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ご案内「ベトナム人技能実習生の死体遺棄被告事件」判決公判 | ||||||
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いつもご支援頂いている「ウイシュマさん名古屋入管死亡事件裁判」支援と共に、「技能 実習生グエットさん裁判」の無罪判決への支援を訴えます。 「技能実習生グエットさん裁判」では、技能実習生リンさんの「最高裁無罪判決」(20 23年3月24日)後に、2023年3月24日の室内から子の遺体が持ち出されていな いケースで、最高裁判例の死体遺棄罪の「隠匿」を巡る判断基準に基づいて、検察側と弁 護人側双方が死体遺棄罪の「隠匿」に該当するかをめぐって争われています。 「孤立出産」すること、「死産」すること自体、犯罪でないにもかかわらず、孤立死産し た女性を死産直後の遺体の取り扱い(どのようにすれば死体遺棄罪の適用とならないかが 不明確)を理由に、実質的に孤立出産する女性に刑事罰を科し罰するもので、孤立出産す る女性への差別です。 *「**ベトナム人技能実習生グエットさんの死体遺棄被告事件」判決宣告公判**について 、「**コムスタカー外国人と共に生きる会」の**中島眞一郎* *さんからのご案内を送ります。* よろしくお願いします。 お元気で。再見。 *************************************** ◆グエットさん死体遺棄被告事件 判決宣告公判の御案内 *2025年2月10日 * *中島 眞一郎(コムスタカー外国人と共に生きる会)* *◇ベトナム人技能実習生グエットさんの死体遺棄被告事件判決宣告公判* 時:2025年3月7日(金)午後2時 所: 福岡地方裁判所911号法廷 ※ 2025年3月上旬に、グエットさんの無罪判決を求める署名の追加分を、福岡地方裁判所刑 事第4部に提出します、(追加署名については、2025年2月28日までに届くように集め て下さい。) 傍聴抽選番号配布 2025年3月7日{金}、午前11時20分から11時50分まで 傍聴番号公表 午前11時50分過ぎ *判決前の門前集会* 時 2025年3月7日{(金)午後1時15分から午後1時30分 場所 裁判所前の公道付近 *<判決宣告直後の旗出し集会>* 2025年3月7日午後2時頃 判決主文が、言い渡される直後すぐに、福岡地方裁判所 の門前で、旗出し(無罪、あるいは有罪)集会を行います。 傍聴に参加できなかった方は、裁判所の門前にお集まり下さい。 *<判決宣告公判終了後の報告集会>* 時 2025年3月7日午後3時30分(記者会見などが遅れる場合は午後4時から) 所 日本パブテスト福岡城西キリスト教会 〒814−0104 福岡市城南区別府5丁目10−28 アクセス 福岡地方裁判所から徒歩20分、地下鉄六本松駅から別府駅下車徒歩5分 ************************************* *<ベトナム人技能実習生グエットさんの死体遺棄被告事件の判決を前に>* 2025年2月9日 中島眞一郎(コムスタカー外国人と共に生きる会) ◆リンさんの最高裁判決の死体遺棄罪の判断基準の解釈を巡る争い 2023年3月24日のリンさんの最高裁無罪判決後に、室内から子の遺体が持ち出され ていないケースで、最高裁判例の死体遺棄罪の「隠匿」を巡る判断基準に基づいて、検察 側と弁護人側双方が死体遺棄罪の「隠匿」に該当するかを巡って争われている *◆リンさんの最高裁判決* *(最高裁判所令和5年3月24日判決、刑集77巻3号41頁)。* 「刑法190条は,社会的な習俗に従って死体の埋葬等が行われることにより,死者に対 する一般的な宗教的感情や敬けん感情が保護されるべきことを前提に,死体等を損壊し, 遺棄し又は領得する行為を処罰することとしたものと解される。したがって, *習俗上の埋葬等とは認められない態様で死体等を放棄し又は隠匿する行為が死体遺棄罪 の『遺棄』に当たる**と解するのが相当である。* そうすると,他者が死体を発見することが困難な状況を作出する隠匿行為が『遺棄』に当 たるか否かを判断するに当たっては,それが葬祭の準備又はその一過程として行われたも のか否かという観点から検討しただけでは足りず, *その態様自体が習俗上の埋葬等と相いれない処置といえ**るものか否かという観点から 検討する必要がある*。」 「前期の事実関係によれば、被告人は自室で出産し、死亡後間もない本件えい児をタオル に包んで段ボール箱に入れ、同ファンボール箱を他の上に置く等している。このような被 告人の行為は死体を隠匿し、他者が死体を発見することを困難な状況を作出したものでは あるが、 *それが行われた場所、死体のこん包及び設置の方法等に照らすと、その態様自体がいま だ習俗上の埋葬等と相容れない処置とは認められない* から、刑法第190条にいう『遺棄』には当たらない。」 *検察側の有罪の理由、* 起訴状で「ゴミ箱に投棄した」と記載し、第1回公判の冒頭陳述でも「ごみ箱に遺体を投 棄し、ごみ箱の中にあったケーキの箱をその上に置いた」という一連の行為としか主張し ていなかったが、2025年1月15日の最終意見陳述で、検察官が「隠匿」による死体 遺棄罪の成立を主張した。 要約すると、「 被告人グエットさんが、当日ごみ箱に遺体を入れ、ごみ箱の中にあったケーキの箱の蓋を その上にかぶせたことは、リンさんの最高裁の判例がしめした「習俗上の埋葬等と相いれ ない処置」といえるものか否かの観点から検討して、習俗上の埋葬等と相いれない処置と いえるので、「隠匿」にあたるとするものです。 *弁護人側の無罪主張の理由* (詳細は、2025年1月15日弁護人の弁論要旨 参照) 死体遺棄罪には、「放置」と「隠匿」があり、検察官が起訴状に記載した「投棄」がどち らに該当するのか明らかにされなかったが、当日のグエットさんは、死産してから、医師 に死産したことを認めるまで8時間、遺体がごみ箱の中にあった発見されるまで14時間 程度しか時間が経過しておらず、死体遺棄罪の「放置」は成立しない。 ※ 2022年1月19日 リンさんの福岡高裁の控訴審判決は、「リンさんが死産してから、医師に死産したことを 認めるまで33時間しか経過していないことを理由に、一審熊本地裁の放置による死体遺 棄罪の成立を認めた有罪判決を破棄した。 また、死体遺棄罪に該当する「隠匿」は、遺体を隠す行為が行われただけでは成立せず、 リンさんの最高裁判決が示したように、「それが葬祭の準備又はその一過程として行われ たものか否かという観点から検討しただけでは足りず,その態様自体が習俗上の埋葬等と 相いれない処置といえるものか否かという観点」から検討する必要がある。遺体の状態か らすれば、ビニール袋に入れた行為自体は、遺体を粗末に扱うものとすらいえず、「習俗 上の埋葬等と相いれない処置」といえません。また、遺体の置かれた場所は、グエットさ んが寝泊まりしていた部屋で、ごみ箱に遺体を入れても、なお、遺体に対する支配性は失 われておらず、適時適切な埋葬を行うことを妨げたといえません。経緯を踏まえると、グ エットさんが遺体をあえて「投棄」しようとしたとはいえませんし、習俗上の埋葬等とは 認められない態様で死体を投棄する認識・認容を認めることも困難というほかありません 。 ゆえに、グエットさんの当日の行為及び故意はなく「その態様自体が習俗上の埋葬等と相 いれない処置」とはいえず、無罪である。 ※死体遺棄罪の「隠匿」に関して無罪判例として、リンさんの最高裁判例以外にも「福岡 死体運搬事件 福岡高裁判例(2021年6月25日 高刑集73巻1号6頁)」がある。 *検察官と弁護側の主張の根拠となる証拠* A, 検察側に有罪主張の有利な証拠 ○裁判所の証拠採用されたグエッオさんの検察官の取り調べ調書 ○検察官申請の3人の証人の証言調書 (但し、グエッオさんが、ごみ箱に遺体入れた時点を見ている者は誰もおらず、グエット さんが病院にいくまで、妊娠や死産したことを誰にも話していなかったことを証明する証 言にしかならない。証人の一人が、送り出し機関や監理団体から何度も「妊娠したら、帰 国させられると」いわれていたことを証言したことで、他の2人の証人はそのようなこと をいわれたことはないという反論の証言が中心となる。) B、 裁判所に証拠採用された弁護側の無罪主張の有利な証拠 ○ 勾留中に開廷された勾留理由開示裁判で、裁判官を前に無罪主張した グエットさんの証言記録、 ○被告人尋問で、裁判官の前出、無罪を主張したグエットさん被告人尋問調書 ○弁護側証人として証言した蓮田 健慈恵病院医師の尋問調書 C; 福岡地方裁判所刑事第4部の対応 ○本件裁判は、第1回公判から第4回公判まで裁判官一人の単独審であったが、裁判途中 の第5回公判(蓮田健慈恵病院院長の証人調べ)前から合議審(3人の裁判官)に移行し 、3人の裁判官の合議を経て判決が言い渡される *まとめ* グエットさんの死体遺棄被告事件(以下、本件)は、「グエットさんが誰にも相談せず、 交際相手のアパートの居室で、子(胎内ですでに死亡していた浸軟児)を死産し、その遺 体をビニール袋に入れて室内にあったごみ箱の中に入れ、ごみ箱の中にあったケーキの箱 の蓋を置いた。 (なお、ごみ箱の蓋は閉めていなかった)」という事実関係について検察官及び弁護人側 とも大きな争いがなく、リンさんの最高裁判所判例の示した死体遺棄罪の「隠匿」の枠組 み(「習俗上の埋葬等と相いれない処置」といえるものか否かの観点から検討)で、無罪 か、有罪が争われています。 外国人技能実習生が孤立死産したえい児の遺体を段ボール箱に入れて寮の庭に埋めた事案 (広島地裁判例 2022年5月31日)等、これまでいくつも有罪が確定しています。また、死体遺棄罪の「隠 匿」では、自室内に遺体があっても、これまで死体の終局的処分といえる明白な行為が行 われた事案(「死体を屋内床下に運び隠した事件(最高裁判例1949年11月26日刑 集3巻11号)」、「死体を納戸の洋ダンス内にいれ、目張りをした事件(東京地裁判例 1998年4月24日)」等が有罪判決として確定しています。 しかし、自室内から死産したえい児の遺体を持ち出していない、死体の終局的処分といえ ない行為に対して、どのような場合に死体遺棄罪の「隠匿」が認められるかは、明確では ありません。 リンさんの最高裁判所判決は、「 *それが行われた場所、死体のこん包及び設置の方法等に照らすと、その態様自体がいま だ習俗上の埋葬等と相容れない処置とは認められない* か、否か」という判断基準を示しましたが、本件では、グエットさんが、子の遺体におこ なった行為が、「習俗上の埋葬等と相いれない処置か否か」が争点となっています。検察 官は端的に言うと、検察官の尋問調書(「自白調書」)を証拠に、「 *室内のごみ箱に遺体を置いていたら、死体遺棄罪の「隠匿」が成立する」と主張してい ます。* それを判断して決定するのは裁判官で、裁判官の心証により、無罪か有罪か、どちらの結 論を導くが決まります 本来「孤立出産」すること、「死産」すること自体、犯罪でないにもかかわらず、孤立死 産した女性を死産直後の遺体の取り扱い(どのようにすれば死体遺棄罪の適用とならない かが不明確)を理由に、実質的に孤立出産する女性に刑事罰を科し罰するもので、孤立出 産する女性への差別です。 裁判官の心証に最も影響を与えるのは、 *グエットさんのような孤立死産した女性に、出産直後の遺体の取り扱いを理由に刑事罰 で罰して有罪とすべきか、刑事罰ではなく、社会福祉的な保護と支援であるという価値観 の転換やそれを支持する世論の動向だと思います。* Created by staff01. Last modified on 2025-02-10 20:45:03 Copyright: Default |