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「私たちは企業の安全弁ではない」〜阪急阪神ホテルズが「非正規219人」を雇い止め

 大阪に本拠をもつ「阪急阪神ホテルズ」は、従業員2000人、ホテル数47を誇る業界大手である。そこで、今年3月、219人のパートなど非正規社員の「雇い止め解雇」が強行された。同ホテルも、コロナ禍のなかで昨年から休業を余儀なくされてきたが、雇用調整助成金などを活用して、社員・非正規に対して「休業補償」をしてきた。それを今回、非正規に対してだけ一方的に切ってきたのだ。「株主・経営者は安泰なのに労働者にしわ寄せするのは許せない。私は60代で再就職もできない。国から補助金は出るのだから雇用を維持してほしい」。今回切られたAさんは、5月13日のオンライン記者会見で訴えた。会見にはNHK・朝日・毎日・共同・赤旗など11人が集まり関心の高さが窺われた。(*写真=都内の「阪急阪神ホテルズ」グループのホテル)

 首都圏のグループホテルで働いているAさんは「ナイトマネジャー」といわれる職種で、夕方の5時から翌朝9時まで「フロント補助」や「防犯巡回」などを行っている。身分は「パートタイマー」で時給1220円。親の介護を抱えているので、労働日は少ないが、生活を支える大事な仕事だった。

 会社のやり方は狡猾だった。Aさんは「3か月更新」で2年間働いてきたが、昨年12月末の更新時に「2021年1月1日から3月31日までとし、以降は更新しない」という文言が入った契約書に、サインを求められた。「署名する以外に選択肢はなかった」とAさんは悔しがる。これまであたりまえに更新を繰り返してきたのに、突然、紙切れ一枚で、しかも署名を無理矢理とられた形で、今年3月末で退職に追いこまれたのだ。


*オンラインで会見するAさん

 納得いかないAさんは、首都圏青年ユニオンに駆け込み、組合に加わり、「雇い止め撤回」を求めて会社に団体交渉を申しいれた。これに対して会社は「回答書」のなかで業績悪化を強調し、「雇用契約を終了しただけで問題ない」といっさい責任を認めていない。

 首都圏青年ユニオン事務局次長の栗原耕平さんは、「体力のある大企業の会社が、あからさまに非正規を大量に雇い止めにする。こんなことが許されていいのか。他の会社がまねをする。コロナ禍だからこそ、企業は雇用維持と労働者の生活防衛に取り組むべきだ。世論をつくっていきたい」と訴えた。Aさんが最後に述べた「私たちは企業の安全弁ではない」という言葉が印象的だった。(M)


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