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放射能汚染水を海に流すな!東京行動に500人

堀切さとみ 

 放射能汚染水の海洋放出が、この夏にも強行されようとしている。大事故を起こしたこの国で、本当にこんなことがまかり通ってしまっていいのか。
 5月16日「汚染水を海に流すな!東京行動」が行われ、丸一日かけた行動となった。

 この日は10時30分から東電本社前の抗議行動、国会前での集会があり、14時からの政府に要請書を手渡す院内集会には、会場に入りきれないほどの人が集まったという。
 筆者は18時半からの日比谷野音の集会に駆けつけたが、福島や韓国から500人が集まっていた。

 小名浜漁協の柳内孝之さん(写真上)が、福島の漁師たちの、翻弄され続けた苦悩を切々と語った。「事故直後、原子炉から漏れた放射能汚染水が海に流れ出た。一時期、構内のタンクに保管したが、満杯になると『低濃度』と称し、海に投棄している。一方的に方針を決められ、漁業者には何の説明もなかった。各省庁に問い合わせたが、たらい回しされてきた。福島の漁業は終わりだと絶望したが、幸いにも少しずつ浄化が進み、試験操業を続けている。それでも事故前の二割の水揚げ量に過ぎない。その間にも原発構内から汚染水が漏れることが何度かあり、海産物は受け入れを拒否されてきた」 「関係者の理解なしに汚染水の処分はしないと言っている。漁業者は理解などしていない。国はきちんと向き合うべきだ」と結んだ。

 海洋放出反対の声を、日本のマスコミはほとんど伝えない。この日も、海外メディアの姿ばかりが目立った。そのような中で「放射能汚染水の放出に反対する北区の会」の人たちは、二年前に海洋放出が閣議決定された直後から、王子駅前で歌いながら訴えてきた。
「世論調査によると、海洋放出されることを半数の人が知らない。大マスコミの沈黙のせいではないか。私たちは小さなマスコミになる」

 

 そして、会津若松市の片岡輝美さん(写真上)は「内堀福島県知事、そして福島第一原発が立地する双葉町と大熊町の首長あてに、海洋放出反対の思いを届ける「ハガキ作戦」を展開している。すでに1300通のハガキが届けられ、その中には小学生からのハガキもある」と話した。

 ステージには、やむにやまれず韓国からやってきた、四名の若者たちの姿もあった。
 その中の一人(写真下)は、筆者のインタビューにこう語った。「汚染水問題、韓国での関心はものすごく高い。日本でも沢山の人が反対し心配していると思うが、そうした声が国会、政府に届いていないのではないかと思う。国、東電は、何とか思いとどまってほしい。海外での反対の声がいくら高まったとしても、日本に住んでいる人たちが反対しない限り、止められないと思う。だから最後まで頑張ってほしいし、韓国に住む私たちも出来る限り協力したい」

 この12年、どれほど放射能におびえる暮らしを強いられてきただろう。海洋放出を認めたら、今度は自分たちの手で放射能を拡散することになる。
 私たちの行動を、世界が注視しているのだ。


Created by staff01. Last modified on 2023-05-17 22:30:16 Copyright: Default

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