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代案世界化運動と気候運動が出会う!

[1.26世界行動の日]気候変動に対抗する運動の急進的な想像力が切実

イスムサン(社会進歩連帯) action126@jinbo.net / 2008年01月16日15時13分

世界社会運動陣営の戦略的なコミュニケーション空間に成長した世界社会フォー ラム(WSF)。2009年アマゾン大会を前に、2008年は1月26日の「世界行動の日」 を基点として各国で分散開催される予定だ。

民衆言論チャムセサンは、2008年世界社会フォーラム、1.26世界行動の日の行 事に関する国内外のニュースと寄稿文等を集中イシューにまとめる。1月8日、 韓国でも2008年世界社会フォーラム(WSF) 1.26世界行動の日を準備する(韓国) 組織委員会が公式に発足した。22日から26日まで開かれる行事の準備に拍車を 加えている。民衆言論チャムセサンは、1.26組織委員会との共同企画により世 界行動の日を共に準備する。-[編集者 注]

2007年は何よりも気候変動に世界の耳目が集まった。気候変動が人間活動の結 果だという点を強調した気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の4次報告書が発 表され、IPCCと米国の前副大統領のアル・ゴアは、地球温暖化に対する警戒心 を呼び覚ましたという理由でノーベル平和賞を共同で受賞した。一方、特に暖 かい冬を送っているわれわれは、北極の氷河が溶けて北極海航路が開かれると いうニュース、北極グマが絶滅危機に処しているというニュースを聞いている。

経済新聞にはたまに気候変動関連株と気候変動ファンドに投資しろという助言 が載る。私たちにも何か大きなことが発生しているのは明らかだが、こうした 事態の震源地はどこか、われわれは何をすべきかに対する明快な答えを見つけ るのは容易ではない。この文では、昨年12月にバリで開かれた国連気候変動協 約13次当事国総会を大まかに評価し、気候変動に対応する端緒として代案世界 化運動と気候運動の出会いを紹介したい。

バリ会議、半分の成功?

昨年12月3日から14日まで、インドネシアの保養地、バリで国連気候変動協約第 13回当事国総会が開かれた。192か国が参加した今回の会議は、2012年に終わる 京都議定書に代わるポスト京都体制を用意する礎を置くという点で大変重要だっ た。初日の12月3日にオーストラリアの新生労働党政府が京都議定書批准を発表 したことが高まった雰囲気の中で始まった会議は、紆余曲折の末に交渉期限を 1日過ぎた15日にバリ・ロードマップを採択して終わった。

バリ・ロードマップには、ポスト京都体制をいかに作って行くかの基本的な下 絵と、これから2年間の交渉で2009年にコペンハーゲンで開かれる15次当事国総 会で合意するというタイムテーブルが含まれている。今回の会議の初の成果と されているのは、国連の枠組みから脱退した米国がまた参加したことだ。最近、 ブッシュ政府は気候変動問題に対する国内外の批判に直面している。内部的に はバリ会議開始に合わせて、米上院で2050年までに温室ガス排出を50%削減しよ うというワーナー-リバーマン法案の審議を始め、企業さえ長期的な削減目標を 設定しろというロビー活動をした。

国際的には、京都議定書を拒否した最後の仲間(オーストラリア)を失って国際 社会の圧力を受けた。バリ・ロードマップ草案の採択を拒否した米国代表に対 してパプアニューギニアの代表が「会議に参加する意思がないのなら、私たち にまかせて出て行きなさい」と一喝し、あちこちから歓声があがったというエ ピソードは、米国の孤立を象徴的に示す。二つ目には開発途上国が温室ガスの 削減に賛同したことが肯定的に評価されている。今回の会議では、中国、イン ド、ブラジルなどが積極的に会談を主導し、開発途上国も測定・報告・検証可 能な方式で温室ガスを削減することに合意した。したがって2012年以後、米国 と中国を含むすべての国家に適用される温室ガス削減案が導出される可能性が 高まったのだ。

その反面、具体的な削減目標と削減方案を決められなかった点が今回の会議の 主な限界として指摘される。米国は最後まで具体的な目標数値の確定に反対し た。IPCCは4次報告書で2050年までに2000年の50〜85%水準に温室ガスを削減す ることを勧告したが、バリ・ロードマップには「相当な削減(deep cut)」と曖 昧に表現されているだけだ。現在、各国の政治家と企業は温室ガス削減を計算 する方法を変更したり、基準年度を調整することによるトリックを使い、あた かもたいへんな変化を決心したと威張っている。

「GDP当たりの温室ガス排出量」を削減するというブッシュの提案も、2020年ま でに(何の措置もしない場合と比較して!)温室ガスの25%を削減するというカリ フォルニアののアーノルド・シュワルツネッガー知事の約束が代表的だ。こう した状況で、具体的な削減数に合意できないかったことは、今後2年間の交渉の 難航を予告している。

気候変動に対する民衆的な代案

ところが交渉に対するこうした評価を聞くと、各国の代表と資本の利害に左右 される騒動に私たちの未来を任せているようで、苦しさと無力感を感じる。そ れでもエネルギーを節約するために電気を消すような個人的実践をしようとい う提案も充分でない。こうした不満を持つ人々の謀議がバリに集まった運動の 間で進められた。

それは気候正義連合、『今気候正義を!』(Climate Justice Now!)が結成された のだ。ここには環境運動(地球の友国際支部など)、急進的気候・エネルギー運 動(炭素取り引き監視、気候正義のためのトボングループ、石油監視など)、代 案世界化運動(多国籍研究所、グローバルサウス、第3世界ネットワークなど)、 土着民・地域民運動とビア・カムペシアなどが参加した。北と南、代案世界化 運動と気候運動、政策研究所と土民運動など、各方面の代表的な運動が気候変 動に対する民衆的な代案を作るために集まったのだ。そしてそのスローガンと して、今すぐ気候正義を掲げた。彼らの主張を要約すれば以下の通り(http://www.focusweb.org/whats-missing-from-the-climate-talks-justice.html?Itemid=94)。

「私たちは、会議場の内外で社会・生態・ジェンダーの正義のために戦った。 環境と私たちの暮しを守るために、根本的に異なる代案と実践が必要だと主張 した。会場周辺で各国政府、国際金融機構と超民族企業が追求する炭素取り引 き・貿易自由化・私有化など、気候変動に対する誤った解決を批判するさまざ まなイベントを行った。土着民と女性、農民は、(気候変動に対する)適応と(温 室ガス)削減のために歴史的な責任と生態に借りがある先進国が莫大な費用を負 担することを主張する。
化石燃料の代わりに、地域に基づいた効率的で安全で清潔な再生可能エネルギー を要求し、エネルギー・森・土地・水についての民衆の主権と食糧主権の保障 を主張する。バリの本当の成功は、さまざまな運動が出会い、気候正義に向け た第一歩を踏み出したことにある。われわれは私たちの闘争を会場の中だけで なく、大地と街頭で展開するだろう。今、気候正義を!」

一方、2007年10月23日から25日まで、バンコクで開かれた自然資源に対する民 衆主権会議の参加者は、『気候変動に対する民衆議定書』(People's Protocol on Climate Change)について議論して、草稿を作成した (http://www.petitiononline.com/ppcc/petition.html)。彼らは今年、国連気 候変動協約14次当事国総会が開かれるポーランドで、民衆議定書を批准する民 衆議会を開く計画だ。この議定書は、気候変動に対抗するための原則として、 気候変動が単純な環境問題ではなく、資本主義世界経済が発生させた問題だと いう点を認識することを強調している。

また、民衆の参加と社会運動において、民衆の権力と主権が保障される時、気 候変動に対応する力が生まれると主張する。民衆議定書は代案として、気候変 動に対する市場メカニズムと技術に依存した解決策を拒否することを強調する。 その代わりに自然資源への民衆の主権を保障する方案を提示し、世界的規模の 強力な運動ネットワークを作ることを約束している。温室ガス輩出に対する北 の歴史的な責任を問う方法として、公正な機構によって南に資金と技術を十分 支援することを要求している。

気候正義連合と民衆議定書は、交渉の場と個人的な実践を横断する運動のビジョ ンを提供する。ビジョンは、不公平な社会から、誰もが同意できる「現実的な 代案」を用意することにあるのではなく、気候変動問題の原因(資本主義経済と 化石燃料)を確認し、それを解決する原則(気候正義と民衆の主権) を明確にし たところにあった。

2008年、私たちも行動に突入しよう

気候変動に対する運動は、急進的な想像力を要求する。気候変動問題が絶えず 利益を追求し、さらに多くの消費を追求する資本主義経済の固有な特性から始 まるためだ。気候変動を一国的な枠組みで解決することはできず、新しい国際 的な注意が必要で、北半球の歴史的責任を問うには資本主義の根元から新自由 主義的(無)秩序までを批判的に振り返らなければならない。またこの運動は、 すべての人類の共有財産である大気に対する普遍的な権利を、主権と正義の名 で堂々と提起する力がある。生態的に持続可能な未来を作るために、果敢に化 石燃料を捨て、生活様式を変化させる文化的な革命のイメージも必要だ。

だが現実は甘くはない。新自由主義が露骨になった1990年代、国連気候変動協 約と京都議定書が形成され、急進的な運動の可能性は市場と力の論理に、政府 間交渉の枠組みに屈服してきた。京都メカニズムで導入された排出権取り引き と清浄開発体制は、温室ガス削減よりも新しい市場の創出と利益追求の道具と して利用された。国連気候変動協約は、数年間、実質的な進展を引き出せない ことで無力な姿を見せている。

企業と資本は利益を守る水準で、または新しい利益追求の機会を捕らえる水準 で、気候変動に対応している。これに伴い気候変動に対する国際的な解決策と して摸索された京都議定書は、むしろ問題を悪化させるという疑いが高まって いる。まさにこうした状況を打開するために、代案世界化運動と気候運動が出 会い、気候正義と民衆主権の観点から運動を建て直している。

私たちにはあまり時間がない。1997年に採択された京都議定書が15年間の気候 変動の論理と運動を制約するように、2009年に合意される新しい枠組みもそう した力を持つだろう。もう2年も残っていない期間がとても重要だ。韓国政府は 気候変動に保守的な対応を続けているが、その事情は運動陣営も変わらない。 私たちも代案世界化運動と気候運動の出会いを急がなければならない。適任者 がいないと文句を言う前に、変化を通して自らを代案的運動として打ち出せば 良くなるのではないだろうか?

今年の7月7日から9日まで、日本の北海道でG8首脳会談が開催される。今回の会 談の主な議題は気候変動だ。各国は、ポスト京都体制についての議論の主導権 を握るために水面下での接触を続けている。日本は昨年、安部イニシアチブと 呼ばれる「クールアース50」を提案した。2050年までに温室ガスの排出量を50 %節減するという案だが、その方案として技術的な効率性の向上と市場の活用 を打ち出している。総理が変わり、円滑な構想には支障があるかもしれないが、 日本は中国、インドなどの主要開発途上国を招いて自国で開催される会議の利 点を最大限に活用しようとしている。その他にも米国、ロシアなど、気候変動 協約の成果を歪曲させた主人公が自国の緻密なバランスシートを持って会談に 参加する。

韓国の気候運動と代案世界化運動が、北海道のG8首脳会談に対抗する運動を共 に企画しはどうだろうか? 問題は深刻だが、時間は迫っている。新自由主義世 界化の首脳に気候変動問題を任せることができないのなら、民衆のイニシアチ ブのための行動に突入しなければならない。

気候変動問題と交渉に関する有用な資料

  • ユン・スンヂン(2002)、「気候変動と気候変動政策に内在した環境不平等」、『ECO 3号』、ドヨセ刊

    環境正義の観点から国連気候変動協約の基本概念と歴史を見る。

  • アヒム・ブルネングレバー(2007)、「京都議定書の政治経済学」、『自然と妥協すること』、ピルメク刊

    京都メカニズムの問題点を批判して気候問題を包括的な社会生態危機の一部 として見ることを提案する。

  • "Climate and Capitalism" http://climateandcapitalism.com/

    カナダの生態社会主義者Ian Angusが運営するブログで、気候変動をはじめと する生態・環境問題に対する有用な情報を得ることができる。

  • "Rising Tide North America" http://www.risingtidenorthamerica.org/

    急進的気候運動団体のRising Tideの北アメリカ支部で、リンクと資料が役立つ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2008-01-18 18:22:13 / Last modified on 2008-01-18 18:22:15 Copyright: Default

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