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「安倍の罪それを討てない罪もある」/レイバーネットTVでアベ特集
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「安倍の罪それを討てない罪もある」〜レイバーネットTVでアベ特集

アーカイブ録画(72分/改定版)

 自民党の総裁選の前日9月19日、レイバーネットTVは特集「三選NO! もうたくさんだアベ政治」を組んだ。キャスターは尾澤邦子さん。尾澤さんによれば、「アベってる」という言葉、いま流行っているそうだ。人の言うことを聞かない。聞かれたことと全く違うことを言うという意味だとか。さて、当日のスタジオは、久しぶりに安倍人形も登場し、集会、デモで掲げられたプラカードの写真が並べられた。

 動画ニュースは、郵政「65歳解雇裁判」最高裁の不当判決、名護市議選、レイバー映画祭の『地の塩』人気など。最後に築地市場の豊洲移転問題のニュースが流れた。コーナーの司会は初めて堀切さとみさんが担当した。

 それを受けて今日のサブテーマ「築地市場移転問題」だった。ジョニーHさんが最新状況をレポートした。

 豊洲新市場の開場は、10月11日に迫っているにもかかわらず、問題山積とか。まず、「緑のたぬき」こと小池知事の出現に期待をかけたのが間違えのもとだということで、駐車場は使えない、地盤沈下で壁にはひび割れ、天井は落ちると建物自体の安全性ばかりか、食を引き受ける市場なのにシアン、ベンゼン、水銀の除染は進んでいない。他にも平時のアクセスの悪さは、災害時には目も当てられないと予想されている。東京中央卸売市場労組の中澤誠さんは、ニュースの中でも「めちゃめちゃな計画なので、東京都が勝手に自爆するだろう」ということだったが、先行きはどうなるのか関心をそそられた。

 特集は、まず安田幸弘さんがスライドを使って「安倍政権 日本はどこに行くのか」を示す。行先は決まっていて「この先、行き止まり」のコラージュ写真からはじまった。安倍の問題点の改憲、防衛、教育基本法などをピックアップしていく。「外交の安倍」もまるでウソ。あったことをなかったことにしたい歴史認識、マスコミ操作、ジェンダーギャップと続いた。コラージュ写真を見て笑っている場合ではないが、モリカケ、労働・経済問題まで一通りの「アベ問題」がクローズアップされた。

【ここまでひどいアベ政治】

 次はゲストの3人のが、現場を通してのアベ問題を語った。トップは、「高校無償化」から朝鮮学校排除に反対する連絡会の森本孝子さんが第2次安倍内閣が真っ先にやった朝鮮学校の高校無償化排除について話す。日本は教育にお金をかけない世界最低レベルの国。そんな背景の中で高校無償化が検討されたのに、最後に朝鮮学校だけ排除された。北朝鮮への修学旅行のお土産を空港で没収した事件は、北朝鮮との輸出入禁止という“制裁”の一環として行ったとか。しかも任意放棄の書類まで書かされた。全国からの7000筆を越える署名を持って交渉してやっと土産物の返還の緒についたそうだ。その矢先、また羽田でも同様な事件が起きている。このように国家が率先して差別をしているため、個人やグループでヘイトがのさばると憤懣やるかたない。

 今年7月の労働者の権利が奪われた労働法の改悪。高度プロフェッショナル制度については、寺尾そのみさん(労働組合ネットワークユニオン書記長)が解説。能力が高いからこそ陥る“死ぬまで働く”人を守れないことを指摘。パワハラについても、森友問題での財務省の役人が自殺したのに対して安倍夫妻の対応が更なる企業の“やったもの勝ち”を助長したという。しかも過酷な働き方など、自ら計画したようにされているとか。

 2015年に成立した女性活躍推進法ではどうか。渡辺照子さん(派遣労働者)は、従業員が301人以上の正社員に適用されているが、問題なのは非正規がその対象に入っていないこと。しかも働く女性の半数以上が非正規なので、この法律はほとんどの女性にメリットがないと思うと。派遣法が改悪された年でもある。自民党はこういうアメとムチ的なことが得意で、男女雇用均等法と派遣法が1985年に制定された分断元年から30年が、2015年だという。女性、非正規、高齢者は年金も低く、死ぬまで働かなければならないのが現実だ。

 会場からは、たんぽぽ舎の鈴木さんが発言。安倍晋三は、選挙公約と真逆の原発再稼働を進めている。地震の多い日本において、原発稼働は日本を滅ぼすと話す。

【なんとかしようよこの空気】

 森本さんは「戦後レジームからの脱却」がアベ政治の本質であると、グサリと突いてきた。つまり日本会議の戦前回帰路線。敵を作って憎ませる構造を作っている。朝鮮学校の無償化では、国際社会との連携がないと難しいという。5カ所でやっている無償化を求める裁判は、現在1勝3敗。でも少しずつ支援者も増えていると。

 寺尾さんは、アベサイドは極悪すぎだが、こちらサイドの取り組みにも問題があるのではと提起する。政権側は、お金をかけてマーケッティングとリサーチしていて、活動主体も2世代くらい若返っている。それに対しこちら側は、学生運動と同じやり方でアジテーションしているし、当時の活動家がそのまま今も第一線でアジっていたりする。集会のやり方も以前と同じ。長々演説しても、絶対自民党に投票しない人にしか届いていない。ワンフレーズでもいいから、修学旅行生や観光客にも届くような工夫が必要。

 渡辺さんは「アベノミクスのトリクルダウン」は、どこに行ったのか? ウソだったのか? 相変わらず企業の内部留保は過去最高を6年連続更新しているのに、労働者の賃金は30年前より実質下がっている。それをきっちり認識して、絶望してこうしてはいられないというところを共有していくことが必要という。また、若者に活躍の場や発言の場も増やしていかなければならない。「俺らの若いころは、こんなもんではなかった……はご法度だ」と。そして自己責任を内面化しないことも大事。悪いのは政府だ、社会だ、そのために変えていくんだということが大事ということだった。寺尾さんの替え歌、精霊流しの曲で「自民党総裁選」もあった。

 最後に森本さんは明日の総裁選挙に対して、石破がこんなにいい人に見えるのは情けない。アベは、3選されても自爆してほしい。安倍・石破の討論のときも滅茶苦茶だったので、これをSNSで拡散して若い人にも訴えていきたい。渡辺さんは、アベを効能のまったくない副作用ばかりの薬に例えた。副作用受けた私たちは、訴えていかなければならない。みんなで訴えていきましょうと結んだ。

 なお次回の10月3日(水)放送は、特別番組として「オウム真理教事件とは何だったのか?」をお送りする。ゲストは森達也・岩本太郎の各氏の予定だ。〔笠原眞弓〕

*番組合間で乱鬼龍さんが紹介した川柳2句
戦争に巻き込まれ知る安保法    笑い茸
安倍の罪それを討てない罪もある  乱鬼龍

写真撮影=小林未来


Created by staff01. Last modified on 2018-09-22 11:44:06 Copyright: Default

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