「救援川柳句集を語る集い」報告 : 川柳が解き放つ魂の自由 | |||||||
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●救援川柳句集を語る集い(2021年3月21日) 川柳が解き放つ魂の自由報告:笠原眞弓
救援川柳句集が世に出て5カ月。3月21日(日)嵐のような雨の中、水道橋のたんぽぽ舎で行われた。ゲストは川柳界の重鎮の高鶴礼子さん(ノエマ・ノエシス主宰)、楜沢健さん(文芸評論家)のほか、短歌のブログページ「千恵子@詠む」で毎日1首をアップする大山千恵子さん(救援センター理事)、この本の編集チームの白眞弓(レイバーネット川柳班)と、乱鬼龍の絶妙な呼吸で進行した。 『救援川柳句集』とは、受刑者を主に毎月川柳を投句してもらい、「救援連絡センター」という受刑者の相談など受けている民間の組織が発行する「救援」という新聞に2009年から2020年8月までの10年8カ月の全掲載句およそ400句を収録した本である。 ゲスト4人は、それぞれ手に取った時の驚きを語った。罪を犯したとして人権の制限されている人が、川柳という形で発信手段を持っていることの重要さ、そのような場を作っていることの大切さ(高鶴)、獄中で川柳を作るのは、鶴彬以外聞いたことがない。ほぼ短歌や俳句になる。軍人などは死に対してカッコつけているからそのような残念なことになる。あの大道寺将司氏(三菱重工ビル爆破)も獄中からの投句は俳句(朝日俳壇)だった(楜沢)と、思わぬ話が飛び出した。楜沢さんの選んだ中に「武器」という言葉が使われた句があり、こういう単語は、俳句・短歌には出てこない、川柳だから書けるものという。 ゲストのそれぞれ5句の発表は、「選ぶ」ことの難しさ、個人の感性の多様性などが現れて、面白かった。選句にあたっては、何の条件もなく各自の自由意思で選ぶのがルールともいわれ、何に重きを置くかなど、その人の感性が現れるところで、乱鬼龍さんも含め、5人の選句は各自それぞれにユニークで非常に興味深かった。 2部では、鎌田慧さんはじめ、読者からの5句選の発表があり、その後会場にいらしている全員の方に一言いただいいた。 高鶴さんは川柳界にいる人間として、こういう形で川柳を手に乗せてくれることがうれしい。一つの表現手段である川柳と自分はどうかかわっていくのか、川柳には深いものと浅いものがあるが、どちらを選んでもいい。だが、自分自身がどちらをやりたいかはっきりさせることが肝心と。楜沢さんは、アベやスガたちが読み間違えるがその「必然性」の解説があり、ほとんど川柳を知らなかった大山さんの川柳に対する感想も面白く、最後は収監されている人たちの処遇についてまで広がっていった。投句者の中には、閉じ込められた獄中において、川柳の作句だけが生きがいだという人もいたと本を各人に届けた後の礼状にしたためられていたいうことだった。 会が終わっても外はまだ強い雨だったが、春の雨は何か暖かく感じられた。 ゲストの選んだ5句 ◆高鶴礼子 悟りには遠く汚れた手を洗う 白壁の理不尽大魔王 ヒトの手が原子に触れてからの罪 白壁の理不尽大魔王 従属を同盟という平和論 白壁の理不尽大魔王 壊れてる奴が壊すと叫んでる 獄遊 ◆楜沢 健 川柳という武器に血が通う 羽黒山 九割が天皇階下と書損じ 土井原 正一 祝いより呪いが似合う代替わり 反権居士 自分史の余白に埋まる不発弾 白壁の理不尽大魔王 魂に自由があるかシャバの人 星の砂時計 ◆大山千恵子 三畳の独居で笑っている孤独 白壁の理不尽大魔王 自殺者の背中優しく押す政治 羽黒山 日の丸を翳せば透ける鉤十字 星の砂時計 名は政府やってることがアウトでも 古井戸スコープ(カレードスコープ) 祝いより呪いが似合う代替わり 反権居士 ◆白眞弓 日の丸を翳せば透ける鉤十字 星の砂時計 獄中でたったひとりのデモ行進 ワタリ コンビニの角を曲がって軍靴の音 港睦 忖度の終着駅は無人駅 白壁の理不尽大魔王 天皇が決して歌わぬ歌がある 獄遊 ◆乱鬼龍 ぬれぎぬを着せて殺して正義面 カズン しくたびも迷い人生交差点 兼岩幸男 ヒトの手が原子に触れてからの罪 白壁の理不尽大魔王 福島の魚に消息尋ねたい 博多一粒 桜には帝国主義のにおいする 金恵 *読者からの5句選はアーカイブ動画でご覧ください。 ●アーカイブ1 ●アーカイブ2 Created by staff01. Last modified on 2021-03-24 10:30:06 Copyright: Default |