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韓国:[企画:キャンドルに狂う]米牛肉、李明博、そして民主主義 | ||||||
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70日間止まらない『キャンドル一代記』[企画:キャンドルに狂う]米牛肉、李明博、そして民主主義
イ・コンマム記者
iliberty@jinbo.net / 2008年07月16日17時44分
キャンドルに狂った70余日。ある人はもうキャンドルをおろす時になったと言 い、ある人は敗北したと言います。キャンドルを持って広場と街頭に出た市民 は、果たして今の現実をどう見ているのでしょうか。狂っていなければ、毎日 キャンドルの夜を明かすことはできなかったでしょう。それは市民が自分の生 に対する愛で狂い、自分の主権の大切さに狂い、まずキャンドルを持った子供 たちの未来に狂った70日でした。 そのためチャムセサンは、キャンドルにさらに狂わせさなければと思います。 近付く未来の希望を狂ったように懐かしがり、なぜキャンドルを消せないのか を企画しました。まず、駆け抜けた70日を振り返ってキャンドルを持たなけれ ばならなかった市民の声、そしてキャンドル集会の過程で現れた代議制の限界 と直接民主主義の必要性を探ってみます。何よりも実質的な闘争の成果は何だっ たのか、そして残る韓米FTAと5つの議題をまた振り返ってみましょう。あれほ ど熱情的にキャンドルを持った時間、さらに奪われてはいけないものを探って みます。-編集者 注 「市民の数が権力だ」 5月3日、道路で会ったある市民が残した言葉だ。一度投票したのだからすべて の権力をよこせという李明博大統領に対し、市民は「私たちの声が権力で、す べての権力は国民に出てくる」というスローガンとキャンドルで通りに出た。 不眠を消すキャンドル。市民はこのキャンドルを放水銃と警察の暴力、保守言 論の悪扇動にも消すことなく、熱い夏を正面から通過している。70数日間の市 民のデモ行進を振り返ろう。 キャンドル、生きるために街に出る 4月18日、韓国政府が米国との間で米国産牛肉輸入衛生条件改正協議を妥結した と公式発表した日、市民の怒りはインターネットでグツグツ沸き始めた。韓米 首脳会談を一日前にして、交渉を始めて9日で終わった米国との牛肉開放交渉は、 誰が見ても十分な期間をかけてきちんと進められたとは見えなかった。以後、 マスコミを通じて韓国政府の交渉の問題が一つ一つ明らかになり、市民の怒り は単にオンラインでは終わらなかった。
5月2日、初めてのキャンドル集会が清渓広場で開かれた。初めてのキャンドル 集会には、2万人の市民が集まった。市民のキャンドルは、初めから米国産牛肉 反対だけではなかった。市民たちは李明博政権になって、頑として進めようと した大運河事業と医療民営化、上水道民営化など、各種の民営化政策、415学校 自由化措置に代表される教育政策に反対の声をあげた。こうした政策を推進す る李明博大統領は『弾劾』しろと声を高めた。また数か月で正反対の立場に転 換し、米国産牛肉は安全だと李明博政権を祝うのに忙しい保守言論に対する批 判の声も始まった。 「李明博大統領が背後だ」...インターネットで武装した市民 市民の怒りは健康で安全に暮す権利、誰もが享受すべき基本的な権利を侵害す るなという要求、権力は国民から出てくるという憲法1条を守れという声だった。 だが、これに対する李明博政権の対応は、市民の声を真剣に聞くどころか『再 協議不可』の立場を固守してキャンドル文化祭を『不法』と規定し、キャンド ル集会のために集会申告を出した高校生を探すために学校まで訪ね、処罰云々 したり背後探しに没頭することだった。 こうした政府の対応に市民は「私の背後は米国産牛肉を輸入するといった李明 博大統領だ」と叫んだ。そして5月24日、「道路を占拠しなければこれ以上変わ らない」とし、市民は清渓広場を出て、道路でデモ行進を始めた。道路に出た 市民を警察は強硬に阻止した。そして市民の強制連行を始めた。警察のキャン ドル市民強制連行は、翌日も続いた。二日で70人ほどの市民が暴力的に連行さ れた。こうした警察の過剰対応に、市民は80年代以後消えたという『独裁打倒』 というスローガンをまた持ち出した。
警察はいつもそうだったように、取材のために見ていた記者がいなくなる夜明 けに市民を強制連行したが、インターネットという武器を持った市民は自ら現 場を中継し、警察の暴力鎮圧のようすをありのままに伝えた。古い2MBに新しい 2GBのメモリーで武装した市民が登場したのだ。これにあわてた李明博政権は、 生中継ホームページ『アフリカ』を運営していたアフリカのムン・ヨンシク代 表を拘束したが、これが市民のすばやい現場中継を防げるわけではなかった。
道路に出た市民は毎晩警察に連行されて解放されることを繰り返した。政府は 「キャンドルデモが次第に過激になり不法化している」とし『公安対策会議』 まで開き、市民に圧力をかけた。しかし市民たちはむしろ『鳥小屋車ツアー』 をしようという奇抜なアイディアで対抗した。市民は「できるまで集まる」と 声を集めた。 「国民を捨てた李明博政権、もう国民が捨てる」 毎晩、市民は睡眠をけずり李明博政権に対話を要求して、韓国国民の健康に全 く責任を取らない米国との牛肉交渉をやりなおせと叫んだが、李明博政権は耳 を塞いだまま5月29日、新しい輸入衛生条件に対する長官告示を押し切った。 市民は「李明博政権は国民を捨てた」とし「今私たちが李明博政権を捨てる時」 と宣言した。長官告示を押し切った5月29日、数千で始まったキャンドルのデモ 行進は5万人に増えた。
キャンドル市民の進路は、市民自らが決めた。市民は誰の統制も受けようとし なかった。デモ行進の隊列の一番前では論争が起きたり、この過程である者は 偽装活動家と言われ、また、これを整理して方向を決めた。しばしば『運動圏』 の印である旗も自然に混じりデモ行進を進めた。市民の足が戦闘警察バスで遮 られれば、そこは公演会場になったり、論争の場になったり、休息の空間になっ たり、闘争の空間になった。ある人が言った「人々は道路で自由と幸福に会う」 という言葉が実現される瞬間だ。 しかし2MB程度の冷やかし事に転落してしまった李明博大統領は、「1万人のキャ ンドルを誰の金で買ったのか把握しろ」という言葉で、事態の把握ができない ことを自ら証明した。 キャンドル、民主主義を叫ぶ 市民は大統領府に押し掛けた。31日の夜だった。10万の市民が集まった。大統 領府は10万のキャンドルで包囲された。市民は「李明博は出てこい」を連呼し た。だが李明博大統領の対話は市民に向かって、冷たい放水銃を撃つことだっ た。市民は「温水!温水!」と叫び、ただ一歩も退かなかった。
そして明るくなった朝、警察はこん棒と盾で市民を無惨に殴り続けた。軍靴で 女子大生が頭を踏まれる事件も発生した。こうした姿に市民は自らに向かって 叫んだ『非暴力』というスローガンを李明博政権に向かって叫んだ。そして市 民は『民主主義』を叫び始めた。自らを大韓民国CEOと称して国民をすべて従業 員にしてしまった李明博大統領。「誰の金でロウソクを買ったのか」と市民の 声を疑い続けた李明博大統領。市民はこの事態を明確に『民主主義の危機』と 規定していた。 そして20年前、民主主義が一歩進んだ6月10日がまたやってきた。大学生はスト ライキで、労働者はゼネストで李明博政権を圧迫したが、李明博政権はびくと もしなかった。歴史に久しく残る『明博山城』を積んだだけだった。
共にキャンドルを灯した故イ・ビョンニョル氏を失った市民の怒りは極に達し た。主催側推測70万の市民が道路に溢れた。そして巨大なコンテナにぶつかっ た市民は「李明博式の対話とはこういうものか」と憤激を放った。
コンテナで遮られた市民たちは、コンテナをどうして越えるかをめぐり、何が 暴力で非暴力なのかについて真摯な討論を続けた。警察と戦った市民に対する 保守言論の逆風が続く状況だった。コンテナの前での討論は、「(コンテナを越 え、大統領府に行こうとする)私たちの意思を表現すれば、すぐ翌日朝鮮・中央・ 東亜は『キャンドルデモ隊が暴徒に変わった』と書くだろう」という意見と、 「朝鮮・中央・東亜に口実を与えるよりも問題は、ここに集まった市民が何も できず無力感を持ち帰ること」という意見がするどく対抗した。
こうして街に出てきた市民は、絶えず何が民主主義で、本当に民主主義を実現 するためには何が必要なのかを毎晩、路上で真摯な論争をしていたが、李明博 政権は鉄パイプを使ったと言って市民を拘束し、市庁前のテントを強制的に撤 去するなど、キャンドルを消すことにだけに没頭した。狂ったように走り続け る李明博政権の政策が中断されなければキャンドルは消えないということを、 まさに李明博政権だけが知らないようだ。 骨にしみた反省の結果、市民から広場を奪う 李明博大統領は6月19日、特別記者会見を行って「10日、大統領府の裏山に登り、 果てしなく続くキャンドルを見た」とし「骨にしみて反省をしている」といっ たが、『再協議不可』という既存の立場からただ一歩も退かなかった。米国と 追加交渉をすると言って米国に飛んだキム・ジョンフン外交通商部通商交渉本 部長が持ってきたのは、民間企業が自主的に品質を評価するQSAプログラムの導 入だけだった。そして6月26日、長官告示は官報に掲載された。チョン・ウンチョ ン前農林水産食品部長官は長官告示の官報掲載を発表するにあたり「追加交渉 で国益と国民の皆様の意が反映された方案が用意できたことを幸いに思う」と 評価した。 「骨にしみた反省をした」という李明博大統領の態度は、長官告示官報掲載を 強行した後、180度急変した。これ以上対話の意志がないことを全身で、路上で 確認した市民が「李明博政権退陣」のスローガンを明確にし、大統領府は「反 政府を目標とする不法暴力デモは自制しろ」と強硬対応の方針を再確認した。 李明博大統領のこうした立場に警察は「催涙液と蛍光物質を混ぜた放水銃を噴 射する」とし「猛烈暴力行為者は最後まで追跡して無条件に拘束する」と応じた。
集会のための音響車両を抑留し、景福宮駅に地下鉄が止まらないようにして、 歩道に立っていても強引に連行して李明博政権は市民が街に出ることを防いだ が、市民は「反民主政権を審判する」とまた通りに出た。6月28日だ。長官告示 の官報掲載を強行し、あとはキャンドルさえ消せばいいと判断した李明博政権 は、放水銃と盾、こん棒を動員して、また市民に暴行して連行した。そして市 民の民主主義への熱望で埋め尽くされたソウル市庁前広場は封鎖された。理由 は広場に芝を復元するということだった。李明博政権は芝を復元するために、 市民を広場から追い出したのだ。
平和になりたい。しかし平和になれない 市民は広場を奪われても止まらなかった。市民が広場を奪われ、イエスが、仏 が通りに出た。市民はカトリックの司祭とキリスト教の牧師と仏教の僧侶と共 にデモ行進を始めた。市民は「光に勝つ闇はない」というスローガンを掲げた。 宗教人のうち一番最初にソウル市庁前広場に立った天主教正義具現司祭団は、 『非暴力』精神を強調して「キャンドルは平和の象徴であり、祈祷の武器であ り、非暴力の花」と市民に非暴力平和デモ行進を要求した。
そこで市民たちはこれまでの抗議行動でしてきた戦闘警察バスを引く行為を中 断し、平和デモ行進を続けた。そして7月6日、市民は『勝利』を宣言した。市 民の『勝利』宣言は何かを得たことで宣言した『勝利』ではなく、まだ終わっ ていないことを互いに確認したことに対する『勝利』であった。この日も市民 は平和なデモ行進と文化祭を開いて解散した。 しかし李明博政権の攻勢は止まらない。使用者の李明博大統領の国政遂行能力 がないことを組合員の意見で示そうとする全国公務員労働組合の代議員大会を 源泉封鎖して、ソウル市庁前広場を源泉封鎖して、すべての集会を不許可にし て、すべての経済問題をキャンドルのせいにすることが、現在李明博政権がし ている全てだ。10日には歩道を平和に行進していた市民6人を強制的に連行した。
「われわれは赤い薬を飲んで真実を見た」 市民は7月17日をもうひとつのDデイと捉えている。憲法が作られた憲法記念日。 憲法を守る義務を持つ李明博大統領が憲法1条も守らずにいることを知らせるた めに通りに出る。 市民はこの2ヶ月間、憲法1条がいかに徹底的に踏みにじられたかを全身で経験 した。市民は自らどう集まり、何を要求するかを全身で体得している。そして 経済を生かすと言う李明博大統領の経済は、たった1%の人のものでしかないこ とを、李明博大統領が登場して100日で悟った。5月末ねキャンドル集会の中で、 自由発言をしたある市民は「ここに集まった人はマトリックスに出てきた赤い 薬を飲んで真実を知った」と話した。本当の赤い薬を飲んだ市民のデモ行進は 続く。
翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2008-07-24 10:14:07 / Last modified on 2008-07-24 10:14:11 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |