セヌリ・教総、「進歩教育監の当選が気に入らないから直接選挙制を廃棄?」

新政連・全教組、「時代回帰的発想」、「『任命制』で政党の介入を狙う」

キム・バルム記者 2014.06.10 15:48

6月4日の教育監選挙で全国17の地域のうち、13の市道で進歩指向教育監が大挙当選し、セヌリ党と韓国教員団体総連合会がいっせいに教育監直接選挙制廃止を主張しはじめた。

新政治連合と全国教員労働組合はそれぞれ「時代に逆行する発想」、「針小棒大、自己矛盾、過去回帰的」と反発し、今後衝突が予想される。

初めての砲門は、セヌリ党政策委のチュ・ホヨン議長が開いた。チュ議長は6月9日、党非常対策委員会の会議で「教育監選挙が『ロト選挙』になっている。 (候補者の名前記載を)循環配列方式で変えたが、やはり『暗闇選挙』が続いている」と話した。続いて「教総が現行の教育監直接選挙制について違憲訴訟を提起している」とし「野党がこの問題を直視して、早期に問題を正す努力を共にしてほしい」と教育監直接選挙制廃止を公論化した。

これに対し、新政治連合の朴光温(パク・クァンオン)報道担当者はブリーフィングで「(与党が)教育監選挙が不服で教育監選挙自体を否定している」とし「これ以上国民の選択を否定したり蔑視する言辞を中断するよう強く要求する」と明らかにした。

セヌリ党が火ぶたを切ると、教総の攻勢が続いた。教総のキム・ドンソク報道担当者は6月10日午前、MBCの視線集中の討論インタビューで、進歩、保守陣営両方を批判しつつ「今回の選挙で一番たくさん登場した言葉は泥沼選挙、どん詰まりドラマ、官権選挙、工作政治、誣告告発だった」とし「教育的であるべき教育監選挙が、政治選挙よりも混濁していたことの反証だ」と主張した。

キム報道担当者は特に、ソウル市教育監曺(チョ)ヒヨン当選者の民主進歩候補一本化の過程を詳しく言及し「憲法第31条の教育の政治的中立性の部分がこの直接選挙制で崩れている」と主張した。すでに教総は6月5日「教育監直接選挙制が憲法に違反している」とし、違憲訴訟を提起すると明らかにしている。

討論の相手に出た全教組のハ・ビョンス報道担当者は「現在の教育監直接選挙制は、過去の大統領任命制から学校運営委員による間接選挙制を経て、今の直接選挙制になった」とし「教育監直接選挙制は、任命制により破壊された教育の自主性と政治的中立性を克服する一歩進んだ制度」と反論した。

続いて「(セヌリ党と教総が主張する)報恩人事、暗闇選挙、選挙費用などの直接選挙制の問題は『人の問題』で、制度の問題でない」とし「(これは)補完の問題で、むしろ人事不正は過去の任命制とは較べられないほど多かったし、暗闇選挙と選挙費用の問題は、選挙公営制の拡大とTV討論会の拡大、預託金返還で可能だ」と話した。

▲1月16日の地方教育自治法改善および教育自治守護のための教総-全教組共同記者会見［出処:韓国教総］

ハ報道担当者は以前、教育監直接選挙制の導入に積極的だった教総の態度の変化を批判した。彼は「教総は、2006年の地方教育自治法改正で、教育監直接選挙制を先頭に立って主張した」と指摘し「(直接選挙制を廃止しようというのは)今回の13地域の進歩教育監の大挙当選の結論についての主張に過ぎず、もし与党や教総が支持する保守教育監が大挙当選していれば、選挙から一日後でこれほど直接選挙制を否定しなかっただろう」と批判した。

ハ報道担当者は、教総側が提起した教育監直接選挙制の「政治的中立性」の問題も批判した。彼は「直接選挙制を廃止すれば代案は任命制しかないが、政党が組織的かつ全面的に参加する方式がまさに任命制だ」とし「すでに2007年、政党の影響を許容すること自体が政治的な中立性に反して違憲だという判決がある」と付け加えた。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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