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いま横断的にたたかうとき〜JAL闘争学習会で竹信三恵子さん

宮川敏一

 JAL闘争東京連絡準備会が、10月2日の夜、港区で開かれた。竹信三恵子さん(ジャーナリスト)を迎え「個別労組を超えた労働運動の必要性」をテーマに学習会を進めました。続いて、JAL労使交渉・都労委報告が山崎書記長(写真下)から報告がありました。会場は参加者で埋まった。

◆JAL不当解雇から13年を迎えようとしています。JALの解雇当時の人員数は現在でも非公開です。パイロット81人、客席乗務員84名を解雇。しかし、JALは決して解雇者を職場に戻しません。解雇時は史上最高益で、稲盛会長(当時)が記者会見で「経営上必要無かった解雇、皆さんお分かりでしょう」と明言した解雇事件でした。ジャニーズ問題でJALはいち早く、「人権問題であり、解決まで新たな契約はしない」との方針を明らかにしました。機長55才、副操縦士48才、客室乗務員53才と云う年齢基準を設けた解雇は、間違いなく人権侵害です。内と外を使い分けするのがJALの姿です。小説「沈まぬ太陽」を地で行ってます。こんなことが許される社会であってはならないです。

【講演・竹信三惠子さん】

■12年の闘いを感じる会場一杯に集まった皆さんを見て感じます。日本独特の個別労働運動に限界を感じます。春闘の始まりがそうであったように、労働組合がまとまり一緒に横断的に闘う成果を見つけた。現状の労働運動にはまとまる力がない。そんなとき、そごう・西武のストライキがあった。外資系との関係もあって闘いの難しさもある。それでも93%の高さでスト権確立で24Hストを決行した。要求貫徹はできなかったが、世間の注目、労働者の不満がマスコミを動かし、注目された。売却はやられたが、世間に問題提起した。アメリカ、ヨーロッパからストのニュースがお茶の間に流れる影響もあり、うまくやれば、ストライキができるチャンスのときだ。

■ABCマートの闘いも注目された。女性が一人で店舗前で低賃金の不満を宣伝行動した。マスコミが飛びつき報道した。店もやばいと妥協して3%の賃上げ提示、少ないダメ!ストだ!店は6%に上げた。これは一例だが、メディアの宣伝が重要な動きをした。一般的に労働運動に冷たいメディア。メディアに潰された労働運動も数多くあった。味方につける課題もある。

■非正規公務員
労働三権を使えない。人事院勧告も十分でない。公務員バッシングで声を出せない。賃金と雇用の不安定が続く。闘わなくて改善できない。人員不足、低賃金で公共サービスもできない。公務職場の半数が非正規!

■日本の労働組合はスタート時に産業別が潰され、企業の枠内での労働組合に誘導された。国際連盟に入るために、労働組合は認めるが、ストは企業内のみ、横断的組合なストは禁止された。横断的労働組合が徹底的に潰された。

■北欧の労働運動は進んでいる。組合組織立も90%を超える。社会保障も充実する。

■非正規は、女性労働から始まった。夫の補助だからを理由にして、今や家賃も払えない低賃金で働かせる。1990年代の不況を足場に派遣が始まった。労働者の40%が非正規。そして女性の非正規40%がパートナーがいない。パートナーの補助があるから、女性は低賃金など言えなくなった。

■困って考える人はユニオンに行っている。労働運動が強くなり、企業内労働運動は、40%の非正規労働者を救済できない。今や新自由主義は末期で最終段階。市場原理を解決策に走る。強い者が勝つ。変わらないから、しょうがない思いが、うだうださせる。

■このようなときJAL闘争にどう繋げる。この間のJAL関係労組が受け入れた「業務委託」は全く解決案にならない。

■JALの闘い12年、当該組合員は長期に渡り闘ってきた。多くの労働者が支援を続けている。公共交通であるJALは、そこに闘う展望もある。皆さん頑張りましょう。


Created by staff01. Last modified on 2023-10-02 22:05:17 Copyright: Default

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