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「世界権力に対抗するウィキリークス、革命の言論」

公共メディア研究所フォーラム開催...「アサンジは言論行為をしただけ」

キム・ドヨン記者 2011.01.07 18:01

1月6日、公共メディア研究所の主催で「ウィキリークスは『革命の言論』か、 『国家の危険』か」を主題とするフォーラムが開かれた。この席では公共メディ ア研究所のチョ・ジュンサン所長とテキサス州立大のチェ・ジンボン教授、慶 煕大のイ・テッカン教授、情報公開センターのチョン・ジナン事務局長が参加 し、私たちにウィキリークス事件が示唆することについて意見を交わした。

問題提起をした テキサス州立大ジャーナリズムスクールのチェ・ジンボン教授 は「ウィキリークス事件を表現の自由の観点から見るべきだ」と主張した。

チェ教授は「他の提供者から得た情報は報道できるというのが米国憲法修正1条 に対する法曹界の解釈」とし「わざわざ情報を取ることもなく、他政府のため に働いてるわけでもないジュリアン・アサンジにスパイ罪を適用したのは修正 憲法を深く侵害し、これは明白な表現の自由の抑圧」と話した。

続いて彼は「言論の自由は特別な権限ではなく、民主社会の一員として生まれ ながらにしての自由」で、「情報を入手して公開する権限は、国際協約の世界 人権宣言も規定している内容で、今回のジュリアン・アサンジの情報公開は、 世界市民としての行為であり、全く問題がない」と主張した。

チェ教授はまた「国家権力は、国民からの委託で行使され、ウィキリークスが 取得した情報が米政府の誤った慣行を告発する内容なら、いかなる形態でも 公開する機会が与えられるべきであり、政府が誤った行為をすることを国民は 知る権利がある」とし「主人である国民に誤りが明らかになることを妨害する ことは、国民を主人と考えず、従と考えるもの」と批判した。

チェ教授は「情報により国民の知る権利を充たす、すべての団体を言論だとす れば、彼らのすべての行為を抑圧するのは言論の自由への甚大な弾圧であり、 反民主的行為」とし「韓国でもこうしたことが十分に起きる可能性がある」と 喚起した。

討論者として出た情報公開センターのチョン・ジナン事務局長は、ウィキリー クスと米政府の対立を「市民権と国家権力の間の争い」と規定した。

彼は「ウィキリークスが公開した情報は、イラク戦に参加した一等兵にも簡単 に接近できる程度で、秘密資料として価値がなく、米政府の政権の安全保障の ために作られた私的記録でしかない」とし、それでも米政府がこれほど過敏に 反応するのは、「米国の恥部を現わし、自身の恥を公開した、『裸にされた』 行為への不快感を示すものでしかなく、スパイ罪とは何の関係もない」と話し た。これは「米政府は、ウィキリークスの報道をそのまま引き写したニューヨー クタイムズのような巨大言論には何の措置も取らずにいるのを見てもわかる」 という。

チョン事務局長は続いてウィキリークス事件が「情報を利用して、権力を行使 する勢力と、その情報を知ろうとする勢力の衝突、つまり市民権と国家権力の 間の戦いで、全世界的に市民権力と米国権力との戦いだ」と話した。

彼は「権力は、政権の性格とは無関係にその属性上、情報を統制し隠そうとす るので、この態度はどの政権でも発生しており、韓国でも現れている」とし、 自分が身を置く情報公開センターが最近体験した事例を伝えた。

「われわれ情報公開センターがソウル市に『各報道機関に提供した広告単価を 公開しろ』と情報公開請求を続けたところ、ソウル市が答弁書を送ってきた。 そこにはセンターが『受けた資料をあらゆる言論にソウル市を非難する資料と して使う、権利を乱用するセンター』と書かれていた。これも情報公開請求権 を通じ『君たちが作った情報をよこせ』と要求する市民権と、そんな私たちを 非難する国家権力の戦いといえる。」

一方、慶煕大のイ・テッカン教授は「ウィキリークスは、これまで経済が隠し てきた政治性を復活させた」と主張した。

彼は「ウィキリークスが暴露した情報について、米政府が国益に背くと判断し たが、新自由主義イデオロギーでの米国の『国益』とは、国家の機能をマヒさ せること」とし「ウィキリークスの公開は、米国が『国家を解体する』国益の 追求を放棄していないという事実を暴露した」と話した。

経済、言論、文化的な状況で絶えず隠蔽され効果がないかのように見なされて きた政治が、実はこうしたことと無関係ではなく、むしろ大変重要だというこ とを知らせた。企業中心の経済・市場の名で行われる寡占強化などの経済論理 で民主主義を代替しようとしたグローバルな状況をウィキリークスが打撃した という説明だ。

イ教授はまた「この過程で市民と呼ばれる、存在する市民が市場の論理、国家 の論理、外交の論理を超えて自分の声を出したことが重要だ」と指摘した。

彼は「国家と呼ばれる権力がすることは、自分たちが大衆の声をまとめ、まる で代弁しているかのように語ることで大衆の声を静めることだが、ウィキリー クスはそうではなかった」とし「こうしたウィキリークスへの弾圧は、市民の 政治と呼ばれる民主主義の原則を弾圧する意志が、基本的に国家権力にはある ということを示す」と説明した。

イ教授はまた「インターネットが公論の場の役割を果たしていて、個別主導者 が言論の役割をする条件がある韓国で、ウィキリークスのような状況が起きな いとは言えない」とし「ネズミ一匹を描いて弾圧するが、それだけこの政府は 恐がっているのではないか。韓国という所は私たちが考えているより躍動的な ところだ。私たちは民主主義原則の具現という使命感を持たなければならない。 そうした意味でウィキリークスが私たちに投げかけるメッセージは大きい」と 話した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-01-08 11:52:34 / Last modified on 2011-01-08 19:43:27 Copyright: Default

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