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「ISDは公共政策の施行を制約する」

環境政策に制約多く...地方政府の政策決定にも影響

チョン・ヨンギル修習記者 2011.11.21 11:16

韓米FTA協定案での最大の争点になっているISDにより、公共政策の施行に影響 を与えた海外の事例が伝えられ、関心を引いている。

11月21日、IMIのキム・ジノン代表は平和放送〈開かれた世界、今日〉に出演し、 北米自由貿易協定のISD提訴の事例を挙げて「ISD条項は協定対象国の大部分の 公共政策の施行を制約し、全般的な政策再設計を要求している」と指摘した。

キム・ジノン代表は「カナダ政府が環境保護のためにガソリン添加剤MMTの使用 を禁止する措置を取ると、1997年にEthylという米国企業がNAFTAのISD条項により 国際仲裁機構のUNCITRALに2億5千万ドルの賠償金を要求し、カナダ政府を提訴 した。カナダ政府が敗訴し、使用禁止措置を取り消し1300万ドルを米国企業に 賠償した」とし、ISDが環境政策に大きな影響をおよぼした事例を提示した。

続いて彼は「メキシコ市が工場建設の承認条件として、工場内で発生した有害 廃棄物の清掃を要求すると、メキシコ市政府の措置は『間接収用』に当たると 主張する米国企業が9千万ドルの賠償を要求し提訴、約1600万ドルを米国企業に 賠償した事例もある」と話した。

また、ISD条項の『収用』にあたらなくても、内国人との差別的待遇を理由に、 環境政策の施行に支障を与えたと指摘した。彼は「1988年にカナダ政府が有害 廃棄物の貿易に関する条約により、塩素化学物質に対する輸出禁止措置を取ると、 米国企業が賠償金2千万ドルを要求して提訴した。国際仲裁機構は収用には 当たらないが、協定対象国企業への差別措置として、5百万ドル賠償した事例が あった」と言及した。

キム・ジノン代表は、FTAの協定対象の国内企業ではなくても、ISD条項を根拠 に提訴が形成された事例にも言及した。彼は「カナダの金鉱開発企業は、米国 支社を設置したが、エルサルバドル政府が金鉱開発事業承認をしなかったため、 カナダとエルサルバドル間のFTAがないのにエルサルバドルを提訴し、2億ドル の賠償を要求している」と話した。

彼は地方政府の公共政策と行政措置にもISD紛争が相当数発生していると話した。 先日、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長は李明博大統領に「韓米FTAは地方 政府の政策決定にも影響を及ぼす」という意見を伝えている。

キム・ジノン代表は「2008年、米国企業がカナダで採石場と運搬船ターミナル を建設する過程で、カナダ州政府の建設に関する要求条件と環境政策を任意の 措置だと主張して、カナダ州政府と連邦政府を対象に1億8千8百万ドルの賠償を 要求した事例がある」と話した。

また「カナダのオンタリオ州が再生エネルギーに関するプログラムが一定部分 含まれるように要求する緑色職業教育指針を制定すると、米国投資家がNAFTAに 違反したと主張し、カナダ政府に7億7千5百万ドルの賠償を要求した」と指摘した。

公共政策全般に影響する海外の事例は、政府の主張に弱点が多いことを示す。 政府はこれまで医療分野をはじめ公共部門はISD提訴の対象ではないと強く主張 してきた。

一方、この日、ハンナラ党のホン・ジュンピョ代表は、「韓米FTA批准を遅らせ るのは共倒れの道」とし、24日の批准強行採決の意図を示唆した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-11-22 14:18:36 / Last modified on 2011-11-22 14:19:12 Copyright: Default

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