韓国:大宇造船が朴槿恵の非正規職解決法か? | |||||||
Menu
おしらせ
・レイバーフェスタ2024(報告) ・レイバーネットTV(12/11) ・あるくラジオ(10/10) ・川柳班 ・ブッククラブ(2025/1/11) ・シネクラブ(9/1) ・ねりまの会(10/12) ・フィールドワーク(足尾報告) ・三多摩レイバー映画祭 ・夏期合宿(8/24) ・レイバーネット動画 ●「太田昌国のコラム」第97回(2024/12/10) ●〔週刊 本の発見〕第371回(2024/12/26) ●「根津公子の都教委傍聴記」(2024/12/19) ●川柳「笑い茸」NO.158(2024/10/26) ●フランス発・グローバルニュース第15回(2024/12/24) ●「飛幡祐規 パリの窓から」第97回(2024/12/30) ●「美術館めぐり」第6回(2024/12/23) ★カンパのお願い ■メディア系サイト 原子力資料情報室・たんぽぽ舎・岩上チャンネル(IWJ)・福島事故緊急会議・OurPlanet-TV・経産省前テントひろば・フクロウFoEチャンネル・田中龍作ジャーナル・UPLAN動画・NO HATE TV・なにぬねノンちゃんねる・市民メディア放送局・ニュース打破配信プロジェクト・デモクラシータイムス・The Interschool Journal・湯本雅典HP・アリの一言・デモリサTV・ボトムアップCH・共同テーブル・反貧困ネットワーク・JAL青空チャンネル・川島進ch・独立言論フォーラム・ポリタスTV・choose life project・一月万冊・ArcTimes・ちきゅう座・総がかり行動・市民連合・NPA-TV・こばと通信
|
大宇造船が朴槿恵の非正規職解決法か?[現場手紙] 9千人採用、非正規職が90%... 連鎖労災死も全て非正規職
パク・ジョンギュ(非正規職ない世の中作り) 2013.03.12 11:07
今、世界の造船業が深い不況に陥っています。ヨーロッパで始まった経済危機 により、世界の物流が急減し、ヨーロッパと米国の船会社からの受注契約解約 で、国内の船舶業界も危機が深刻になっています。 2012年の国内造船業体受注量は750万 CGTで、2008年の41%に減り、受注残高も 2008年と比べ57%に急減しました。世界1位〜3位を占める現代重工業、大宇造船 海洋、サムスン重工業の造船3社の営業利益率も減りました。3月6日には サムスン重工業がヨーロッパの船会社から受注した4隻の天然ガス保存船舶の 契約が解約されたりもしました。 中小造船所の事情はさらに深刻です。造船景気の沈滞で苦しんでいたセッコ 重工業、サモ造船、セガン重工業は2011〜2012年に清算し、シナSB、21世紀造船 などの中小造船所は、ウォークアウトや法定管理状態です。造船強国の韓国が 危機を迎えているのです。 船舶受注量急減、韓国造船業が史上最大の危機ところで朝鮮半島南端の巨済玉浦湾にある大宇造船海洋は、この1年間で9000の 雇用を創出して注目されているという記事が大きく掲載されました。〈ソウル 経済〉は、3月7日付の1面に「サプライズ! 大宇造船海洋、1年間に9000の雇用 を創出」という大きな記事を送りだしました。 この記事によれば、大宇海洋造船の核心事業がコンテナ船などの一般商船から 海洋プラントに移動したからです。1隻あたり100〜200人の労働者が投入される 一般商船と比べ、大型海洋プラント作業には10倍を越える2500人程度の人員が 必要で、雇用が増えたそうです。 これにより大宇造船海洋は、1年間で正規職労働者900人、社内下請労働者8200 人、計9100人増え、正規職1万3200人と社内下請2万7300人を合わせれば、合計 4万0500人になりました。 これは、この1年間で新しくできた雇用の90%が非正規職社内下請労働者だとい うことで、現在、大宇造船海洋で働く事務職、技術職、生産職労働者4万0500人 のうち67.4%が社内下請労働者だという意味です。 1年間で正規職900人、社内下請8200人増加大宇造船海洋のホームページには「世界超一流造船海洋専門企業」と紹介し、 「人員 約3万人(協力社含む)』と出ています。正確な理由は分かりませんが、 1年間で増えた9100人が含まれていないか、物量チームと一部の社内下請労働者 が含まれていない数字でしょう。 ところでおもしろいことは、大宇造船海洋が自分たちは直接勤労契約を締結せ ず、勤労基準法と労働組合法上の使用者としての責任がないと主張してきた 社内下請労働者を堂々と(?)「人員」に入れていることです。 大法院が2回も不法派遣と判定した現代自動車や、2月28日に大法院が不法派遣 と判決したGM大宇車、労働部が不法派遣と判定したイーマート、すべてが不法 派遣を避けるために社内下請労働者を彼らの「職員」とも「人員」とも言わな かったのに、大宇造船海洋が自分たちの職員だと表現した理由は、雇用創出に 寄与したと広報するためだったのでしょうか? 社内下請労働者が元請の『人員』(?)韓国造船協会の〈造船所別人員使用現況〉資料によれば、大宇造船海洋の2011 年末の社内下請労働者は1万5500人で、全職員は2万7201人です。ここに、社内 下請労働者8200人、正規職900人が増えれば社内下請労働者は2万3700人、 全職員は3万6301人になります。ソウル経済の記事とはおよそ4千人ほど差が あります。 この人員の差は、物量チームのためでしょう。パワー工業などの一部の高熟練 労働者を中心に活用されてきた物量チームが、多段階下請けが急速に広がり、 取付、溶接など船舶建造のほぼすべてに広がっています。現在、下請企業ごとに 1つ以上の物量チームが活用されている状況です。 大宇造船海洋の社内下請労働者現況は、衝撃的です。機能職(生産職)労働者の 68.2%が正規職ではなく社内下請労働者です。つまり現場労働者10人のうち 7人が非正規職だということです。特に海洋プラントはさらに深刻で、労働者 10人のうち9人が社内下請労働者です。これは事実上、非正規職工場です。 [出処:「韓国造船協会2012年造船資料集」より抜粋、補強] 海洋プラント機能職労働者10人のうち9人が社内下請昨年、大宇造船は世界の造船業界で初めて海洋プラント部門で100億ドル以上の 受注をし、造船業界受注実績1位を達成しました。浮遊式原油生産・保存・荷役 設備・解体船など、現在玉浦造船所には合計9つの海洋プラント建造作業が進行 しています。 この9つの海洋プラント建造作業すべてに非正規職社内下請労働者が投入されて 働いています。大宇造船海洋が新しく採用した正規職労働者900人は全員技術職 エンジニアで、生産職労働者は全員社内下請と物量チームで海洋プラントを 建造しています。 大宇造船海洋のコ・ジェホ社長は「海洋プラントは船の価格が一般商船の10倍 にもなり、投入される人員も10倍を越える」とし「これを通じて、会社の利益 増大だけでなく、現在わが国経済の最大の話題である雇用創出にも大きく貢献 できる」といいました。 海洋プラントによる大宇造船海洋の雇用創出は100%非正規職で、非正規職社内 下請労働者によって会社の利益を増大しているのです。受注が増えれば、社内 下請を増やし、建造作業が終わったり受注が減れば、非正規職を切ることが 「雇用創出に大きく貢献」ということでしょうか? 大宇造船海洋雇用創出100%非正規職大宇造船海洋だけではありません。船舶建造分野の機能職(生産職)に対して、 現代重工業(66.3%)とサムスン重工業(63.9)の社内下請割合はどちらも60%以上 で、現代三湖重工業は73.6%、STX造船は何と86.2%に達します。 大韓民国造船所で船を作る労働者の70%は正規職ではなく社内下請労働者であり、 海洋プラントは80〜90%が非正規職労働者です。 [出処:韓国造船協会2012年造船資料集] 非正規職が作る大韓民国の船昨年11月15日午後2時10分、5〜6トン船舶受け台移動作業をしていた社内下請 労働者の朴某(48)氏が受け台の下に敷かれて亡くなりました。 続いて2か月後の1月15日、午後2時30分に造船所内の第2ドックでコンテナ船を 組み立てていた社内下請労働者ミン某(23)氏が、325トン船舶ブロックが頭上に 落ちて、その場で亡くなりました。 2月7日午後2時30分には、大宇造船海洋コンテナ船の上で船舶建造作業をしてい た社内下請労働者チョン某(18)氏が20メートルほど下に落ちて命を落としました。 卒業を前にして、花のように美しい青春が船を作って消えました。 3か月間で三人の労働者が命を落とす惨事が起き、これらの労働者はすべて社内 下請非正規職でした。生産工程の70〜90%を社内下請労働者で埋め、全責任を 下請企業に押し付けた造船強国大韓民国の素顔が赤裸々にあらわれたのです。 社内下請労働者は2月20日、慶南道庁で記者会見を行い「作業工期にまに合わせ るために汲々とする元請の大宇造船海洋が、十分な安全措置を取らずに3人が命 を失った」とし、責任者処罰を要求しましたが、雇用労働部は何の措置も取ら ずにいます。彼らは3月14日にソウルに来て、大宇造船の前で記者会見を行い、 特別勤労監督を要求する予定です。 船を作って死んでいく労働者も非正規職2月20日、経済人総連を訪問した朴槿恵(パク・クネ)当選者に李熙範(イ・ヒボム) 経済人総連会長は「雇用硬直性が強い。この点を雇用作りに考慮してほしい」と 建議しました。李熙範経済人総連会長は、正規職は管理者だけですべての 生産工程を社内下請非正規職労働者で運営してきた慶尚南道昌原のSTX重工業の 会長です。 これに対して朴槿恵は「韓国型労使協力モデルを作りたい」とし「雇用硬直性 に対しては、正規職、非正規職双方の立場を考慮して解決方法を見つける」と 話しました。 全国の社内下請労働者が非正規職問題を必ず解決するといった朴槿恵大統領に 問いかけています。雇用を増やす朴槿恵大統領の韓国型労使協力モデルが死の 造船所大宇造船海洋ですか? 生産工程が非正規職社内下請労働者で運営される 非正規職造船所ですか? 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2013-03-13 02:43:36 / Last modified on 2013-03-13 02:43:38 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |