韓国:08年キャンドル、87年との断絶と新しい民主主義争奪の開始 | |||||||
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08年キャンドル、87年との断絶と新しい民主主義争奪の開始[論説] 『闘争なくして権利はない』という真理、再確認する時
ペ・ソンイン(論説委員)/ 2008年06月20日12時13分
毎年この時期になると憂鬱症が再発し、消化不良で全身がハンマーで殴られた ように沈む。それは『87年体制』によるつかえていたもののためだ。87年体制 は、長期政権と独裁政治を防止することが一次的な目的であり、実質的な民主 主義とは遠かった。87年以後、韓国社会は大統領直選制改憲で、ある程度手続 き的民主化を達成したが、社会の発展はもう進展しなかった。87年6月『抗争』 以後、地域主義、権力集中および独占、理念対立、社会二極化などの問題が積 もり、87年以前より社会的対立をさらに複雑にした。 その意味で、87年6月と2008年5-6月は明らかに違う。民主主義のための市民の 自発的な参加が目立つ点では似ているが、民主主義に向けた叫びはかなり違っ て現れている。87年体制は6月抗争に触発され、旧体制との断絶を期待して新し い社会が開かれる信号弾と認識されたが、その結果は初めから予想されたよう に『軍部独裁打倒』と『民主争奪』に象徴される代議制民主主義に帰結した。 当時の闘争は、労働者・学生の先導闘争に力づけられ、体制の変革を予告し、 大衆の直接の参加と疎通を媒介として真の世界の建設のための総進軍だった。 だが、軍部政権の欺瞞的な言及と策動、そして制度圏野党と一部の日和見主義 勢力の野合で、議会民主主義時代への転換とともに87年以前の旧体制との同居 という胎生的限界を持った。もちろん民主化以後、盧泰愚政権を最後に形式的 な面で軍部統治が終息し、権威主義勢力の政治的影響力が急速に減少するなど、 韓国社会は躍動的な姿を見せたが、実質的民主主義には進めなかった。 その側面で、87年6月抗争は代議制民主主義の運動であり、変革運動の性格とは 距離が遠かった。さらに深刻な問題は87年以後、開発独裁の論理に代わった新 自由主義が国政運営、経済運営、日常生活などすべての部門の主要原理として 登場し、各種の社会的不平等がむしろ深刻化した。これと共に87年体制で市場 万能の新自由主義が導入・全面化し、保守の外縁を広げる契機になった。その 後、韓国社会が保守化傾向を示した点を見過ごしてはいけない。それで87年体 制は朴正煕の開発独裁体制から1997年を経て、新自由主義体制への移行の橋頭 堡であり、それと共に新しい代案体制に転換する可能性が残っている交錯点で ある。つまり1997年を分岐点として、新自由主義が韓国社会の主な矛盾になる と同時に、新しい体制の選択も置かれている。したがって87年体制を越える新 しい政治の枠組みが必要だ。 その意味で、2008年5-6月のキャンドル闘争は、87年体制の否定的な遺産の所産 だった。過去の歳月の間、世界化競争から脱落し、生活がさらに疲弊した民衆 の不満は、基本的な抵抗の土台であり、IMF以後の景気低迷が長期化している状 況で、民生安定を捨ててむなしい改革スローガンにしがみついた自由主義支配 勢力に対し、ほとんどの国民は失望した。また、韓国政治の後進性に失望した 国民の政治的冷笑主義は拡大の一路を辿った。そしてほとんど選択の幅がない 条件で、やむを得ず李明博政権に少なくとも暮らしの問題を期待したが、成長 に執着して高為替レート政策で物価上昇をあおり、経済を半殺しにした状態で、 牛肉問題が爆発したのは当然のことだ。 BSEに象徴される人間の尊厳への問題提起で触発されたキャンドル集会は、国家 権力の労働者民衆に対する一方向的な関係による疎通の不在、日常生活の不平 等、普遍的市民としての権利拡張、教育・保健医療・メディア・民営化など、 実質的な民主主義(または直接民主主義)に対する熱望と、新自由主義に対する 抵抗の性格を持った。大衆は87年体制の代議制民主主義に対する根本的な懐疑 を持ちながら、新しい民主主義を模索するようになった。 国民の生命権も委任されたという認識の下での李明博の代議政治 韓国の代議制民主主義は代表選出と統治の委任が核心原理だが、李明博政権は 『委任』の概念をほとんど知らないようだ。それは国家首班としての代表性と 共に、国民の要求を責任を持って民主的に実践しろという意味だが、企業の CEOとしての認識で、国民統治の全権を委任されたものと勘違いしたのだ。特に 国民の生命権まで委任されたものと認識する無知を表わした。このような認識 を基礎とする一方主義的・権威主義的国政運営は当然のことであり、それに対 する大衆の抵抗もまた当然のことだ。 2008年のキャンドル闘争で現れた大衆の直接行動と要求水準は、1987年当時の 水準を大きく越えていたし、これはこの21年間、韓国社会を貫いてきた日和見 主義的で改良主義的な体制への正面からの挑戦である。化石化した代議制民主 主義だけが残った所で、資本と権力に対抗して大衆ができる闘争の手段は、直 接行動がほとんど唯一だ。彼らは直接行動の新しい主体として誰もが指導部だ。 だが彼らの過度な解釈は警戒する必要がある。直接民主主義への移行の可能性、 自発的だが複雑な大衆の急進性などに対する性急な判断は、新しい体制に向け た進軍の障害として作用するためだ。それでも彼らの巨大な波を規定したり、 統制することはできない。それが最大の武器だ。 この40日ほどの闘争は前哨戦に過ぎない。6月19日の李明博大統領の特別記者会 見で再協議を拒否し、追加交渉に固執する傲慢さにより、本格的な闘争の開始 が予告されている。米国産牛肉輸入がこれまで無関係だと主張した韓米FTAのた めだと自ら告白した。中国とのニンニク交渉にたとえたのは、本当にひどい。 大運河事業も国民が反対すれば推進しないというが、「国民が反対したら」と いう前提条件があるので決してあきらめるという意味ではない。だから大げさ に騒ぐ必要はない。 結局、李明博政権は偽りと弁解で国民と疎通しており、追加交渉に対する執拗 さは韓米同盟第一主義に陥っているためだということが確認された。国民の生 命権を軽んじるのはもちろん、安易な情勢認識と使い道のない判断能力、何よ りも大統領としての無能と無知を示した。今、多様なことを区別せず嘘をつく ほどだとすれば、自ら危機を感じているという証左だ。彼の言葉通り今、新し く始めるべき時だ。闘争をしなければ権利を得られないという普遍妥当な真理 をもう一度確認する時だ。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2008-06-21 09:28:59 / Last modified on 2008-06-21 09:29:00 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |