「フレコンの前で子育てそれは無理」/問題の核心に迫ったレイバーネットTV | |||||||
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「フレコンの前で子育てそれは無理」〜問題の核心に迫ったレイバーネットTV4月18日のレイバーネットTVは「スペースたんぽぽ」で公開放送として行われ、30人以上の参加で熱気に包まれた。特集「3.11から七年〜フクシマの不条理」はとても中身の濃い内容だった。会場は満席で終始ゲストのお話に聞き入っていた。背景に飾られた経産省前テント広場にあったテント美術館所蔵の布絵も特集のお話しにぴったりだった。キャスターは堀切さとみさんと乱鬼龍さん。テーマの設定とゲストもよかった。ゲストは福島県郡山市から大阪市に避難している森松明希子さん、前福島県双葉町の町長井戸川克隆さん、たんぽぽ舎の山崎久隆さん。核心をついたそれぞれのお話に、深く考えさせられた。 最初に山崎さんから福島の汚染の現状についてデータを示しながらの説明があった。2020年までに避難指示解除と言われているが、放射能は残ったままの所がたくさんある。常磐線は汚染の高い地域を走り続けることになるなどの話があった。また個人差はあるが体内に残る放射性セシウムは、ガンだけでなくさまざまな健康疾患を引き起こすことも話された。
森松さんは今年3月、ジュネーブの国連人権委員会でスピーチを行ってきた。「7年間、原発事故の被害、人権侵害の現状が続いていることを訴えてきた」とのこと。キャスターの堀切さんから「最も不条理だと思っていること」について聞かれ、井戸川さんは「事故前から行政に携わり、現場を見てきた者として感じるのは経産省などがかたまってウソをついていること。事故を隠し本当のことを言わない」と話した。 森松さんは「放射線被ばくから免れることは基本的人権の問題だ。こどもをだれが守ってくれるのか。親としての責任なのに、バッシングされる。福島原発事故は、目に見えない放射能がばらまかれた核被害だという共通認識がないことが一番の不条理だ。強制避難区域から避難させられた人とそれ以外は線引きされる。区域外避難者は避難者としてカウントもされない。声を上げないと存在自体もなかったことにされる。放射能から命を守る権利がある。避難民を保護する施策、立法が確立していないが、今からでもやってほしい」と訴えた。 最後に井戸川さんは「勝手に避難エリアを決めている人たちが、実態をねじまげている。こどもたちを守るのは私たちの役目」と訴えた。また山崎さんは「電気を起こす手段ひとつでこれだけの大災害を起こしながら、まだ原発を動かそうという感覚。また行政権力で汚染地域に人々を戻そうとすること、これは国家犯罪だ」と話した。
会場には福島県いわき市から避難している方もいて、放射線量が高く自宅に戻れないことや海外から心配の声が集まっていることなどの発言があった。途中のジョニーHさんの替え歌もとてもよかった。会場にはたくさんの川柳が紹介されていた。「避難者あるある五七五」で300本くらいの川柳が集まったとのこと。「フレコンの前で子育てそれは無理」という森松さんの作は、乱鬼龍さんからも絶賛されていた。
TV最初のプログラム、木下昌明の映画コーナーは「マルクスとエンゲルス」だった。木下さんが最後に「マルクスの再評価だけでなく、新しいマルクスが生まれないとだめだ」と話していたのが印象的だった。動画ニュースもよくまとまっていてよかった。(尾澤邦子) *写真撮影 小林未来 →次回放送は5月16日(水)「労働特集」でお送りします。場所は「スペースたんぽぽ」です。 Created by staff01. Last modified on 2018-04-21 09:01:46 Copyright: Default |