本文の先頭へ
LNJ Logo 「忖度・自粛」が蔓延する新聞メディアをどう変えていくか/「あるくラジオ」で東海林智さん語る
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 0415hokoku
Status: published
View


「忖度・自粛」が蔓延する新聞メディアをどう変えていくか〜「あるくラジオ」で東海林智さん語る


*東海林智さん(中央)・ささきゆみさん(左)・しまひでひろさん(右)

放送アーカイブ(60分)

 4月15日の「あるくラジオ」のゲストは毎日新聞記者・デスクの東海林智さん(58歳)。東海林さんは新聞記者の労働組合である「新聞労連」(86社・18000人)委員長も歴任してきた。1時間の番組では、新聞記者になったきっかけ、労働記者として見てきた日本の労働運動の話などに続いて、メディア界のリアルな現状を語った。1997年の新聞発行部数は5千万部だったが、現在は3千万部で2千万部も激減している。「貧すれば鈍する」状況のなかで、退社する人が多いという。

 東海林さんは毎日だけでなく、新聞業界の全体状況をこう語った。「マスゴミと言われるとがっかりする。現場の記者は頑張っている。しかし正直、現場はものすごく息苦しくなっている。忖度・自粛が蔓延しているからだ。政府からの直接の圧力はないのに、経営側や編集幹部は、面倒なことを避けたい、抗議行動をやられなくない、という思いから、突っ込んだ記事を敬遠するようになった。たとえばヘイトを批判する記事を出すと、裁判沙汰になったり右翼の抗議があるので避けたいということだ。それどころか、逆に差別や人権問題を一生懸命やる記者が“危険人物視”されるイヤな雰囲気になっている。これではいい新聞がつくれない」。

 しかしまともな記者たちは、政権からのプレッシャーや報道の危機に抗して声を上げている。「新聞労連のホームページをみるとわかるが、この1年間で放送法、秘密保護法、取材妨害などに関して16本の抗議声明を出してきた。新聞労連は綱領に“戦争のために二度とペンをとらない”を掲げているが、戦争に向かう流れに抗して頑張っている。こうした抗議声明を読んで、一緒に考えてほしい。また会社から危険視されている記者たちは、最近、全国交流会をもった。忖度・自粛の状況を変えていく動きにしたい。あきらめてはいない」。


*収録中

 この日もゲバラのバックを手にしてきた東海林さん。「ゲバラは私のアイコン。好きなんです」。ジャーナリズムとは何かを問われて、東海林さんは「メディアは権力者の楽隊になってはならない。暗闇の光があたらないところに光を当てること、闇を照らすことが私たちの仕事だ」ときっぱり語った。

 この日の休憩タイムの音楽は、東海林さんがお気に入りのジョリモームの「ワルシャワ労働歌」。うきうき元気になるパリの路上コンサートの歌声がスタジオに拡がった。(M)


Created by staff01. Last modified on 2023-04-17 17:54:06 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について