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法務部、病気の移住労働者に「苛酷行為」

スバス「テープで口を防ぎ、ロープで縛った」

ビョン・ジョンピル記者 bipana@jinbo.net / 2008年02月01日15時37分

法務部が病気の移住労働者を強制退去させる過程で明白な反人権的な行為をし たという事実があらわれた。

去る1月、華城外国人保護所で糖尿病と診断された後、引続き腹痛を訴えてきた ネパール移住労働者のスバス氏。スバス氏は1月30日に華城外国人保護所から仁 川空港への道でも韓国法務部の「恐ろしい措置」を受けなければならなかった。

スバス氏の証言によれば、保護所で「誰かが脚を攻撃し、私を倒した。私が倒 れるとすぐ10人ほどが駆寄り、手足を縛ってテープで口を防いだ。綱でからだ と脚を縛り、目も塞いでなにかに乗せられた」と証言している。

さらに深刻な事実は、スバス氏を護送した車両が法務部関連の車両ではないと いう点にある。スバス氏は「空港に降り立つと、私が乗って来た車は保護所に パンを運ぶ車だった」と証言している。

強制退去過程に対するスバス氏の証言

面会を終えて(保護所)部屋に帰ると(午前10時30分頃)また面会にきたといわれ た。外に出ると、3人が飛びかかってきて腕と足を捉え、部屋に入れられた。職 員が「お前は今日出て行く」と言い、「なぜ私は今日行かなければならないの か」と言うと、後から誰かが脚を攻撃し、私を倒した。私が倒れるとすぐ10人 ほどが駆寄り、手足を縛ってテープで口を防いだ。ロープでからだと脚を縛り、 目も塞いで何かに乗せた。空港に降り立つと、私が乗って来た車は保護所にパ ンを運ぶ車だった。空港で激しく抗議した。そのために空港にいた人々がみん な私たちを見た。私が抗議すると、また2人が私を捉えた。..夕方8時半に飛行 機(バンコク行9時発)に乗った。私が(飛行機で)抵抗すると一度下ろして、飛行 機が離陸する直前に私を乗せた。入管職員二人が同行した。タイに到着すると 電話もできないようにした。私はやっと私の横を通りすぎていくネパール学生 に友人の電話番号を知らせて連絡を頼んだ。私はネパール行の飛行機に乗るま で、独房に拘禁されなければならなかった。今朝10時(韓国時間3:30)ネパール に到着した。幸いネパール現地時間の12時にネパール労総の活動家が私を出迎 えにきた。本当に恐ろしい過程だった。

-提供:移住労組標的弾圧粉砕非常対策委

外国人保護所、事実確認の要請に「答えられない」

出国過程でスバス氏に加えられた人権侵害の事実を確認するために華城保護所 に電話をした。しかし華城保護所側のキム・ソク係長は『車に乗せて護送した 事実があるか』という質問に「答えられない」という話をして電話を切った。

移住労働者を強制退去させる過程で護送車両ではないパンをのせる車で『目を 隠し、手と足を縛った』事実が明らかになり、法務部の反人権的な姿勢はまた 俎上に乗るものと見られる。

民主化のための弁護士の会(民弁)のクォン・ヨングク弁護士は「少なくとも自 分の診療を要求している状態で、面会と言ってだまし、突然手足を縛ってテー プで口をふさぎ、足で蹴り倒した部分は、正常とは思えない」とし、無理な力 の行使だと指摘した。クォン・ヨングク弁護士はこれについて「公権力行使の 過剰と乱用」とし、「広い意味で苛酷行為と言える」という見解を表明した。

スバス氏は昨年7月に移住労働者の取り締まり権限のない警察によって外国人保 護所に渡されて収監され、この事件を人権委に陳情した状態であった。人権委 の決定を待ち、華城外国人保護所に収監されていた7か月間、スバス氏は腹痛を はじめさまざまな痛みを保護所側に訴えてきたが、保護所側では「本人の要請」 で抗生剤を処方しただけで、適切な外部診療の要請を拒否してきた。

去る1月、保護所で糖尿病と診断されたスバス氏は、引続き痛みを訴え、人権社 会団体とソウル京畿仁川移住労働者労働組合は外部診療での適切な診察を要請 してきた。

1月29日にスバス氏と特別面会した韓国労働安全保健研究所のコンユ・ジョンオ ク前所長(医師)は、「腹痛で夜寝られない」とスバス氏が訴えたため、私が胃 内視鏡検査、腎臓疾患検査のための小便検査、超音波検査などがすぐ必要だと 要求した。しかしスバス氏はこうした切実な願いを無視されたまま結局1月30日 に強制退去措置された。

2ケ月に1回の定期検診規則だけ守っても...

外国人保護規則に20条によれば『1か月以上保護する保護外国人には、2か月に 1回以上担当医師または外部の医師の健康診断を受けさせなけれればならない』 となっている。

1月に糖尿と診断されたスバス氏の場合も、糖化血色素が14.3%で3か月間の平均 血糖値が400mg/dlだった。外国人保護規則をきちんと守っただけでもスバス氏 の血糖の悪化を防ぎ、早期に診断を受けられたものと見られる。

保護所側は、保護所が外国人を拘禁する施設であり、彼らに病院と同じ治療を 提供する所ではないと主張して反論した。合わせて保護所内にも専門医1人と公 衆保険医1人がいると説明している。

しかし、華城外国人保護所の最大収容人員は720人。平均すると多ければ 500-600人、少なくても200-300人が収容されている保護所に勤める医師は、専 門医1人と公衆保険医1人だ。しかも保護所内には通訳などのサービスが提供さ れず、移住労働者が病気になっても円滑な意志疎通ができないという点を移住 労組は指摘している。

移住労組弾圧非常対策委は記者会見で、スバス氏がネパールに到着した後、病 院に入院して診療を受ける予定で、「身体の状態に深刻な問題があれば法務部 にその責任を問う」とし、今回の事件を黙過しないという立場を示唆した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


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