根津公子の都教委傍聴記(11.10)いじめによる自死から学ばない「いじめ防止対策」って? | |||||||
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●根津公子の都教委傍聴記(2022.11.10) いじめによる自死から学ばない「いじめ防止対策」って?今日の公開議題は「第5期東京都教育委員会いじめ問題対策委員会への諮問について」のみ。このところ、文科省から都道府県教委に下ろされる案件が少ないようで、都教委定例会での議題も少ない。ところで、11月に迫った英語スピーキングテストを巡って、中止を求める請願や署名が各団体から相次いで出されている。教育委員及び事務方はそれを真摯に受けて、再検討をすべきではないのか。検討した結果、やはり実施すべきと考えるのなら、各教育委員はなぜそう考えるかを説明する同義的責任があると私は思う。 「第5期東京都教育委員会いじめ問題対策委員会への諮問について」2014年制定の都いじめ防止対策推進条例の規定により、都におけるいじめの防止等のための対策を実効的に行うために東京都教育委員会いじめ問題対策委員会を置くことになっている。どの都道府県にも設置されている。去る8月26日開催の都教委定例会で「第4期都教委いじめ問題対策委員会答申」が報告され、それを受けて今回、都教委は第5期東京都教育委員会いじめ問題対策委員会に対し、諮問するという。委員は学識経験者や区市町村教育長、警察関係者からなる。第5期では、都教委・各学校が「発達の段階に応じたいじめ防止等の具体的取組に係る検討」「教員が元気になるような研修等、学びの場の創出」「専門家の力を活用したいじめ防止対策の推進」等の取組をし、その進捗状況の検証、評価、方策について対策委員会に諮問する。8月の「答申」について、私は傍聴報告にこう書いた。「まったく意味のない、架空の『答申』としか私には思えない。現実に、この4期においても、4期が発足して数日後に町田市の6年生がいじめにより自死に至ったのだが、5回の審議の中でこの件に関して審議した形跡が、『答申』からはうかがわれない。…2年ごとに『答申』を出しても自死に至るまでのいじめがなくならないのはなぜかを、委嘱された委員の方々や都教委幹部は考えているだろうか。私には疑問だ。」と。 いじめによる自死が起きた際に、学校側は多くの場合、「気づかなかった」と言う。当該の児童生徒が担任にSOSを出していても「気づかなかった」。それがなぜなのか、対策委員会の委員たちは意見交換したのだろうか、はなはだ疑問だ。教員が忙しすぎて子どもたちとゆっくりと向き合う時間がない。向き合う時間がとれれば、教員はいじめにも気づくし、子どもはいじめで憂さ晴らしをしなくて済むだろう。また、担当するクラスにいじめがあることが管理職に知れれば自身の業績評価が下がり、給料が減額される、となれば、相談することができない。こうした現実を委員が認識しているとは、私は8月の「答申」からは思えなかった。だから、第5期のそれに対しても疑念は晴れない。 教育委員からは、「教員が元気になるような研修と言うが、研修でまた、多忙になる。子どもと接する時間が増えないと(解決に繋がらない)」「防止だけでなく、いじめられた子を護ることについても議論してほしい」「子どもへのアンケートをすることでいじめが発覚することが多い。いつするのが効果的かも検討してほしい」などの発言があった。 Created by staff01. Last modified on 2022-11-10 22:46:18 Copyright: Default |