渡部通信(11/30) :
明けない夜はない(279)<若者を再び戦場に送るな!(29)「
国民の後押しほど大きな力はありません」>
=============================
「明けない夜はない(274)<・・言行不一致の石破首相はすぐヤメロ!>」で私は、
石破氏が総裁選以前に言っていたことと、
総裁・首相になった後では多くの言行不一致があったことを述べ、
10月4日の所信表明演説では、
基本的には岸田首相の路線を引き継いでいるとしました。
その石破首相はその時の演説で、(憲法改正)について次のように述べました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
憲法改正について、*私が総理に在任している間に発議を実現*していただくべく、
今後、憲法審査会において、与野党の枠を超え、建設的な議論を行い、国民的な
議論を積極的に深めていただくことを期待します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これに対し私は、
「これだけは、中身スカスカの演説中彼が一番言いたかったことでしょう。」
と述べました。
その後、彼は旧統一教会や裏金問題などについて行き詰まると、
5日後の10月9日には衆院を解散、27日に総選挙を行いました。
その結果、彼の「言行不一致」に対する不信と怒りも加わり、
自民党は公示前の247議席から191議席へと大幅減、
公明党も32から24となり、自公政権は少数与党に転落しました。
しかし、野党の足並みもそろわず、国民民主党が「103万円の壁」を掲げ、
急速に自公政権ににじり寄り、自公+国民で、急遽、経済政策を策定、
昨日(11月29日)の石破首相の所信表明演説になりました。
彼は演説の最初の方で、
*1⃣政権運営の基本方針*として、
「先般の選挙で示された国民の皆様の声を踏まえ、比較第1党として、
自由民主党と公明党の連立を基盤に、他党にも丁寧に意見を聞き、
可能な限り幅広い合意形成が図られるよう、真摯に、そして謙虚に、
国民の皆様の安心と安全を守るべく、取り組んでまいります」と述べました。
しかし、すでに与党化しつつある国民の意見は聞いたかもしれませんが
他党の意見は聞いていません。
また、「103万円の壁」に関わる年金保険料と健康保険料、
さらには税負担なども十分に検討されないままです。
*2⃣三つの重要政策課題への対応*の
(1)<安全保障政策>では、
基本的には岸田政権の日米同盟重視は変わらないものの、
中国については、先日(日本11月16日)の習近平主席との会談を踏まえ、
次のようなことを述べています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
中国の安定的発展が地域全体の利益となるよう、習主席とも確認した、
「戦略的互恵関係」の包括的推進、「建設的かつ安定的な関係」の構築という
大きな方向性に基づき、今後も首脳間を含むあらゆるレベルで中国との
意思疎通を図ってまいります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
また日ロ関係については、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
日ロ関係は厳しい状況にありますが、我が国としては、
領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
と述べており、これまで中国・ロシアを「仮想敵国」として露骨に敵視していた
ことからやや大局的な見方になりつつあるともいえます。
その背景には「アメリカ第一主義」を掲げ、
日本にも更なる軍事・経済的負担を課すだろう、
次期トランプ政権に対する警戒感もあると思われます。
それでも、防衛力は抜本的強化をうたい、自衛隊員の充足が
「極めて深刻な課題」と述べています。自衛隊は戦争などできない状態なのです。
しかし、もし戦争が現実的になれば改憲をし、徴兵制さえ起きてくるでしょう。
(2)の<日本全体の活力を取り戻す>では、次のようなことが述べられています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
人口減少によって、地域の活力、そして経済の活力が低下しています。
こうした状況は、我が国の経済・社会システムの持続可能性への
不安を生み出し、更なる人口減少につながりかねません。
この流れを反転させるため、地域の活力を取り戻す地方創生の再起動、
経済の活力を取り戻す「賃上げと投資が牽引する成長型経済」への移行、
全世代型社会保障の構築、この三つの取り組みを強力に進めてまいります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
しかし、日本の経済がこのように低下したのは、明らかにこの間の自民党政権による
新自由主義経済(露骨な資本主義:アベノミクス)によるものです。
そして、岸田政権は当初、貧富の差を拡大したアベノミクスを批判、
「分配」を重視するなどと述べましたが、株価が下がるとすぐにひっこめ、
アベノミクス路線を継承する結果になりました。
その結果について、石破首相は述べています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
30年前、日本のGDPは世界の18%を占めていましたが、直近の2023年では4%です。
そして、1位だった国際競争力は、今、38位に落ちました。
配当は増え、海外投資も増えた一方で、国内投資と賃金は伸び悩んできました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
なのに、石破氏も基本的には「貯蓄より投資」に現れるように
その路線を受け継いでおり、
前回の所信表明では「投資大国の実現」を打ち出しました。
また今回もあとで出てきますが
<資産運用立国及び投資立国>などと述べています。
これでは金融所得を優遇し、産業の空洞化が進み、
貧富の差がさらに拡大するでしょう。
(3)<治安・防災>については、まず防災について、
今年起きた能登半島地震や豪雨での教訓もふまえ、いろいろな対策を強化することが
並べられ、2026年度中の「防災庁」の設置などがのべられています。
が、危険な原発については述べられていません。
<治安>については最近の「闇バイト」対策が述べられていますが、
その大きな原因が、
非正規労働の多い若者の貧困にあることは触れられておりません。
3⃣経済対策・補正予算では、最初につぎのようなことを述べています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
国民の皆様の暮らしが豊かになったと感じていただくためには、
現在や将来の賃金・所得が増えていくことが必要です。
そのことを最重要課題として、「
国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」を策定しましたとして、
最近ニュースでも話題になる、<賃上げ上昇><地方創生の交付金の倍増>
<資産運用立国及び投資立国><低所得者世態への給付金支給><エネルギー・食料高騰
への支援>
<103万円の壁の引き上げ>などが述べられています。
裏返して言えば、この間の多くの人々の生活苦を無視できなくなったのです。
4⃣政治改革への対応では、旧統一教会や裏金の問題については、
一言も触れられていません。
そして、最後に、
5⃣憲法改正が出てきます。
ただここでは、前回あった「*私が総理に在任している間に発議を実現」*
という言葉はありませんでした。
これは選挙で少数与党に転落した結果でしょう。
6⃣結語では、
「外交においても、内政においても、国民の後押しほど大きな力はありません。
国民の皆様に信頼を頂けるよう、誠心誠意取り組んでまいります」と述べています。
これも選挙で大敗した結果、言わざるを得なくなったことばでしょう。
国民、否、「人民大衆こそ歴史を動かす原動力」なのです。
したがって、今回の所信表明演説は、国際的にはトランプ政権誕生の影響を受け、
一方的な対米従属ではなく、中ロも無視することはできなくなり、
国内的には日本経済の行き詰まりと人々の生活難で、
人々の生活を「最重要課題」とせざるを得なくなったという
演説であったといえるでしょう。
ただ問題は、残念ながら野党の足並みがさらに乱れつつあることです。
これを解決する道はやはり、
全国的規模での「草の根」からの運動の活性化だと思います。
「草莽崛起(そうもうくっき)」、「急がば回れ」です。
皆さん、共に各地域・職場から闘いを作り出していきましょう。
「戦争をさせない杉並1000人委員会」は明日(12月1日)、
杉原浩司さんをよんで講演会を開きます。
*********************************************************
渡部通信(12/2) :
明けない夜はない(280)<若者を再び戦場に送るな!(30)「
死の商人国家」への堕落をどう止めるか>
=============================
昨夜、「戦争をさせない杉並1000人委員会」主催で、
杉原浩司さんの講演会を開きました(35人参加)。
この講演会について、早速仲間が、明日の方南町駅頭街宣のチラシに、
簡潔にその報告を書いてくれました。以下に紹介します。(写真添付)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
12月1日、戦争をさせない杉並1000人委員会は、
武器輸出反対ネットワーク代表の杉原浩司さんをお招きして
「『死の商人国家』への堕落をどう止めるか」をテーマに講演会を行い、
あわせて2025年度の総会を開催しました。
前半の講演会で講師の杉原さんは「武器見本市」での抗議行動の様子の動画や、
様々な資料を示しながら
「武器輸出をめぐっては、岸田前首相の『防衛3文書改定』以来権力側のやりたい放題が
続き、
とうとう殺傷能力の塊である戦闘機の輸出さえ可能となった」と述べました。
こうした動きを止められなかったことは、私たち市民の側の責任でもあり
「軍事要塞化の進む琉球弧を含め、
現地の人々の声に耳を傾け、異議申し立てをつないでいくこと。
立憲民主党のリベラル派を後押しして、政策を転換させることが重要だ」と
「平和運動の立て直し」のための具体的な行動に取り組むことを求めました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
なお、総会については以下のように書いてくれました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事務局を除き15名の方が参加された総会では、
2024年度の経過報告・決算報告、
2025年度の活動方針と事務局体制が提案され拍手で承認されました。
私たち戦争をさせない杉並1000人委員会は、今後も「戦争反対!」「大軍
拡・大増税と憲法改悪に反対!」の活動を続けていきます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そして、このたび4人の方が新たに「戦争をさせない杉並1000人委員会」に
参加してくれることになりました。
以下に、杉原講演についての感想を紹介します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇今日はお誘いいただき、ありがとうございました。
講演は、現実の恐ろしさを思い知らされました。
武器見本市は本当に気持ち悪くなります。
現実を知るために今、最適な講演でした。
〇素晴らしい講演ありがとうございました。
杉原さんの一言一言が心にしみました。
軍学共同体、BDS運動など、重要な提案を含む
今後私たちが行動して行く指針をお示しいただいて、
心から感謝申し上げます。今回の講演会は最高でした。
(注:BDSは、Boycott(ボイコット)、Divestment(投資引き揚げ)
Sanctions(制裁)の略です)
〇戦争をさせない1000人委員会の総会に始めて参加しました。
「戦争をさせない」ことと直接的な学習会でした。
重要なお話でしたので話題をできるだけ共有したいと思います。
〇とてもよかったです。
たち国民(主権者)が知らされていないことがすごく多いですね。
〇自分が何が出来るか、
毎日平和を祈っているばかりじゃどうしょうもないと思いあせる自分。
いつも杉原さんに具体的示唆を頂いて有難いです。
もっとX、BDSやります。
〇杉原さんの活動には、いつも敬意を持って賛同しています。
判りやすい情報発信を続け、
軍事産業とそれを支援する者たちへの指弾が素晴らしいと思います。
私たちはするべきことをしなくてはなりません。
〇深刻な事態であることが納得できました。
とえ微力であっても、自分でできること(デモや抗議メール)
を今後もやって行こうと思います。杉原さんの講演を続けてお願いします。
南西シフトの件も悪化しているようで遂一の情報が知りたいと思います。
〇大変参考になりました。
〇戦争、爆撃に心を痛めている人は多いのですが、
そのかげに武器輸出の問題があることに向き合っている人は少ないと思いいます。
平和への具体的なとりくみとして、
今後もこの問題に目を向けてゆかなければと示唆多い講演でした。
時間が足りなかったですね。
私自身の無知と(怠慢?)を反省させられました。
〇聞けば聞くほど、情けない世状。閣議決定で、次々、どんどん、殺人兵器を買い、
つくり、売り、それを止められない私ら市民の多くの、ノー天気。
杉原先生のお話で、怖さ、恐ろしさ、許しがたい「ならず者国家」になりさがっているこ
と、
いよいよ胸がつまります。殺傷武器輸出、
憲法9条は完全無視されているのに国民はほとんどおこらない!
なお、杉並では、
「12月8日開戦の日 武力で平和はつくれない!杉並パレード」
が行われます。(13時半蚕糸の森公園集合 14時パレード出発)
主催:9条の会杉並他の呼びかけ。私たちも賛同しています。
*********************************************************
「都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス
http://houinet.blogspot.jp/
千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ
http://hinokimitcb.web.fc2.com/
「ひのきみ全国ネット」のウェブサイト
http://hinokimi.web.fc2.com/
Created by
staff01.
Last modified on 2024-12-04 13:35:35
Copyright:
Default