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大阪で「アリさんマークの引越社」の真実〜「こんな企業は許せない」80人が参加

 7月31日(日)大阪のロフトプラスワンウエストにて、「漆黒のブラック企業“アリさんマークの引越社”の真実」が開催された。はじめに、制作中である土屋トカチ監督の映画『アリ地獄天国(仮)』のパイロット版の上映が行われた。長時間労働、残業代不支給、弁償金制度、作業服・制服の不支給ならびに購入の強制、差別的人事採用、労働組合に入り活動をしたことを理由に懲戒解雇、懲罰的な労働をさせるなど、ブラック企業の典型的な手法の実態が次から次へと映し出されていた。会社からの嫌がらせに負けず、現役社員として1人会社と闘っている主人公の西村有さん(仮名)の姿は飄々としているものの、彼の闘う強い覚悟がスクリーンから静かに伝わってくる。それを支えているのがプレカリアートユニオンの仲間たちであり、怯むことのない彼らの運動だ。


 *報告する西村さん(仮名)

 上映後のトークでは、西村さん、西村さんが所属する労働組合・プレカリアートユニオンの清水直子執行委員長、そしてアリさんマークの引越社集団訴訟関西事件の代理人である渡辺輝人弁護士が、アリさんマークの引越社のブラックな実態について話をした。

 第2部のトークでは、関西学院大学社会学部教授の阿部潔さん、ユニオンぼちぼちのイダヒロユキさん、大阪教育合同労働組合の大椿裕子執行委員長が話をした。イダさんは、かつて引越会社の争議を担当した時の経験について、阿部さんは学生たちのアルバイト/就活の実態について話した。大椿執行委員長は、「ブラックなのは企業だけではない。私達が住んでいる大阪はブラック自治体だ。2008年に橋下徹が大阪市長になって以降、教育合同は約5年に渡り団交拒否をされ続けてきた。裁判・労働委員会で闘い、最高裁で勝利し解決を見たが、このように自治体がブラック化すれば、それは確実に企業等にも波及し、アリさんのような会社を生み出していく」と話した。

 当日の入場者は80名。会場からは、「ウチの会社はブラック企業なのか? アドバイスが欲しい」という具体的な質問がいくつか出て、活発な意見交換が行われた。また、在日韓国朝鮮人や被差別部落出身者に対し、差別的な採用を行っているアリさんマークの引越社の実態を知り、「こんな企業を許すことは絶対に出来ない」とカンパをしてくれた若者もいた。

 現在プレカリアートユニオンは、「アリさんマークの引越社ボイコットキャンペーン」や「アリさんマークの引越社集団訴訟」に取り組んでいる。この運動は、アリさんマークの引越社だけでの問題でなく、その他の引越業者、さらに様々な企業にも波及していく重要な闘いになることは間違いない。西村さんとプレカリアートユニオンを応援しよう!

 そして、今までブラック企業に関する本はたくさん出版されてきたが、それが映像化されたものはなかった。実写版とも言える映画『アリ地獄天国(仮)』の完成も同時に応援していこう! (報告・Camellia)


Created by staff01. Last modified on 2016-08-01 16:23:01 Copyright: Default

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