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韓米FTA ISDの政府委託研究の結果、バラ色の称賛一色で波紋

「批准当時は体当たりをしたのにISD擁護論者でT/F構成」...ISD議論に再点火

キム・ヨンウク記者 2014.04.10 17:47

2011年の韓米FTA国会批准の時に小競合いと激論を繰り返した ISD(投資家-国家訴訟制)関連の条項に関する政府の委託研究の結果がバラ色の楽観論一色で国会に報告され、波紋が生じている。 特に委託研究に参加した教授がISD擁護論者だけで構成されていたという指摘もあり、国会次元で議論が再点火されている。

韓米FTAのISDに関する委託研究は、2011年の国会批准同意処理の時に与野の合意で ISDの廃棄、留保、修正を含む 「韓米FTA再協議要求決議案」が国会で採択されたことによる。

4月10日午前、国会産業資源委員会の全体会議懸案報告で、産業通商資源部の禹泰熙(ウ・テヒ)通商交渉室長は 「韓米FTA ISD T/Fおよび研究用役結果発表」の総合意見を伝え、 「(一般的な)ISD制度は半世紀の間に多くの国家が認めてきた普遍的規定で、持続的な外国人投資誘致のために必要」とまず前提にした。 こうした前提は「韓米FTAのISDの全面廃棄または削除、核心条項に対する改正の必要はない」という結論につながった。

また「韓米FTAのISD制度は投資家の保護と国家規制の権限間がバランスした発展した形態」とし 「これまでISDについて提起されてきた問題点を補完する一方、わが国の法制度と調和するさまざまな安全装置を用意したものと評価する」と決めつけた。

主要争点別の検討内容もやはり、ISD条項はすべて良い一色だった。 報告書は、ISDの核心の争点の一つだった間接受け入れに関しては 「韓国の憲法に違反せず、憲法上の財産権保障の理念に符合する」とした。 また「ISDは、国際紛争解決の一環として司法制度を阻害せず、公共政策の自律性に関しても、協定文での適用排除、例外、留保等を通じ、公共政策の自律性を確保した」と主張した。

ISDの主な仲裁判定例の分析を通じた政策的な示唆点も、わが国には問題がないと結論付けた。 報告書は「わが国は法的安全性が高く、南米のような恣意的な政策運用は稀なのでISD提起の可能性は低く、 海外進出企業は鉱業と電気・ガスに莫大な投資をしており、ISDは選択の問題ではなく持続的な投資誘致のための基本装置」だと強調した。

また「政府の規制措置を合理的に公正かつ透明に運用すれば、ISD提起の可能性は非常に低い」とし 「韓米FTAのISDに対する市民団体などの批判は、ISD制度、仲裁判定の結果に対する誤解に起因するものが大きく、条約の文言の差、政府措置の不当性の看過、国際投資法と国際法に対する不適切な解釈による場合が多いと判断する」とし、 ISD問題を提起してきた市民団体と野党議員、専門家の意見を全面的に否定した。

こうした結果は当の与党議員からさえ、あまりに楽観的だという指摘があった。 野党の議員らは、産業部の12ページの結果要約報告書に楽観的な結論だけが導かれた背景に、強い疑問を提起した。 これにより野党の議員らはT/Fでの議論の資料と用役報告書の結果導出の過程についての資料を全面公開しろと要求したが、産業通商資源部の尹相直(ユン・サンジク)長官は一部の交渉戦略が露出しかねないとし、全面公開ではなく時期と方法を考慮すると述べ、論議がおきた。

セヌリ党のイ・ヒョンジェ議員は「あまりに楽観的な結果だ。 政府の意志と意向により、このように報告したのではないのか」と指摘した。 尹長官はこれに対して「民間用役の結果だ。 政府の公式の立場ではない」と答えた。

新政治連合の秋美愛(チュ・ミエ)議員は 「間接受け入れが問題になるのは、財産権を国家が侵害した時、何が憲法の保護対象なのかだ。 ISDが言う投資家の期待利益、実現されない将来の利益までは保護しない」とし 「これは法務部も、憲法の適用を受ける内国人と、投資家としての外国人を逆差別する問題があると指摘したことがある。 それを私たちに信じろと言って出した結果か」と非難した。

キム・ドンチョル議員、「T/F共同委員長シン・ヒテク教授は最も積極的なISD賛成論者」

同党のキム・ドンチョル議員は 「参加した専門家はすべてISD賛成論者と擁護論者だけに委託した。 T/F共同委員長のシン・ヒテク教授は最も積極的なISD賛成論者だ。 イ・ジェミン教授は交渉の時からISDを積極的に擁護していた方だ。 国会を無視して愚弄しているのではないのか」と非難した。

尹長官は 「委託するにあたり、ISDに問題提起をしている人を入れるため、皆に要請したが、彼らの参加は難しかった」と答えた。

キム・ドンチョル議員は「では委託すべきではない。 なぜ賛成論者だけに委託して予算を浪費するのか」と批判した。

尹長官が「ISDは、賛成と反対を区分する問題ではなく、必要かどうかの問題」と反論すると、 金議員は「シン・ヒテク教授は2011年11月2日、朝鮮日報とのインタビューでISDに反対するのは、81個の裏口を開けておきながら正門を守るようなものだと朝鮮日報に特筆大書した人だ。 本当に国会無視、国民愚弄だ」と再度声を高めた。

続いて金議員は 「韓米FTAの最大の問題は、経済民主化などの経済的弱者のための措置を政府ができないことだ。 重ね重ね大きな問題になる」とし 「ISD提訴が恐ろしいのではなく、その存在そのものにより、わが国が取れる政策手段が制約される」と指摘した。

正義党の金霽南(キム・ジェナム)議員は 「すでに国会でISDの再協議を決議したのに、長官は最初から絶対にISDが必要だという答を持っている」とし 「国会決議案はISDに関し、多くの争点が残っているということだった。今日のこれに対する答と資料は不充分だ」と指摘した。

尹長官は、ISD再協議を要求する国会決議案を想起させる議員に 「国会決議案の趣旨をできるだけ反映させるべきだと思うが、『絶対にISDは必要だ』というのが私の所信だ。 全体としてわが国の利益になる。 その側面で補完点を探す」と何回も強調した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-04-12 16:19:44 / Last modified on 2014-04-12 16:19:45 Copyright: Default

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