韓国:「青営放送」の世論操作と朴大統領の責任 | |||||||
Menu
おしらせ
・レイバー映画祭(報告) ・レイバーネットTV(10/30) ・あるくラジオ(10/10) ・川柳班(11/22) ・ブッククラブ(10/12) ・シネクラブ(9/1) ・ねりまの会(10/12) ・フィールドワーク(足尾報告) ・三多摩レイバー映画祭 ・夏期合宿(8/24) ・レイバーネット動画 ●「太田昌国のコラム」第95回(2024/10/10) ●〔週刊 本の発見〕第367回(2024/11/7) ●「根津公子の都教委傍聴記」(2024/10/24) ●川柳「笑い茸」NO.157(2024/9/26) ●フランス発・グローバルニュース第14回(2024/10/20) ●「飛幡祐規 パリの窓から」第95回(2024/9/10) ●「美術館めぐり」第4回(2024/10/28) ★カンパのお願い ■メディア系サイト 原子力資料情報室・たんぽぽ舎・岩上チャンネル(IWJ)・福島事故緊急会議・OurPlanet-TV・経産省前テントひろば・フクロウFoEチャンネル・田中龍作ジャーナル・UPLAN動画・NO HATE TV・なにぬねノンちゃんねる・市民メディア放送局・ニュース打破配信プロジェクト・デモクラシータイムス・The Interschool Journal・湯本雅典HP・アリの一言・デモリサTV・ボトムアップCH・共同テーブル・反貧困ネットワーク・JAL青空チャンネル・川島進ch・独立言論フォーラム・ポリタスTV・choose life project・一月万冊・ArcTimes・ちきゅう座・総がかり行動・市民連合・NPA-TV・こばと通信
|
「青営放送」の世論操作と朴大統領の責任[首脳謀議興亡盛衰] 「操作統治体制」のための放送掌握か 入力:2014-05-2211:27:42 露出:2014.05.2309:07:37 チョン・サンモ (平和民族文化研究院理事長) | sang16@hanmail.net
セウォル号惨事であらわれた韓国言論の実状はそれこそ衝撃だった。 誤報と歪曲、刺激的な扇情報道と私生活侵害、人格冒涜など、 よほどのことがなければ記者とゴミを合わせた「マスゴミ(訳注:原文は「記者」と「スレギ(韓国語でゴミ)」で「キレギ」)」というヤジや 「言論惨禍」という批判が出てくるだろうか。 特に放送の弊害が深刻だ。 国民の放送を自任する公営放送が、 貴重な生命の救助のために一刻を争う切迫した状況で権力の下手人に転落し、 世論操作の先頭に立つとは嘆かわしい。 放送は「船舶224隻、航空機35機、潜水要員727人を動員して捜索」など、 実際よりとんでもなく誇張された数字の字幕を政府が発表したとおりに送信し続け、 政府が最善を尽くして努力し、捜索作業が円滑に行われているかのように世論操作をした形になった。 こうした世論操作について、数百人の不明者と比べ、 あまりに小さい数の潜水士の投入と政府の遅い対処を見守る不明者家族の気持ちはどうだったか。 KBSは朴槿恵(パク・クネ)大統領が珍島体育館を訪問した時、 不明者家族の拍手の音しか伝えず、遅い救助作業に対する家族の抗議と願望の声は入れなかった。 こんな放送の世論操作が青瓦台の介入で行われたというのは、本当に驚くべきことだ。 KBSのキム・シゴン前報道局長が 「権力の表情ばかりを見て、ことごとに報道本部の独立性を侵害してきた吉桓永社長は直ちに辞任すべきだ」と要求し、 吉社長を通じた青瓦台の報道圧力の事例を具体的に暴露した。 キム前局長が「海上警察を非難しないように青瓦台側が何度も要請した」と暴露した部分は、 朴槿恵政権の放送の報道統制を如実に表わす根拠と見るほかはない。 放送報道の実質的な責任者の証言を信じられないことがあるだろうか。 きちんと乗客を救助できなかった海上警察を批判した他のマスコミの報道と違い、 KBSは「救助に必死の努力、海上警察の後で逃げる船員」というタイトルで、 海上警察より船員の批判に重点を置いた報道をしたことは、彼の証言を裏付けている。 ▲朴槿恵大統領が19日午前、青瓦台春秋館でセウォル号惨事関連の対国民談話を発表した。(c)大統領府 ソウルの曹渓寺でのイベントで、朴大統領がセウォル号惨事に関して謝罪したというニュースも、 吉社長がキム前局長に電話をかけてヘッドラインニュースの直前に入れさせたという。 吉社長はまた、朴大統領の反省を要求した安哲秀(アン・チョルス)のニュースはもちろん、「安哲秀代表『大統領に痛烈な謝罪』を要求」 vs セヌリ「謝罪収拾が先」と公正性を考慮した字幕も取れと要求したという。 吉社長がことごとに放送報道に干渉した行為は、いちいち数え上げられないほどだ。 遺族の謝罪要求に頑として粘った吉社長が、青瓦台の首席と遺族が面談した後に急変し、 遺族の要求を受け入れたのも、KBSに青瓦台が作用した結果ではないだろうか。 青瓦台の報道統制と干渉がどれほど激しければ、KBSが「青営放送(青瓦台放送)」と世間から嘲弄されるだろうか。 青瓦台の下手人になってしまった吉社長の辞任に、 KBSのすべての職群のチーム長が動いたのはあまりにも当然だ。 よほどのことがなければニュースアンカーや部長、チーム長が吉社長辞任を要求し、 製作拒否に参加などしない。 吉社長が一抹の良心でも残っているのなら、 公営放送の首長として、政権の下手人の役割をしたことを謝罪して辞任することが最後の道理だ。 彼はむしろ詭弁で青瓦台外圧説を全面的に否定し「左派労組の放送掌握の企み」と 「理念論争」を展開して「正面突破」を宣言し、逆攻勢に出た。 彼の無鉄砲な態度に唖然とせざるをえない。 「国民の放送を守ってほしい」とし、 「不法行動には厳しく責任を問う」と居直り式の刃物を振り回す吉社長の傲慢な暴力に、どうして怒らずにいられるだろうか。 2010年にMBCの金在哲(キム・ジェチョル)社長が大目玉を食らい、青瓦台で蹴飛ばされるという介入を受けて「左派大掃除」をして政権広報のための「下手人」役を買って出たという、 金寓龍(キム・ウリョン)前放送文化振興会理事長の暴露が波紋を起こた。 金社長はMBC史上最悪の公正放送弾圧を行い、権力の好みに合わせる下手人社長役を果たした。 その上、与党の重鎮議員までが青瓦台の介入によるMBCの不公正放送を批判したほどだ。 ただ権力の表情ばかりを見て、国民は眼中にもない「青営放送」になってしまったMBCが、 まともにセウォル号惨事報道をしたはずがない。 「青営放送」として、政府側の言葉を書き写しながら、不明者家族の切実な気持ちを推し量って彼らの立場と要求を反映しようとしただろうか。 パク・サンフ全国部長がニュースデスクで、民間潜水士の死がまるで遺族の焦りのために起きたかのように論評報道をして遺族の心を深く傷つけた。 その上、キム・ジャンギョム報道局長は遺族を「完全チンピラ」と言ったという。 遺族に対する破倫的な暴力だ。 MBCはセウォル号沈没事故の直後、最初に「学生全員救助」という決定的な誤報を送りだしたという議論にも包まれた。 明らかなことは、救助活動に重大な混線をもたらしたことだ。 問題は、MBCの全国部は、 木浦MBCの記者が木浦海洋警察署長から救助者は160人だと確認し、 救助者数の重複による誤報の可能性を報告したのに、これを無視したという。 MBCは決定的誤報と破倫的暴力に謝罪したことさえない。 公営放送の姿を失ったMBCは視聴率も危険になり、2012年には地上波4つのチャンネルの中で最下位を記録した。 経営状態も悪化するほかはない。 MBC社長の下手人の役割と公正放送弾圧をあおって擁護した与党側の放文振理事にMBC沈没の責任を問わざるをえない。 KBSとMBCの「マスゴミ放送」の態度は、公営放送を権力の下手人の「青営放送」にした青瓦台に根本的な責任がある。 公営放送沈没の最終責任者は朴槿恵大統領だ。 朴大統領は、公営放送の支配構造を改善し、放送掌握はしないと国民と約束した。 この約束はどうなったのか。 朴大統領は最近、放送通信審議委員長と審議委員にニューライト出身と極右指向の人物を内定し、 国家情報院2次長に旧安全企画部の捜査慣行に馴染んだ公安検事出身の人物を任命した。 朴大統領は国家情報院と極右新聞と「青営放送」を中心として、 北朝鮮への敵対感と「従北追い込み」世論造成のため「操作統治体制」を強化する意図なのか。6.4地方選挙を控えて、 どこかで南北間の対決と緊張を呼び起こす「北風」と「従北追い込み」の世論操作のため密かな陰謀が進んでいるのではないかという憂慮を振りきれない。 「世論操作統治体制」の正体は、無能と腐敗だ。 国民のための政治的ビジョンと、政策を通じた国民的な評価と支持を獲得する自信があるのなら、 あえて世論操作に頼る必要はない。 世論を操作する理由は、無能と誤り、腐敗を隠すためではないだろうか。 鄭夢準ソウル市長候補と吉桓永社長は、劣勢と窮地に追い詰められたことで「理念論争」を持ち出した。 彼らが理念論争に頼るのは、勉強ができない学生がカンニングに頼るのとどこが違うのか。 国民を操作の対象とする「操作統治体制」では、人間の尊厳や生命の価値が尊重されるはずがない。 世論操作のため「青営放送」では、国民の知る権利や一般国民の意思の反映は存在できない。 朴大統領は独裁的な発想の「操作統治体制」を中断し、「青営放送」を国民のための公営放送に復元する措置を取らなければならない。 措置の第一歩は、朴大統領の国民に対する謝罪と吉社長の辞任だ。 朴大統領が国民を操作対象とする統治を続けるのなら、朴大統領に対する国民の審判以外に他の方法はない。 翻訳/文責:安田(ゆ) Created byStaff. Created on 2014-05-24 20:40:37 / Last modified on 2014-05-24 20:40:38 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |