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企業あたり4百万ウォン削減するために移住労働者を殺すMB

[寄稿]搾取と弾圧の卑劣な工作を止めろ

チョン・ヨンソプ(ソウル京仁移住労組)/ 2008年10月06日11時01分

移住労働者搾取が国家競争力強化?

9月25日、李明博大統領主宰で開いた『国家競争力強化委員会』の7次会議では、 労働部と法務部が共同で『非専門外国労働者政策改善法案』(改善法案)を報告 した。彼らは現在、中小製造業者が外国の人材の雇用に費用がかかるとし、△韓 国語の試験に加え、機能テスト追加、△寮費と食代分担を標準勤労契約書に明示、 △最低賃金制を減額適用(10%)する収拾期間(現行3ケ月)を6か月に拡大、△不法滞 留外国人を年末までに20万人に減少(現在22万人)、5年以内に滞留外国人の10% 以下に減少(現在19.3%)、そのために10〜12月に政府合同摘発する方案を発表した。

一言で、移住労働者に与えたネズミの尻尾ほどの待遇さえ惜しみ、そのネズミ の尻尾まで半分にして、あらゆる人権侵害で『人間狩り』と非難される未登録 移住労働者摘発をさらに強化し、恐怖の雰囲気を造成するというのだ。摘発を 強めれば未登録移住労働者も良い条件を探して移動することが難しくなり、結 局、さらに劣悪な労働条件に耐えるケースが多くなる。したがってこの方案の 目的は、実質的な政府の支援なく移住労働者を絞り取り、捕まえて、中小製造 業者の労働費用を減らしてやるということだ。これは移住労働者への戦争宣言だ。

その上、彼らは『改善法案』の最後に誇らしく中小企業のコスト削減金額まで 計算した。年間約2081億ウォン(企業あたり416万ウォン)が節約できるという。 いや、世の中に一企業あたり1年4百万ウォンを減らすためにこの大騒ぎをする というのか? それを減らせば国家競争力が強化するのか?

企業の好み合わせる

もう少し詳しく見よう。まず現在、雇用許可制で移住労働者が入るために行う 韓国語試験に加え、機能水準と熟練度も考慮するという。該当業種の経歴や機 能を点検するということだ。そうでなくても現在雇用許可制了解覚書を締結し た15の国々では、韓国語の試験を受けるためにたくさん金がかかる。

韓国語塾にも通わなければならず、試験費用も払わなければならず、塾に通う ために大都市にきて、宿泊費も払わなければならない。試験に合格してもすぐ 韓国に行こうとすればブローカー費用を払わなければならないのだ。そのすべ ての費用を個人が支払わなければならず、たいていは家族や親戚、友人から借 りて充当する。もし試験に落ちればその金はそっくり借金になる。それなのに 機能までテストするとなると、溶接や配管などの能力を得る費用も入れなけれ ばならない。

ILOのようなところでは、単純な人材導入に語学試験をする国は韓国しかないと し、撤廃を勧告しているが、さらにテストをするとは『おまえが来たいという のだから自分がもっと金を払え』という言葉でしかなく、持てる者の暴力だ。 まさに労働力が必要なのは韓国ではないのか。言語や技術が必要なら韓国に来 た人を政府や企業の費用で教育すべきだろう。

二番目に、『改善法案』は熟練した外国人材の持続的活用のために、勤労契約 期間を自主的に3年以内にし、再雇用時は出国することなく5年まで雇用を続け るという。これは雇用許可制法改正の案にもある。雇用許可制で入る時、移住 労働者は事業場に行かず本国で契約書にサインする。それで韓国に来ると、た いてい契約書と違う劣悪な工場の現実に失望し、職場を移りたくなる。ところ が勤労契約を3年にすると、実質的な『強制労働』をさせるということでしかな い。そして3年たてば事業主が再雇用をしなければ、あとの2年働けない。事業 主がしなければ終わりだ。だから再雇用されたい労働者は泣く泣く事業主の言 いなりにしなければならず、不当なことがあっても提起できなくなる。また 「改善法案」は労働者の頻繁な事業場変更の自制を誘導するが、労働条件改善 なく事業場の変更だけ自制させるのは、移住労働者にとってつらく苦しくても、 ただ我慢しろということでしかない。

移住奴隷になれ?

三つ目、雇用費用を合理化すると言って宿泊費分担制度化、最低賃金制改悪、 事業主義務加入保険の緩和などを推進するという。当初、企業の必要で持って きた人材で、安定して工場で使うために寄宿舎や食事を提供するのに、それさ えも費用を労働者に分担させるというのは、蚤の肝を取り出して食べるような 処置だ。ましてその寄宿舎とやらも、大慨は工場一角の宿舎や仮設の建物、さ らにコンテナも多いという。

あえて宿泊費が企業に負担になるのなら政府が支援すべきではないのか? 安く こき使うだけで足りず、金まで払えというのはいくら恥を知らない人でもする ことではない。最低賃金から宿泊費を控除したり修習期間を伸ばすのも同じだ。 また事業主が義務的に加入する保証保険(賃金不払いに対応)、出国満期保険(退 職金不払いに対応)への任意加入も労働者に不利で事業主の費用負担を減らす だけだ。

今で、ややもすると賃金が不払いになり退職金を払わないのが茶飯事なのに、 これは改善せず労働者だけ少なく受け取れとはどういうことか? 政府の統計に も移住労働者賃金は最低賃金(月852,020)水準で残業、夜勤、特別勤務などを含 み、114万ウォン水準(労働研究院、2008)だというが、最低賃金を削り、宿泊費 を差し引いて、保険も減らせば、移住労働者は千年万年『移住奴隷』で暮せと いうのか。それと共に『内国人と比べて、相対的に高い雇用費用』と表現する のを見れば話す言葉がない。

一方的な取締り強化

四つ目、不法滞留者の増加で外国労働者の効率的な管理が難しく、社会的費用 が増え、不法労組の結成で法軽視の傾向があるので摘発と処罰を強化するとい う。『改善法案』は、社会的費用として出産、医療、住居問題をあげる。いっ たい、いつ政府が未登録移住者にそんな費用をかけて、支援したのだろうか? 病気になっても病院にもまともに行けず、大怪我をしたり大きな病気になれば 保険も適用されず、移住民共同体が募金を集めるのは頻繁にあることだが、政 府は何か大きなばらまきでもしたかのように話しているのだ。

『効率的管理』とは何だろうか? 推測するに、政府は移住労働者は何も言わず 3年間死んだように働き、本国に帰ればそれだけの『3年分働く機械』と考えて いるようだ。だからそこから離脱して滞留する人々は万悪の根源になるのだ。 しかしむしろこうした『3年短期循環』政策は、失敗した政策の標本だ。政府は 3年間抑圧して搾取して送りかえせばそれまでと考えたが、実際には多くの移住 労働者がこれを拒否したのである。それで7月末現在の未登録移住者は223,229人 だ。未登録移住者は増加し続けている。人材はさらに必要で、政府が導入する人 材も増えるが、政府は3年だけ働いて帰れというために、もっと働きたい人は未 登録になるのだ。

労組の結成で社会的対立が誘発され法を軽視する傾向があるというのは労組そ のものを悪と見ることに違わない。移住労働者がきちんとした人権と労働権を 保証されれば、なぜ労組が必要だろうか? 涙と悲しみの歳月を人間らしく暮し たいと思って作ったのが移住労組だということを政府は知らないのだろう。そ して未登録移住者だけでなく、雇用許可制の労働者も移住労組に加入し続けて いる。だから移住労組は全移住労働者を代弁し、摘発追放中断、未登録移住労 働者合法化、労働権と人権保障を要求し続け、活動しているのだ。そしてすで に2007年には高等法院が合法的労組と認め、これを認めない労働部が上告して、 大法院で裁判が続いている。

それでも政府は『改善法案』として「各種の不法デモおよび不法労組活動への 加担者の取締り強化」といって、移住労組をまた標的とする反盧組態度を続け ている。さらに350人規模の政府合同摘発班を編成し、定期的に摘発して年末ま でにさらに2万人以上を捉えるという。すでに5月〜7月の集中摘発で現在までに 1万8千人を摘発したが、政府が言う通りなら今年は4万人近くを摘発するという ことだが、これは昨年や一昨年のほぼ二倍になる。

また如何に多くの移住労働者が摘発の過程で傷つき、引きずられて行くのだろ うか?

▲国家別摘発現況(単位:人) [出処:法務部]

また政府は未登録移住者が各種の犯罪の温床であるかのように話している。こ れも未登録移住者を犯罪と連結させ、彼らへの反感を助長させようとする幼稚 な手法だ。しかし実際の研究の結果によれば、2004年10万人当りの外国人の犯 罪者数は1891人で、2003年10万人当りの韓国人犯罪者数5134人よりはるかに低 い水準で現れている(刑事政策研究院)。さらに先進国出身の白人よりアジア系 出身の犯罪率のほうがさらに低い。未登録移住者は存在自体が不安で、むしろ 被害者であり、作業場での非人間的な待遇と人権侵害など権利の死角地帯に置 かれているのだ。

さらに失笑を誘う部分は、未登録移住者が身分が不安で「不当な差別と搾取で 人権侵害の議論などの国家イメージ損傷」に言及し、摘発追放を正当化してい る部分だ。つまり不当な差別と搾取にあうから捉えて送りかえさなければなら ないという意である。腹が痛ければ腹をなくせと言うような馬鹿げたコメディー でしかない。国家イメージを良くしたければ、彼らを追い出すのではなく人権 を保障することが近道ではないのか。

搾取と弾圧の悪循環を断切れ

政府の『改善法案』は、移住労働者搾取と弾圧方案でしかない。人種差別と抑 圧で埋めつくされている。賃金を削り、労働条件を低下させ、さらに安くこき 使おうとするこの卑劣な工作は、内国人労働者の賃金と労働条件を低下させる ことにつながるだろう。だからこの悪循環を断ち切るためには移住労働者と 移住運動団体の対応だけではなく、韓国労働者運動、社会運動の連帯が必須だ。

すでに李明博政権は、さらに摘発を容易にして入管規制を強化する出入国管理 法改悪案を出している。企業主だけの意思を反映し、雇用許可制法を変えよう としている。そして一年中、常時摘発をして、移住労働者の人権を蹂躙してい る。これに便乗し、一部の右翼団体は露骨に移住労働者へのアンチキャンペー ンを繰り広げている。このような攻勢は、全進歩運動陣営に共通に入ってきて いる。

移住労働者の権利保障の程度は、人権の尺度だと言っても過言ではない。日々 野蛮に駆け上がる李明博政権と戦うべきことは一つや二つではないが、移住労 働者の権利は立ち上がらざるを得ない問題だ。移住労組では声明書で次のよう に主張している。△反人権、反労働者的『非専門外国労働者政策改善法案』を即 刻廃棄しろ!、△殺人的な移住労働者合同摘発を即刻中断して未登録移住労働者 を合法化しろ!、△移住労働者の労働権を否定する雇用許可制を廃止しろ!、△出 入国管理法改悪の試みを即刻中断しろ!

移住労働者が命と血で抵抗して勝ち取ったものをなくそうとする試みに対して 共に戦おう。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2008-10-08 01:19:15 / Last modified on 2008-10-08 01:19:16 Copyright: Default

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