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廃案しか道はない!入管法改悪反対!〜東京・上野で400人がデモ

松本浩美

 一昨年(2021年)廃案になった改悪入管法が、今国会に再び提出されようとしている。内容は、当時とほぼ同じ。複数回難民申請すると強制送還の対象となる。拒否すると刑事罰が科される。これに反対しようと、2月23日東京を含めた全国9か所で抗議アクションが行われた。東京では約400人(主催者発表)が集まり、上野をデモ行進した。

 退去強制令の出た人たちは90%以上が自ら帰国する。残っているのは、難民認定されないままの人(注)、故国に戻ると生命に危険が及ぶ人、日本に家族や生活基盤のある人、日本生まれの子どもなど、帰りたくても帰れない事情を抱えている。

 現状でも、在留資格のない外国人に基本的人権は存在しないといっても過言ではない。就労不可、社会保障制度および公的サービスからも排除。これをさらに改悪すれば人権状態ゼロがマイナス100にもマイナス1000にもマイナス10000にも落ちていく。日本に助けを求めて逃げてきた人たちの人生を破壊し、家族を引き裂く。それが今回の改悪なのだ。

 入管法改悪反対! 仮方面者に在留資格を! 大勢の人でにぎわう上野・アメ横界隈に、コールが響く。沿道にいる外国籍と思しき人で、デモ隊の英語のプラカを見て手を振る姿も見られた。


入管収容所における死亡者一覧表をプラカに。これまで24人であったが、昨年11月イタリア人男性が自死して25人に


名古屋入管で死亡したウィシュマさんの妹ポールニマさん。「姉の死の責任を認めない入管に、法案を提出する資格はありません」


在日ビルマ市民労働組合会長のミンスイさんも参加

 デモ終了後のミニ集会では参加者がスピーチした。そのうちいくつかを紹介する。

●まゆみさん(夫は非正規滞在者。結婚して8年)
「私たちの間に子どもはなかなか授かりません。実子がいない場合は在留資格が得られないと、弁護士さんから言われました。難民認定に関するインタビューで、夫は審査員から子どもについてしつこく聞かれました。『結婚前の交際相手との間にはいないのか?』などと、ハラスメントじみた質問もされました。このようなセンシティブな内容を在留の判断材料にしているのかとショックを受けました。同じ境遇の夫婦はたくさんいます」

●品川入管被収容者からのメッセージ
「法務省は英語で、Ministry of Justiceと呼ばれます。でも、彼らは私たちの正義は考えません。なぜなら入管は私たち(被収容者)を囚人のように扱うからです。日本がこんなひどい法務省を許しているなんて、驚いています。だから、私たちは日本にいる皆さんに助けを求めています。どうか私たちに希望を与えてください。家族のもとに返してください」

 最後に主催者を代表して、加納茜さん(上智大学3年生)が、参加者に向かって力強く呼びかけた。

「この法案は一部修正してよくなるものではなく、廃案にするしか道はありません。必要なのは、国際基準に基づいた難民受け入れをして、帰国できない事情を抱えた非正規滞在者に在留資格を与えること。改悪法案を廃案に追い込み、帰国できない人に在留特別許可を与える政策に転換させるまで、共に闘いましょう!」

(注)2021年の日本の難民認定率は0.7%(ドイツ25.9%、アメリカ32.2%)


Created by staff01. Last modified on 2023-02-25 00:14:50 Copyright: Default

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