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「2005年には反世界化ゼネスト闘争を」

代案世界化国際討論会「FTA時代に、どう対応するか」進行

「国際的な情報の共有と反世界化共同活動の必要性を提起」

ラウニョン記者

反世界化共同闘争企画団(共同企画団)は、 10日と11日両日にわたり民主労総1階の会議室で 代案世界化国際フォーラムを進めた。 共同企画団は「反世界化週間共同事業の一環として、 △韓アセアンFTAの点検 △北米自由貿易協定(NATFA)が3か国に及ぼす影響の分析 △盧武鉉政府のFTAロードマップの批判的検討 △二者択一通商政策の可能性 △新自由主義自由貿易体制を克服するための原則と対応方案を用意するための 国際討論会」と趣旨を明らかにした。

共同企画団は、今回の討論会で「各国で進められるFTAの進行状況と対応の過程を 共有することができた。共通して、労働の柔軟化と労働条件急落の危険性強調、 交渉過程の非公開、政府の統制などが指摘され、 これに対する対応としてマスコミ・世論の造成、情報共有、 闘争のための組織化の必要性が提起された。 また、アセアンのそれぞれの活動家が状況を共有し、 連帯の原則を確認して今後、具体的な活動につなげる要を用意した」と評価した。

チョジュノ共同企画団運営委員長は 「日本遠征闘争団を通して日本の活動家の連帯戦線を構築できたとすれば、 討論会を通してアセアン地域に問題を拡張する契機になった。 今後、民主労総が開催する南半球会議を通じて 国際連帯と情報共有をさらに強固にする。 国会立法阻止闘争と2005年の香港閣僚会議への対応戦略を用意しながら 私たちの成果を拡散させよう」と国内活動単位の長期的な共同闘争を訴えた。

以下、代案世界化国際フォーラムの過程で提案された主な内容を整理した。

「NAFTAは公共領域を拡大しようとする単位の敗北で、 米国をはじめとする資本の勝利だ」 大陸統合研究グループ、カナダ・ケベック大学社会学ドルバル・ブルネユ教授

ドルバル教授は 「NAFTA協定の11章は投資に関する部分で紛争解決手続きを規定しており、 12章は機構について規定している。1115条に基づけば、 紛争解決の手続きは民間の投資者と企業にまで拡大されているため、 連邦、週、市、はなはだしきは学校の運営委員会にまで拡張して 適用することが可能だ」と説明した。

カナダでは、レーガン政権と貿易交渉を始める3年前に憲法を改正し、 メキシコでは貿易交渉開始の1年後に憲法27条を廃止した。 この条項は、先住民の共有地を保護するための条項で、 94年にNAFTAが発効した日、 サパティスタ民族解放軍が武装蜂起を起こした根本的な原因になった。

ドルバル教授は「NAFTAは公共領域を防御する勢力にとっては敗北で、 自由化を拡張しようとした勢力と、とにかく米国の勝利でしかなかった」と評価した。

ある研究資料はNAFTAによって「メキシコは外国人の土地所有を保障することで、 土地が海外投資者に売却され、大多数は債務関係で農民に土地を失わせた。 農民に提供されている燃料、肥料への政府補助、価格下限制度が撤廃され、 多くの被害が出た。こうした弊害の中で、94年に800万近い農民が 2003年に650万に減少し、98年から米国国境を超えようとしたメキシコ人のうち 1600人以上が死亡した。 この事実は破壊されたメキシコ農民のもう一つの断面を見せる」と説明した。

ドルバル教授は「こうしたNAFTAの弊害がボリビアとブラジルなどで 政治的な抵抗にあっているが、FTAAにつながっている」と指摘した。 彼は「FTAAは、NAFTAの全大陸的な拡張に違いない」と危険性を警告した。

「民主労総は2005年に反世界化を掲げたゼネストを計画する」 民主労総キムミョンホ企画局長

戦略討論会でキムミョンホ局長は 「韓チリFTA農民闘争にきちんと連帯できない民主労総は、 世界化を克服する代案は何なのかについて悩んでいる。 先覚的な活動家の被害を知らせるという課題を超えて、 大衆闘争で反世界化を全労働者の闘争にすべきだという当面の課題を認識して、 感じている」と話し始めた。

キムミョンホ局長は「反世界化闘争が議題に浮び上がったのは、 2000年のASEMソウル会議反対闘争からだと思う。 まだきちんと準備ができていなかった。しかし、 東アジア首脳会議反対闘争、日韓FTA遠征闘争など、 民主労総は反世界化闘争の重要なステップを踏んでいる。 現段階は、主体を建てて、地域・産業的な特性を越えて 単一の闘争戦線を構築する内部的な努力をしている」と民主労総の悩みを語った。

彼は「来年は重要な時だ。今年、反世界化闘争の主体を作って教育して 宣伝を始めたとすれば、来年には70万の組合員が闘争の主体として乗り出す 世界化反対闘争の大衆化を実現する年、反世界化ゼネストに進まなければならない。 今でも、もちろん非正規労働悪法改悪に対抗してゼネストを組織している。 しかし盧武鉉政権のいくつかの政策に反対する闘争で、 さらに進んで反新自由主義闘争、FTA-DDAに反対するゼネスト闘争を 展開しなければならない」と強調した。 「社会安全網が不在の韓国労働者、農民、貧民が体験している深刻な 社会的、経済的困難は、正面から突破する闘争として、 社会予算拡大を政府に要求する闘争として、 民主労総が前面に掲げる」とその一方法を紹介した。

「労働者たちはFTAの最大被害者だ-抵抗しよう」 労働組合センター会長 アルデント・ダクシ

ダクシ会長は「インド政府は、90年代初めにWTO調印に関して 労働団体どころか議会にさえ知らせずに協約を調印した。 以後、9件に達する大規模闘争があって、今年2月にはスト権争奪のために 2000万人の労働者が大規模ストライキを行った。 これは執権党の総選挙敗北につながった」とインドの状況を説明した。 また「インドへの直接投資を試みる海外資本は 『労働組合と労働法をなくせ、賃金は多国籍企業が決定すべきだ。 固定された労働時間をなくせ』などと要求している」と話した。

ダクシ会長は「数百の特別経済地区、輸出特別地区、 メキシコのマキラドーラ(maquiladoras)が全世界的に表れた。 NAFTA締結以後、マキラドーラでは職業が減り、 俸給労働者の賃金が25%も減少した」と例を上げ、 自由貿易協定が持たらす4つの喪失を説明した。 職業の喪失、交渉力の喪失と、それによる賃金低下、国内政府の権威喪失、 環境基準の喪失などだ。彼は「協定による資本の無限搾取に対抗して 全世界の労働者の連帯と団結で労働搾取と自然収奪を防ごう」と主張、 「帝国主義世界化を押し倒そう」とスローガンを叫んだ。

「資本のブロック化、世界化に対する戦略的対応が必要だ」

自由貿易協定・WTO反対国民行動イジョンフェ代表

李鐘會(イジョンフェ)代表は「ウルグアイラウンド締結後も 餓死状態に陥るところなのに、さらに拡張されたFTAでは、 結果はあまりにも明らかだ。新自由主義世界化がFTAと噛み合って、 帝国主義的な多国籍資本と噛み合い、地域化とブロック化を作り出している。 結局これは全地球的な貧困の問題を量産している」と指摘した。

イジョンフェ代表は「今年は大衆的な反世界化闘争が進められているが、 構造調整と噛み合うというより分離する闘いとして展開している。 構造調整反対闘争が反世界化阻止闘争として限界を超えていくことが 今後重要な課題だ」と評価し、 「全面化する収奪に階級的主体を正しく打ち建てて、 対応のイデオロギーを具体化して、長期的な闘争の展望を建てていくことが 戦略的な水準で取り組まれなければならない」と強調した。

また彼は「全体討論会で教育宣伝と世論の重要性、 政府の透明性確保と行政府統制方案の準備、 そして活動単位の情報交換と対応方案を用意する等が共通して提起されている」 と分析し、「こうした悩みを基礎として メーリングリストなどの具体的な連帯の形態で作ってみよう」と提案した。

「条約締結の法律専任者・利害関係者等を包括する通商交渉機構の設置が必要」 民主労働党権永吉議員室イスンウォン政策首席

イスンウォン政策首席は「政府のDDA-FTA交渉は 被害補償対策が一つもない状態で、国民経済均衡発展及び分配、 経済民主化など、憲法が明示している国家の義務を放棄するもの」と指摘して、 現在は「国会の経済協定ないし条約の締結、批准に関する 法律や制度的装置が一つもない状況」だと説明した。

彼は「条約締結の全過程を規定する法律もない状態で、 法的効力がない大統領訓令の『自由貿易協定締結手続き規定』があるだけだ。 また、国会は批准同意案を提出した後にしか 審議、同意する権限がなく、賛成か反対かしか決定できない。 交渉の全過程を審議して、適正な監視と勧告ができる法律や 制度的装置が必要だ」と政府の粗末さを指摘した。 その一例として、韓チリFTA当時に批准同意案が原点から再検討された事件をあげた。

イスンウォン政策首席は制度的な予防策として 「政府の専横を監督できる国会機能と責任を法的に新しく保障して、 これを通じて社会利害集団の要求と権利を最大限に反映できるようにすること」 として『国会監督、労・農・使・政基盤諮問機構』が保障された 大統領直属の通商交渉機構の設置」などを主張した。

「世界化は経済的次元で底に向けた慶州だけ」 持続可能な世界化監視研究所チャールズ・サンチャゴ所長

チャールズ所長は「2020年に創設される予定の アセアン経済共同体と米シンガポールFTAに関する内容」を提案した。

EUと似たアセアン国家間の経済共同体は、 2020年の創設を目標に2003年10月、第9次アセアン首脳会議で締結された。 この共同体は「投資、商品、サービス、熟練労働、資本などに 地域内関税-非関税障壁を撤廃して、 通関手続きを標準化して資本の統制を縮小、ビザ廃止により 地域内の自由な流れを促進する」という目標を持っている。

共同体議論が活発な理由についてチャールズ所長は 「『第一に中国とインド市場の急成長により アセアン国家が受ける威嚇を連合して克服する必要性、 二つ目、統合されたアセアンが持つ経済的効率性、 最後に、地域経済統合はカンクン以後漸増する 地域、二国間の流れに対する競争的対応だ」という アセアン国家の判断が一致したためだ」と説明した。

ま、た米シンガポールFTAが2003年5月6日に締結された。 彼は「米シンガポールFTAでISI(Integrated Sourcing Initiative)規定の 拡張適用の危険性」を強く警告した。 ISIは国外のシンガポールの会社が電気、コンピュータなどの 高技術製品を製造して販売する場合にも「made in Singapore」と 表記できるということだ。一例として「インドネシアのビンタン島と バンタン島でこのようにして製品が生産されており、 米国の無関税適用を受ける。このような条項により 相対的利益を追って東南アジア地域の生産工場が生まれ、 投資が促進されるだろうが、これは『労働搾取工場の隠れ家』が拡散するだけ」 と警告した。

一方、ISI規定が「原産地規定に関して国際法違反ではないか」という質問が 殺到したが、彼は「国際法違反に関しては判断が難しいが、 ISI規定が米シンガポール間で初めて国際的に発効したものであり、 実際に国際法に違反するような条項でも適用される事例が多いため、 十分に拡張適用されるものと判断する」と説明した。

また彼は「アセアン社会憲章(ASEAN SOCIAL CHARTER)」を例に上げて 「ILO核心条約の遵守など、最小限の基準を含む基準を公表するように 労働者たちの保護措置を作り出す多様な活動が必要だ」と強調し、主提案を終えた。

「自由貿易協定はタダではない。貧困と人権の弊害につながる」 タイ民主労組連盟ショムヨット

2004年、中国と農業部門協定を結んだタイは、 非関税障壁と安い農産物による被害が蔓延する状況だった。 一例として、タイのニンニク価格は1kgあたり20バーツであるのに対して、 中国から輸入されるニンニクは1kgあたり12バーツにすぎない。 こうした競争できない価格構造は、タイの農村社会の崩壊につながった。 ショムヨット氏はある資料について説明した。 タイの全国人権委員会(National Human Right Commission of Thailand)は 「2001-2002年にタイ内の農場が43,057エーカーから25,338エーカーに減り、 2002年-2003年には17,718エーカーに減った」と報告した。

また、タイの国家統計局が1999年に行った調査資料は、 「全人口の80%が国富の41.5%を稼ぐ一方、 富裕層の20%が国富の58.5%を稼いでいる。 経済危機の波及効果は失業率増加、輸入の下落、 そして貧困の増大と輸入の不平などに及ぶ。 貧困層の割合が96年11.4%から98年15.9%へと急増した。 その反面、97年以後、99年まで見れば予算は23.75%削減され、 公共サービスは66.35%削減された」と報告し、 ショムヨット氏は「このような分析の結果は自由貿易協定の明白な結果であり、 貧困が途方もなく拡大することを立証する」と評価した。

2004年11月12日16:16:23

原文

翻訳/文責:安田(ゆ)


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