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「アノアル委員長の滞留不許可方針を撤回しろ」

民主労総、 移住労組結成権侵害で韓国政府ILOに提訴

チェ・イニ記者 flyhigh@jinbo.net / 2006年11月17日13時50分

民主労総と移住労働組合は最近、政府がアノアル移住労組委員長の滞留不許可 の方針をおろしたことに反発し「移住労働者労組結成権侵害」を内容として政 府を国際労働機構(ILO)に提訴することにし、17日の午前に記者会見を開いて 発表した。

移住労組は、移住労組設立申告返戻に対する取り消し訴訟を裁判所に提出した が、1審で敗訴、現在控訴中だ。労働部と法務部では「未登録移住労働者と使 用者が結んだ雇用契約は認められないので、未登録移住労働者を労働者と認め られず、したがって未登録移住労働者が作った移住労組は認められない」とい う立場だ。

しかし、未登録移住労働者の労働者性を否定するこうした政府の立場と裁判所 の移住労組設立申告返戻は、国連協約とILO規約などの国際法に違反している と指摘されている。移住労働者の労組結成権の侵害と、雇用許可制などは、 ILO協約143条の「地位とは無関係にすべての移住労働者に対する同等な権利保 障」に違反し、移住労働者の結社の自由、労働組合結成権、団体交渉の権利な どを保障する87条と98条にも反する。

標的連行されたアノアル委員長に、労組活動を口実とする強制追放の脅迫

アノアル移住労組委員長

こうした状況の中、政府はアノアル委員長の滞留許可まで取り消そうとしてい る。アノアル委員長によれば、ビザ期間延長のために訪ねたソウル出入国管理 事務所側は「一時保護解除要件がみたされた」とし、自主的に出国を推奨した と発表した。さらにアノアル委員長の集会出席や労組活動までを問題視して 強制追放まで暗示したという。

民主労総はこの日の記者会見で「ソウル出入国管理所長の方針は、法務部と政 府の方針だと理解する」とし「すでに政府は8月にアノアル委員長がILO総会に 参加することを阻止するため、ビザ取り消しで威嚇した事実がある。今後もア ノアル委員長の活動を口実として滞留許可を取り消そうとするなら、強く抗議 する」と明らかにした。

2005年4月に移住労組が発足して以来、政府はこれを認めておらず、アノアル 委員長を標的連行、強制拘禁して問題になったことがある。移住労組が誕生し た後も、政府は未登録移住労働者への人間狩り式摘発と強制追放を敢行、多く の労働者が強制出国や摘発から逃げて死亡するなどの事件が絶えず続いている。

移住労組創立直後の2005年5月に強制連行されたアノアル委員長は、身柄治療 のために2006年4月「一時保護解除」の名目で釈放され、6月に委員長に再任、 8月には民主労総代表でILO総会に参加しようとしたが、政府から強制追放の脅 迫を受けていた。

民主労総の韓国政府に対するILO提訴文(要約)

全国民主労働組合総連盟は、大韓民国政府が施行している雇用許可制がILO 97条 と143条協約に違反し、移住労働者たち労働基本権と人権を侵害していて、非 正規職労働者たちの結社の自由、労働組合結成権、団体交渉の権利などを侵害 してILO 87条と98条に違反しているのでこれに対し公式に提訴する。

1. 提訴内容

1) 韓国で2004年8月から施行されている雇用許可制は、移住労働者へのILO協 約97条と143条に違反し、移住労働者の労働基本権と人権を深刻に傷つけて いる制度だ。

2) 2005年4月に創立されたソウル京畿仁川移住労働組合委員長に対する連行と、 労組設立申告に対する補完要請、そして補完要請不足などを理由とする労 組設立申告書類返戻は、結社に関するILO協約87条と98条に対する違反であ り移住労働者運動に対する弾圧だ。

3) 要約

(1) 雇用許可制を施行するための前提条件として連続した摘発追放で発生 した移住労働者への人権侵害は協約143条[第1条]「本協約を施行す る各会員国はすべての移住労働者の基本的な人間の権利を尊重しなけ ればならない」という条項に全面的に違反している。

(2) 雇用許可制の代表的な毒素条項である第25条事業場移動権を制限する 条項は、協約143条[第14条](a)「移民勤労者が2年を超過しない規定 された期間に就職を目的として自国の領土内に合法的に居住するとい う条件の下で、または法令が2年以下に定めた期間の契約をした場合に は、該当勤労者が最初の雇用契約を完了したという条件の下で移住労 働者に地理的に移動する権利を確保し、職業を自由に選択することが できる」に違反している。

(3) 移住労働者労働組合委員長連行と設立申告書類に対する補完要請は協 約87条[第2条]「勤労者および使用者は事前の認可を受けず自ら選択 し、団体を設立してその団体の規約に従うことだけを条件にその団体 に加入する権利をいかなる差別もなく持つ」と[第3条]「公共の機関 はこの権利を制限したりこの権利の合法的な行事を妨害しようとする いかなる干渉も中止しなければならない」に全面的に違反している。

4) 要求事項

(1) 今すぐ摘発追放をやめ、未登録移住労働者への人権的な 対策を用意することを勧告することを要求する。

(2) 雇用許可制の毒素条項である事業場移動の制限および契約期間1年を越 えない1年ごとの再契約に対する条項が移住労働者の労働三権を深く侵 害していることを勧告してこの条項を直ちに廃止することを勧告する ことを要求する。

(3) 韓国内の事業場および社会で移住労働者に対する差別が一般化してい ることを勧告して人種および民族差別禁止を勧告することを要求する。

(4) 未登録移住労働者も労働者である労働者の権利が「地位が公認されな かったり公認されない移住労働者」も同等な処遇を受られるという条 項により移住労働者労働組合の設立許可を勧告することを要求する。

(5) また現在韓国政府がILOを無視し続ける態度を取っていることを認め、 直ちに国際機構の基準に従うことを強く勧告することを要求する。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2006-11-18 14:31:41 / Last modified on 2006-11-18 14:31:42 Copyright: Default

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