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「事業場だけ見て非正規職問題は解決できない」

[撤廃連帯-チャムセサン共同企画:非正規職10年展望(4)]インタビュー:ユン・ジョンヒ キリュン分会組合員

チョン・ムンギョ記者 moon1917@jinbo.net / 2009年11月19日17時08分

「光化門広場で1人デモをしていると、通り過ぎる市民がまず挨拶をして『まだ 解決していなかったのか』と残念がります。キリュン電子問題がそれだけよく 知られているのでしょう。非正規職問題を大衆的に知らせたことに自負心を感 じたりもします」

金属労組キリュン電子分会は、大量解雇、不法派遣、労組弾圧に抵抗して、 2005年8月24日に工場占拠座り込みに入った。今月20日は闘争を始めて1550日 目になる日でもある。

キリュン電子分会の闘争は闘争千日を基点に大衆的に知られ始め、組合員の集 団断食で昨年の非正規職問題の話題になった。しかし昨年キャンドル市民の応 援と言論の関心の中にも、キリュン分会問題は解決できなかった。キリュン分 会組合員は、相変らずソウル加山洞のキリュン電子分会旧社屋の前(昨年11月 新大方洞から社屋移転)で座り込みを続けている。11月18日、キリュン分会の ユン・ジョンヒ組合員と会った。

会社への怒りと労組に対する信頼が組織化の武器

この頃は8人の組合員がかわるがわる座込み場を守っている。30人ほどの組合員 がいるが、長期闘争でほとんどが生計活動をしている。ユン・ジョンヒ氏は 「ほとんどがまた非正規職として働いています。最低賃金も受け取れずに働く 人もいる」といった。

キリュン分会は始める時から組合員は少なくはなかった。キリュン電子は2005 年当時、生産管理職を除く300人の生産職のほとんどが派遣職だった。労組を作 った時、彼ら70%程度が加入した。少数だがこの中には契約職、正規職もいた。 工場占拠座り込みには約150人が賛同した。ユン・ジョンヒ氏はキリュン分会初 期の高い労組加入率の理由を会社への怒りと労組への信頼の2つを選んだ。

「労組建設の準備は3か月程度だったので、たくさん加入するとは考えていませ んでした。ほとんど勤続年数が6か月を越えず、連帯感も少なかったんです。不 法派遣判定が出た後、会社が解決策として出したのが、勤続1年未満の者を解雇 するということでした。会社への怒りが労組加入につながりました。そして、 それまで金ソヒョン分会長のような長期勤続者が生活しながら得た信頼が求心 点役を果たしました」

「工場内と外を行き来する力が必要」

高い組織率とストライキにもかかわらず、たった一行の合意文もなく2005年10 月、警察によってキリュン電子分会の占拠座り込みは幕を下ろした。工場占拠 座り込みが終わった後、多くの組合員が労組を離脱した。

▲キリュン電子分会2005年占拠座り込み姿/チャムセサン資料写真

「何よりも生計問題でした。組合員ほとんどが実質家長なので、月給が1、2か 月切れて生計に困難を感じました。占拠座り込みが終わった後、指導部が警察 に連行されると勝利への確信もずいぶん下がり、労組離脱が激しくなりました」

キリュン電子分会は占拠座り込みが終わった後、組合員が50人程度が残り、少 数が残って粘り強く闘争する典型的な長期闘争事業場になった。

ユン・ジョンヒ氏は「ストライキをした時、使用者側は『労組はだめだ』と高 圧的でしたが、危機を感じていました。だが問題は解決できなかったんです。 工場の中で、分会がストライキで会社を圧迫したのに、工場の外の力が足りま せんでした。産別労組の金属労組が交渉するとか、ほかの力を見せていれば、 今とは違う結果になったでしょう」と2005年占拠闘争に対する惜しみを示した。

「非正規職問題はキリュンの問題」

キリュン電子は2005年の労組のストライキで経済的圧迫を受けたとすれば、昨 年は社会的圧迫を受けなければならなかった。昨年5月、闘争千日が過ぎ、キャ ンドル市民がキリュン分会の座込み場に集まった。参席者100人を越えるのが難 しかったキリュン電子前のキャンドル文化祭の参席者は200人を越え始めた。

キリュン分会は昨年6月組合員集団断食に入り、断食50日を超えると労働界はも ちろん、政治、宗教、市民社会の人々がキリュン電子の前庭に集まった。飢え ていく彼らを生かそうという声は非正規職問題への認識に変わっていった。し かし昨年、社会的関心にもキリュン問題は解決できなかった。

▲金ソヒョン分会長は94日でに断食を中断した。/チャムセサン資料写真

「キリュンはキリュンだけの問題でないというのが確実になりました。非正規 職問題が解決しなければ解決できない問題になりました。あらゆる非正規職問 題がそうです。キリュンが戦った後、周辺(九老工業団地)で労組を作るといえ ば、問題が簡単に解決したりもしました。昨年多くの長期闘争事業場が解決し たりもしましたし。長期闘争は私たちも苦しいですが、資本も安全ではないと いうことを知ったのでしょう。連帯闘争に行く時、自分の事業場だけの問題に 限定する姿を見るときは残念です」

「私のような人が闘争しなければ」

非正規職問題が社会的問題に浮上して長い時間が過ぎた。しかし非正規職問題 は解決の兆しが見られない。統計庁は11月4日、非正規職が昨年より5.7%増え、 月平均賃金は7.3%減ったと発表した。

労働界は今年下半期からは労組専従者賃金支給問題と複数労組問題で非正規職 法の議論もきちんとできずにいる。非正規職に関する労働界の現実に対して、 ユン・ジョンヒ氏に質問すると淡々とした答が戻った。

「残念です。専従者賃金、複数労組問題も重要ですが、多くの非正規職には非 正規職法一つに生計がかかっています。非正規職法改正案が延期されても、非 正規問題が解決したわけでもありません。結局私のような人が非正規職問題を 知らせ続けて闘争するしかありません」

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2009-11-20 12:14:58 / Last modified on 2009-11-20 12:15:00 Copyright: Default

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