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現代車非正規職3千人正規職採用、トリックの秘密

不法雇用隠蔽・非正規職奴隷化の意図…正規職の『美しい連帯』が切実

パク・ジョンギュ(非正規職ない世の中作り執行委員、前金属労組非正規局長) 2012.08.17 10:10

「非正規職勤労者に対する差別的処遇などに関するこれまでの議論を解消し、 グローバル企業としての社会的責任を全うする次元でこうした決断をした」 (現代車蔚山工場ペク・スングォン広報チーム長)。

「現代車内外では、会社によるこの提示案が、直営と下請勤労者の勤務が混在 する状況を基本的に解消する礎石になるという点で大きな意味があるという 分析がある」(聯合ニュース)。

8月16日、現代自動車が労使団体交渉で、社内下請労働者3千人を正規職に採用 すると発表し、保守言論が大騷ぎになりました。ある経済新聞は「労使交渉が 遅延した時は『利益より損失』6ケ月の長考の末に決断」という、恥ずかしくな るような題名まで付けました。いったい現代車で何が起きているのでしょうか?

グローバル企業の非正規職差別議論を解消?

現代自動車は8月16日の団体交渉で「会社は当面の社内下請問題解決のために、 定年退職所要、新規所要などを含み、2016年までに現在の社内協力業者勤務者 のうち約3000人を労使間での別途協議により、当社採用基準に適する者を採用 する」という案を提示しました。

2004年、労働部は、現代車にある120社の社内下請業者にいる1万人の非正規職 労働者が不法派遣だといいました。大法院は2010年7月22日と2012年2月23日の 二回にわたり、現代車社内下請は不法派遣で、正規職と見なされると判決しま した。

現在、現代自動車には8千人以上の社内下請労働者が働いています。2010年11月、 1940人の社内下請労働者がソウル中央地方法院に『われわれは現代車労働者』 とし、『勤労者地位確認訴訟』を提出しています。

ところが3千人はどこから出てきた数字でしょうか? 8千人以上の社内下請労働 者のうち、法院が不法派遣と判定する可能性が高い数字でしょうか? 2年経てば 正規職と見るという雇用擬制適用対象の2005年7月1日以前の入社者が3千人なの でしょうか?

3千人は誰だろうか?

3千人がどこから出てきたかの秘密は「定年退職所要、新規所要などを含み」と なっている会社の提案の中にあります。現代自動車には2011年の287人から2016年 の749人まで、2845人が定年退職をします。

「会社は自然減少などの理由で欠員がでた場合、不足人員を10日以内に補充し、 2か月で必要人員を新規採用または正規職で補充し、定年退職者の代替必要人員 は定年退職者の退職前に補充し、業務の引継に支障が無いようにする。ただし、 懸案により労使協議で調整する」。

金属労組現代自動車労使が結んだ団体協約の44条、人員補充の項目です。法と 同じ効力を持つ団体協約に、定年退職した位置は退職前に新規採用し、業務の 引継に支障が無いようにしなければならないというなっています。

2016年までに定年退職者2845人

まさに3千人の秘密はここにあります。会社は「2012年には約1000人(採用済の 198人含む)を優先採用し、残りの人員は2016年度までに段階的に採用する」と しました。

現代車は2011年に定年退職者席を満たす198人を含み、2016年までに定年退職者 2845人を新入社員で採用せず、不法に雇用した社内下請労働者に変えるという ことです。

今年、現代自動車生産職労働者209人(職員の子弟を除く)の募集に59541人が集 まり、何と285:1という生産職採用最大の競争率を記録しました。現代車はその 大半の198人を社内下請労働者で満たし、雇用地獄に苦しむ青年失業者を愚弄し ましたが、今度はまったく新規採用をしないということです。

労使合意により、当然新しく採用べき職を、大法院の判決により正規職に転換 すべき社内下請労働者の一部に変えるというトリックです。不法派遣正規職化 とは何の関係もない定年退職の新規採用で、まるで非正規職問題を解決するか のような詐欺を働いているのです。

さらにひどいのは、採用した日から、法的にも少なくとも2年以上勤めた日から 支払われるべき賃金を踏み倒し、認められるべき経歴を否定し、新入社員とし て採用するということです。平均勤続年数が10年の社内下請労働者の2億ウォン もの未払い賃金もなくすのです。

会社は『当社の採用基準に適した者を採用する』としました。3千人という新規 採用の対象に『不法派遣正規職化』を要求し、労働組合に加入して解雇と懲戒 をはじめ、あらゆる不利益に耐えて戦ってきた労働組合の組合員たちが含まれる 可能性がないのは、言うまでもありません。

雇用地獄に苦しむ青年失業者を愚弄する現代車

さらに大きな会社の胸算用は、今回の機会に労使合意で5千人以上の非正規職を 合法的に使い、正規職転換の夢を見ることができない非正規職奴隷にするとい うことです。

会社は「社内協力業者人員の直営採用などにより、職の移動が不可避な時は、 元下請工程の再配置を実施する」としました。つまり、8千人の社内下請労働者 のうち一部を毎年正規職に転換し、残りの社内下請労働者が働く工程を再配置 して、『合法請負』に転換させるということです。

現代車はこの提案を「特に不法派遣議論を終わらせ、同時に雇用柔軟性を確保 する契機を用意した」と言う理由は、5千人を越える社内下請労働者を現行の勤 労者派遣法を避け、いつでも使い捨てできる労働者として使うという意味です。

2008年に米国で始まった経済危機の時、現代車で千人を越える非正規職社内下 請労働者たちを解雇したように、これから経済危機が深刻になったり販売が振 るわなければ、いつでも5千人を越える社内下請労働者を工場から追い出せる 『雇用柔軟性』を確保するという意味です。

5千人を越える非正規職を永遠の奴隷に

8月15日、韓国自動車産業研究所が出した2012上半期自動車主要業者実績特徴』 の報告書を読むと、現代車の今年上半期の営業利益は11.4%で、ドイツBMWの11.6% に続く2位を記録しました。ドイツのフォルクスワーゲン(6.7%)、米国のゼネラル モータース(5.2%)、日本のトヨタ(4.2%)などと比べ高い収益を記録しました。

現代車の利益率の高さは、大幅に増えた海外工場と現地生産、品質向上などの 原因もありますが、世界の自動車会社の中で非正規職社内下請労働者の割合が 一番高いからです。8千人を越える非正規職を使う国内の工場、非正規職の割合 が70%を越える現代車インド工場など、現代自動車は世界的に非正規職労働者を 大量に使用しています。

昨年、8兆1千億ウォンという史上最大の利益をあげた現代自動車は、今年3月の 株主総会で、鄭夢九会長に456億、彼の息子の鄭義宣(チョン・ウィソン)副会長 に222億など、計678億もの史上最大の株式現金配当をしました。これは現代車 が不法に搾取する非正規職労働者3千人以上を正規職に転換できる金額です。

営業利益率が世界最高水準? 非正規職割合が最高水準

金属労組現代自動車非正規職支会は『すべての社内下請正規職転換』を要求し、 8月16日に夜昼全面ストを行いました。非正規職が働いている工程に現代車管理 者が投入され、不法にラインを動かし、数百人もの会社の管理者と警備隊が 第1工場に集まって消火器をまきながら、非正規職労働者のストライキを封鎖しました。

8月10日から非正規職労働者が蔚山工場を中心に新規採用と一部正規職化に反対 し、独自にストライキをしてきました。17日には現代自動車蔚山、牙山、全州 工場で非正規職労働者が独自のストライキを行います。用役チンピラの代名詞 になった『コンテクトス』が工場に常駐し、非正規職労働者を暴行、拉致する 現代車用役警備がまた、どれだけ多くの非正規職労働者に暴力を加えるのか、 心配になります。

2010年7月22日、大法院で『コンベヤーベルト システムで生産される製造業の 生産工程は不法派遣だから2年以上働いた社内下請労働者は正規職と見なされる』 と判決しました。今年8月2日から施行されている新しい派遣法は、たった一日 働いただけでも不法派遣が確認されれば直接雇用しなければなりません。

現代車非正規職労働者の要求は簡単です。大法院判決の趣旨により、すべての 社内下請労働者を正規職に転換せよということです。この10年間不法に労働者 を搾取してきた社内下請雇用構造をなくせという当然の要求です。百歩譲って、 現代車は今日すぐ8千人全員を正規職に転換できないのなら、早いうちにすべて の社内下請正規職化の意志と計画を明らかにしなければなりません。

不法搾取社内下請構造をなくせという当然の要求

国内最大財閥の現代車は、3千人の正規職採用という詐欺で保守言論を動員し、 正規職労働者への脅迫で非正規職労働者の闘争を孤立させるでしょう。2千万 ウォンもの一時金で正規職労働者をげん惑するでしょう。

2010年11月15日から現代車非正規職労働者が大法院判決履行を要求し、25日間 工場占拠ストライキをした時、会社は正規職労組を利用し、非正規職のストを 潰した記憶を、非正規職当事者はもちろん、多くの人がはっきり覚えています。

すべての社内下請正規職化を要求して戦っている現代自動車正規職労組が3千人 の新規採用案を拒否したので、会社は別のトリックを持ち出すかもしれません。 現在、『勤労者地位確認訴訟』裁判中の1940人に対する1審判決により、正規職 化するという案を出すかもしれません。『不法派遣の出口を開いた』という成 果を装い、正規職と非正規職労組を揺さぶるでしょう。

何よりも重要なことは現代車正規職労働者の連帯です。2010年3月、現代車全州 工場で非正規職18人の解雇に反対し、正規職労働者が賃金の損失を甘受しても、 非正規職より先に残業拒否闘争を行い『美しい連帯』という名前を得たように、 今、現代車正規職労働者が立ち上がらなければなりません。

現代車非正規職労働者の闘争は正規職労働者の兄弟、後輩、子供たちのための 闘争です。現代車非正規職労働者を越え、すべての製造業社内下請、さらに 900万もの非正規職労働者に、正規職化の夢と希望を作る戦いです。非正規職の ない工場、安定した雇用を作る闘争です。

正規職の仲間たちが非正規職労働者に団結と連帯の手助けを差しのべて、 『非正規職ない職場』のための『美しい連帯』を見せることを全国の良心勢力 が見守っています。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-08-18 20:32:02 / Last modified on 2012-08-18 20:32:07 Copyright: Default

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