石川源嗣のコラム :原爆投下の何が問題か | |||||||
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東部労組の石川です。 東部労組機関紙2016年7月号コラム<二言三言>に下記の文章を掲載しました。 原爆投下の何が問題か 先日ある先輩組合員と懇談する機会があり、話は多岐にわたったが、印象に残ったのは 戦争と平和、そしてそれに対する労働者の立場、観点の問題であった。 広島、長崎への原爆投下や東京などの空襲について、非戦闘員に対する米軍の無差別爆 撃は非難されるべきであるとの主張に対して、その先輩組合員は別の見方を提示された。 当時、原爆投下の一報を受けた中国の人びとが、戦っていた相手である日本軍国主義に 打撃を与え、敗北に導くあらゆることに共感するのは当然ではないか。実際、原爆投下の あと、「よくやった」との気持ちでの祝賀デモまであったという。 たしかに親や兄弟姉妹、そして子供や孫を殺された中国人の当事者、さらに日本軍国主 義打倒を一日でも早くと願う人びとにとって、原爆投下がそのように受け取られることは 理解できることである。 だが同時に、日本軍国主義の残酷な中国侵略とそれに対する反撃という苦闘の末に獲得 した、中国指導部の「日本軍国主義と日本の労働者人民は分けて考える」という総括と階 級観点から学ぶことは必要であると思う。 まとめると次のようになるのではないか。 ひとつは、日本軍国主義の中国、アジア侵略、そして朝鮮、台湾の植民地支配は非難す べきである。それらの現在の象徴としてある「南京大虐殺」と「従軍慰安婦問題」はあい まいさを許さず、責任を明らかにすべきである。 もうひとつは、アメリカによる日本の非戦闘員への無差別爆撃は非難されるべきであり、 オバマ大統領は「空から死が降ってきた」ではなく、きちんと謝罪すべきである。 最後に一番重要なことは、日本の労働者・労働組合という闘争主体として、日本軍国主 義との階級闘争に敗北し、中国、アジア侵略を阻止できなかった総括と原因を追究し、今 後の闘いに生かすことにあると思う。(石) Created by staff01. Last modified on 2016-07-04 11:18:55 Copyright: Default |