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「7人の非正規公務員 告発のスクリーン」/東京新聞が一面トップで取り上げる
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「7人の非正規公務員 告発のスクリーン」〜東京新聞が一面トップで取り上げる

松原 明
 「東京新聞」10月9日号の一面トップを飾ったのは、短編映画「わたしは非正規公務員」の記事だった。見出しは「7人の非正規公務員 告発のスクリーン」。記事の大きさに驚く。

 映画は、関東地方のハローワークで非正規公務員として働く山岸薫さんが制作したもので、計7人の当事者が出演し、不安定雇用と厳しい労働環境の実態を切々と訴える内容。7月のレイバー映画祭で初上映されたときには、観客から「まったく知らなかった」「ひどすぎる」と大きな反響があり、アンケートでも「非正規公務員の無権利状態について、認識を深めることができた」との声があった。

 その後、映像はクチコミで広がり、10月29日に大阪市で開く「なくそう!官製ワーキングプア大阪集会」での上映も決まった。そんな時期に、畑間香織記者の熱心な取材が実を結んで、一面トップになったのだろう。

 制作した山岸さんは3分ビデオ講座(NPA主催)の受講生で、そこで制作技術を身につけた。私はその講師だった。いまは、伝えたいことを自分たちの手で伝える時代である。彼女はまさにそれを実践した。「非正規公務員」の人たちが置かれた状況は深刻で、すぐに失職の恐れがあり、リスクのあるメディア取材を受ける人はほとんどいなかった。映画では7人の「非正規公務員」が登場するが、同じ仲間の山岸さんが取材したからこそ重い口を開いたのだ。当事者でなければつくれない映像、それが「わたしは非正規公務員」だった。

 今回の「東京新聞」報道をみて、「映像をつくる→メディアが取り上げる→運動がひろがる」という法則を改めて感じた。短編映画「わたしは非正規公務員」はそんなモデルになるであろう。(レイバーネット共同代表)

東京新聞ウェブ版


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