズ氏は2つ目の手紙で「何が 問題でしょうか。あなたは私を何の理由で恐れているのですか? 私が何日か前 にあなたに手紙を出しましたが、あなたは私を信頼しません」とし「あなたが 非常に憂慮していることを私は知っています。なぜあなたは私との話を敬遠し ているのですか? あなたは私を混乱させています」とまた問題の解決を要求した。

故ドン・ラズ氏の要請にS産業は辞表を書かせ、事業場を変更させることで応えた。

故ドン・ラズ氏は英文の遺書で「韓国政府とすべての方たちに。私は潔白で何 の誤りもありません。会社が私をだましました。私は狂っていませんし、全て が偽り」とし「ぜひ真実を明らかにしてほしい」と訴えた。

一人の移住労働者が自身の命を絶ちながらも明らかにしてくれという真実に ついて、大邱ソンソ警察署は「解雇による悲観自殺」で事件を処理しようとした。 だが遺書を読んだ検事が何か疑惑があると判断し、再捜査を指示したと言う。 しかしソンソ警察署は「調査が進行中なので遺書は公開できない」と明らかにした。

大邱移住連帯会議「対策委構成、真実が明らかになるまで葬儀をせず戦う」

移住連帯会議は「韓国に移住労働者がきて十数年、これまでに反人権的な強制 摘発と追放で命を失った移住労働者、保護所で火災により殺された移住労働者、 労災で命を失った移住労働者、また原因不明のまま目をとじることができない 多くの移住労働者、一握りの灰になって故国に帰った多くの死の原因を明らか にして、韓国政府が謝罪するか、責任者が処罰をされたことがあったのか」と 問いかけ「われわれは故人の死を社会的他殺、韓国政府と資本により殺害され たとはっきり話す」と明らかにした。

続いて「合法的な仮面の下で移住労働者を拘束し、彼らの労働権と人権に関心 もない雇用許可制が、ひとりの移住労働者を極端な状況に追いやり、結局死で 抗弁するしかなかった。死ななければその苦痛から解放されない現実を示す」 とし「資本と事業主にすべての権限を与え、労働者には労働の義務しかなく、 何の権利も認めない雇用許可制と韓国の移住労働者政策は、もう1人のラジを 作り続ける」と、雇用許可制の廃止を要求した。

移住連帯会議は「故人の愛する5歳と10歳の小さな子供たちに、お父さんの死を いったいわれわれはどう説明できるか。今日この席にいる移住連帯会議は、故 ドン・ラズ氏の死にかくされた真実が明らかになるまで戦い抜き、真実糾明の ために地域のすべての良心的勢力と連帯する」とし「警察は故ドン・ラズ氏を 死に追いやった原因と真実を詳しく糾明し、会社は故ドン・ラズ氏の死に関す る行為を隠すことなくひとつひとつ公開すること、大邱雇用支援センターは、 強制的事業場移動に関し、故ドン・ラズ氏に公正で真正性ある責任を全うした のかを明らかにすること」を要求した。

移住連帯会議は記者会見の後、ソンソ警察署を抗議訪問し、遺書を公開するよう 要求したが、拒否された。

移住連帯会議のイム・ボンナム執行委員長は「遺族から委任状を受け取った」 とし「すぐ対策委を構成し、真実が明らかになるまで葬儀をせず戦い抜く」と 話した。(記事提携=蔚山労働ニュース)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-06-18 06:29:36 / Last modified on 2011-06-18 06:29:57 Copyright: Default

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