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QBハウスは残業代を支払え!〜「二重雇用解消・格差是正」を求めて美容師が提訴

動画(4分半)

 ヘアカット専門店の大手「QBハウス」が労働問題で揺れている。2月14日午後3時、8人の美容師たち(日本労働評議会QB分会所属)が未払い残業代2836万円の支払いを求めて、東京地裁に提訴した。午後4時から、厚労省記者クラブで会見(写真下)があったが、残業代未払いの背景には「二重雇用」問題があることが浮き彫りにされた。組合代表は「これは求人詐欺です」と述べたが、そこに問題の本質があった。

 QBハウスの求人をみて応募して採用された美容師たち。雇用主は「QBハウス(キュービーネット株式会社)」と思っていたら、何年かしてわかったことは、雇用主は業務委託「エリアマネージャー」の古川氏(個人事業主)とのことだった。仕事は会社の直接指揮命令を受けているのに、身分は古川氏の従業員の扱いだ。そのため社会保険・福利厚生などがなく、本社直轄社員とのあいだに大きな格差が生じている。2500人といわれる全社員のなかで、こうした不安定な「二重雇用」にされている人は数百人に上る。勤続10年以上の笠川隆さんは、この現状を変えるために2019年に組合を結成して、改善を求めてきた。しかし、らちが明かず今回の提訴に踏み切った。

 指宿昭一弁護士は「この複雑な雇用形態は、QBハウスが使用者責任から逃れるための仕組み。そこでうまれたのが残業代未払いだ。こうした不安定で使い捨ての雇用形態が、いまあらゆる業界に広がっているが、絶対に許してはならない」と裁判の意義を強調する。

 「QBハウス」は10分間1000円(4月から1350円)のカット専門店として、理美容業界にイノベーションを起こし、大きく売上げを伸ばしてきた。一人の美容師は一日何人の頭を刈るのだろうか? 会見で質問すると「平均30人のカットをする。月に800人くらいではないか。休む暇はまったくない」の答えが返ってきた。めいっぱい働いて会社の成長を支えてきた従業員に対して、「QBハウス」は二重雇用をやめ、安心して働ける環境をつくる責任があるのではないだろうか。(M)

レイバーネットTV169号(QBハウス安さの秘密)

*FRIDAY(フライデー)2023.3.17号にQBハウス事件の記事が出る。


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