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司法の闇から希望をつなげて〜「第3回狭山事件の再審を実現しよう 市民のつどい」に600人

 2月17日、阿倍野区民センター大ホールで、「第3回狭山事件の再審を実現しよう 市民のつどいin関西−闇から希望をつなげて 狭山事件&袴田事件トーク&ライブ」が600名を超える広範な市民の参加で開かれた。集会テーマにある「闇」とは昨年6月の袴田再審取り消し決定を指す。証拠捏造を隠蔽し、死刑冤罪の事実を否定するために、袴田さんの命と真実を闇に葬ろうとする司法の闇に対して、「袴田再審なくして狭山再審なし」として、関西一円の狭山事件の再審を求める市民の会らがよびかけ、労働組合などの団体が協賛したものだ。

 部落解放同盟大阪府連合会の地元挨拶の後、記念講演を行った本田哲郎神父(釜ヶ崎ふるさとの家)は「市民運動までが多数でなければ自己主張できないと考えることに疑問がある」として、ポピュリズムを厳しく批判し、「真理は人を解放する」との聖書の言葉を引用し、石川さん、袴田さんの無実という真実に依拠して闘うことをよびかけた。

 参加者が待ち望んでいた袴田巌さんの登壇は叶わなかった。姉・秀子さんは「巌は今も拘置所での習慣を維持し、自分が作り上げた世界の中で生きている」「しかし、巌が今、拘置所の外で生きているだけでいいと思って好きにさせているんです」と巌さんの近況を愛しさをこめて報告。浜松袴田巌さんを救う会共同代表の寺澤暢宏さんは釈放後間もなく石川さんと会った巌さんが「石川さんのお父さんかい?」と言ったというエピソードを紹介。赤堀政夫さんが島田事件で再審無罪をかちとってから30年になる今年、死刑撤廃と冤罪をなくすことを求める「島田アピール」を発出することを明らかにし、賛同をよびかけた。

 石川一雄さんは部落差別による見込み捜査で何人もの部落青年が逮捕される中「一番無知だった自分が犯人とされた」と無念をにじませた。そして、石川さん宅から発見され、有罪の決め手となった被害者の万年筆が実は偽物だったことを明らかにした下山進博士による鑑定について、東京高裁による鑑定人尋問を実現することを強く呼びかけた。妻・早智子さんは何度も涙で声をつまらせながら、学校にも行けなかった石川さんの生い立ちを犯行に結びつけた一審死刑判決の差別、結婚差別、就職差別を受けながら、部落出身であることを隠し続けてきた自分が、獄中からの石川さんのメッセージにより解放されたことを語り、「狭山は人を解放する運動」だと訴えた。

 第2部は小室等さん、カオリンズさん、アカリトバリさんらによるライブ。小室さんはステージ途中で客席に降りてきて「死んだ男の残したものは」などをしみじみと歌い上げた。最後は3組に加え、石川早智子さん、袴田秀子さんもステージに上がり、映画「獄友」のテーマ曲である「真実・事実・現実あることないこと」を大合唱。実行委員会を代表して狭山事件の再審を求める釜ヶ崎住民の会の山中秀俊さんがまとめの挨拶。写真撮影では、参加者全員で袴田秀子さんのことば「そうはいくかよ!」を掲げ、集会は大きな高揚の内に幕を閉じた。(関西合同労組・I)


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