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市民の熱気を感じた「朴槿恵退陣要求行動」〜歌や踊りパロディ動画も

    白石 孝

 韓国のいまの運動に関して詳しいわけではないので、雑感的レポートです。パク・ウォンスンソウル市長が進める人権を基調とした自治体改革、これを日本の自治体でも実現できないか、私はそのためのレポートを書いている最中。労働政策も画期的で「人が優先され、労働の常識が守られるソウル」を実現すべく「労働革新対策」を2016年9月に発表し、今月には週40時間労働の徹底、ワークシェアから雇用120万人創出を打ち出す。その労働政策立案のキーパーソン、韓国労働社会研究所の金鐘珍(キム・ジョンジン)研究委員を2月に招き、京都と東京で研究会を開催するが、その打ち合わせが今回訪韓の目的だった。
 折よく日程が土曜日をはさんでいたので、定例の朴槿恵退陣等を求める市民行動にも参加出来た。1月21日、雪が降り続き氷点下のなか、光化門前に特設ステージを作っての集会とロウソクデモだった。

 同時刻、徳寿宮・市庁前広場では保守系の朴槿恵擁護集会も(写真上)。こちらは2万人くらいと思うが、集会の中に入り込んでみたらほぼ9割が50歳台以上の高齢者、大韓民国国旗(太極旗)を手に持ち、中には星条旗を併せ持つ人も。確認したわけではないが、「動員されている」人が大半とのことで、確かに雰囲気はそうだ。

 一方の市民集会はざっと5万人くらいか。午後5時からの集会だけど2時くらいから三々五々集まり始め、歌や踊り、ポスター展示、出店などに人が集まる。5時過ぎには各所の地下鉄出口から人の波が途切れない。若者が中心で子どもを連れた家族参加も目立つ。雪が降り積もっているのに座り込んで参加している人が多く、一人ひとりが自主的に参加している様がうかがえる。

 私たちはデモには出ないで、早めに夕食に向かったが、馴染みのマッコリの店には、続々と集会帰りのグループや家族連れが来て、いつもはすいている店が満席に。この店は元々韓米自由貿易協定反対などのポスターも貼られていたが、やはり民主派のお客さんが多く集まるのが分かった。


*セウォル号の追悼と真相を求めるテントや泊まり込みで朴槿恵退陣を求めている人も。展示やパフォーマンスが多様だ

 集会の設営がまた感動的。各所に大型スクリーンが設置され、スピーカーの音も割れずに数キロ先まで鮮明に聞こえる、何とクレーン車で空高くスピーカーを設置しているからだ。ステージでの演説も3分未満、だらだらとしゃべる人はいない。歌や踊りも入り、パロディ動画などが次々と出てくる。日本の集会とはまるで違う。朴槿恵の弾劾が決まり、憲法裁判所での審査を見守る段階ということもあり、この日の参加者はピークの1割以下と思うが、それでも市民の熱気を感じる集会だった。


Created by staff01. Last modified on 2017-01-23 13:20:27 Copyright: Default

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