社会批評社の小西誠です。
下記の記事、少し長いものすが、どうぞご覧下さい。
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今、このクニには、新たなタブーが生じつつある。「自衛隊批判のタブー」が
ー。
*与那国島・石垣島・宮古島・奄美大島・馬毛島―九州への、自衛隊新配備・
新着工に全国から抗議の声を上げよう!(2017年3月の投稿を修正して再
掲。写真は駐屯地工事が始まった奄美)
*かつて、この国には「天皇批判のタブー」があった! だが今、天皇批判以
上に凄まじいのは、「自衛隊批判」のタブーなのだ!
*率直に言って、この自衛隊批判のタブー化は、マスメディアだけではない。
これは、野党や左翼党派から、反戦・平和勢力、市民団体、そして知識人など
にまで及んでいる。それも、かつての天皇制タブーのように「暴力への恐怖」
からではない。まさしく「自粛」そのものだ(あるいは、自衛隊の「現実的容
認」が、その「全ての容認」へと行き着いているとも言える)。
●「島を標的にしないで」という島人たちの声
与那国島・宮古島・石垣島・奄美大
島の人々が、その急ピッチで襲いかかる自
衛隊新基地造りの態勢に対して、声を大にして反対し、訴え始めてから3年以
上もたつ。だが、この現地から「島を戦場にしないで!」「島々を戦争の標的
にするな」という声は、未だにこのクニの一部の人々のところにしか届いてい
ない! この理由は、言うまでもない。自衛隊批判のタブー化だ(「中国脅威
論」も含む)。
2016年3月、与那国駐屯地が開設され、また、今年からは奄美大島での自衛
隊の新基地建設が着工、大々的工事が現地で始まった。また、宮古島では10
月、市議選以後にも駐屯地着工が発表され、石垣島でも前倒しでの自衛隊配備
が決定した。そして、沖縄本島でも、ここ1年で1千人以上の新たな自衛隊増
強が始まった(7/1空自・南西航空方面隊が新編成)。
さらに、この南西重視戦略下(南西シフト)で、佐世保に水陸機動団(日本型
海兵隊・3個連隊規模の旅団)の今年度の発足が決定、水陸両用車(AAV7)52
両の増強態勢がきまり、この部隊のために佐世保空港には、オスプレイ17機
配備が決定されている(地元住民の激しい反対運動あり)。
●島嶼防衛戦=「東シナ海戦争」のための自衛隊の進駐態勢
この自衛隊の南西諸島への新配備の
目的は、琉球列島弧=第1列島線の島々へ
ミサイル基地(と歩兵部隊)を張り巡らし、海と空、水中から中国軍を東シナ
海に封じ込める態勢だ。いわゆる通峡阻止・海峡封鎖作戦であり、アメリカの
イラク戦後のオフショア・コントロール戦略に基づいている(自衛隊では「拒
否的抑止戦略」、米軍では、「ジャム・ジーシー戦略」といい、実際には琉球列
島線に「万里の長城」を築くとする)。
この日米軍が企図する「海峡封鎖作戦=島嶼防衛戦」とは、先島諸島などを戦
場とする、海洋限定戦争=東シナ海戦争として想定されている。しかも、日米
ガイドラインによれば、日米共同作戦態勢下では、米軍も作戦を支援するが、
「自衛隊を主力」とする作戦・戦闘だ(だから、自衛隊への正面からの批判と
なる)。
この日米両軍の作戦を、「非現実的」「荒唐無稽」として批判するのはたやすい。
日中、米中経済の相互依存を考えれば「戦争などない」とするのが常識的だ。
だが、だからこそ日米の制服組は、「島嶼防衛戦」「先島戦争」「海洋限定戦争」
として、この戦争態勢を企図しているのだ(中国脅威論にもとづく、対中抑止
戦略=新冷戦態勢)。
自衛隊の先島諸島等への配備完了は「国境線への軍事力投入」として中国の激
しい反応を引き起こすだろうし、引き起こし始めている。これは「尖閣」以上
の一触触発的事態を招く。というのは、日中間には緊急時、偶発的衝突を防ぐ
「海空連絡メカニズム」(ホットライン)さえ発足していない(米中は2014年
に締結)
おそらく、この先島戦争の第1回戦は、相互に数十人の戦死者で終わる。しか
し、戦争がこれでは終わることはない。第2回戦・第3回戦と続き、最終的に
は米軍が本格的に参戦する「通常型太平洋戦争」にまで発展する。ーー今や事
態は、今こういう段階に至っている(これが、戦争法制定の真の目的である。
あえて言うと、米日による「朝鮮半島危機の演出」は、軍拡政策への、国民動
員のための煽動にすぎない)。
●与那国島・石垣島・宮古島・奄美大島のたたかいを、今こそ支援しよう!
この10月、宮古島では、自衛隊新配備の是非を問う市議選が
行われる。石垣
島では市長の駐屯地候補地(平得大俣地区)の容認発言に対し、島ぐるみの反
対署名運動が開始され、奄美大島では、11月、自衛隊駐屯地の着工による凄
まじい工事と環境破壊に対し、反撃の狼煙を掲げる集会を開催する。
*今こそ、自衛隊タブーをはね返し、メディアの報道統制を打ち破り、与那国
島・石垣島・宮古島・奄美大島・馬毛島―佐世保への、自衛隊新基地・新配備
反対の声を上げよう。先島ー沖縄ー奄美ー佐世保を支援する、大きな声を広げ
よう!
(この自衛隊の南西シフト下での新配備・増強を許すならば、東アジアの軍拡
競争が本格的に始まり、ここでの戦争は不可避)
*以上の自衛隊の自衛隊配備などの詳細については、拙著『オキナワ島嶼戦争
―自衛隊の海峡封鎖作戦』参照。リンクに、プロローグ・目次の「立ち読み」
あり。
http://www.maroon.dti.ne.jp/shakai/okinawasenso-tachiyomi.pdf
*先島諸島・奄美大島の闘いについては、住民達自身が執筆したドキュメント
『標的の島−自衛隊配備を拒む先島・奄美の島人』を参照、2/24発売。こ
の目次・プロローグの「立ち読み」あり。
http://www.maroon.dti.ne.jp/shakai/22-0-tachiyomi.pdf
*先島諸島などへの自衛隊配備の実態を写真110枚などで紹介するリンク
http://www.maroon.dti.ne.jp/shakai/.
..
*ミサイル基地のない平和な島を!石嶺かおり応援団
https://www.facebook.com/groups/109993803001668/?pnref=story
*琉球弧 (南西諸島) ピースネットは、Facebookで、与那国島・石垣島・宮
古島・奄美大島の市民運動・自衛隊配備の情報提供。https://www.facebook.com/groups/
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●『フィリピン戦跡ガイド』(小西誠著)本体1800円
●『オキナワ島嶼戦争―自衛隊の海峡封鎖作戦』(小西誠著)本体1800円
●『標的の島−自衛隊配備を拒む先島・奄美の島人』(同編集委員会)本体1700円
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Last modified on 2017-09-10 17:52:36
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