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圧倒的に多数の無関心層〜大津の6.5総がかり行動から

    正木斗周

 総がかり行動が呼びかけられた6月5日、私はいつもなら行っていたかもしれない京都の大集会ではなく、地元で運動をしている人たちを取材してみたいと思って、「総がかりマップ」で調べ、大津で予定されている集会を目指して出かけた。

 大きな集会なら、近づけばその空気だけで「やってるな」と感じるものだが、膳所駅(滋賀県大津市)に近いこの地域の繁華街であるPARCO前の広場には、地元の酒屋がPRしている試飲ブース以外、それらしい人影は見当たらなかった。うろうろと歩き回って、やっと幟を立てマイクを持った人を見つける。5,6人ほどの人が、この地で総がかり行動として街宣に来ているようだ。九条を守る会などが集まった「憲法を守る滋賀共同センター」の人たちである。

 信号が変わるたびにどっと人が通り過ぎる。その中では、幟もビラ配りもほとんど目立たない。経験者ならご承知の通り、ビラを受け取る人は何十人も通り過ぎる中で1人いるかいないかだ。

 関西なら京都や大阪の集会に参加すれば、これだけの人が反戦・平和運動に関心を持ち、力強く行動している、と安心できる。100人に1人もビラを受け取る人がいないという現実を忘れることができる。地元では白い目で見られる街宣も、大集会の中でなら何だか心強い。

 でも、それでいいのだろうか。政治に関心を持たない人たちに対して効果的な活動をするという、裾野を広げる運動がなおざりになってしまわないだろうか。仲間が大勢いるということはたしかに安心だが、それ以上に、圧倒的に多数の無関心層がいるということを忘れがちになるのではないか。政治を変えるには、まさにそこがポイントではないのか。

 ビデオを回しながら、かつ、試飲ブースに行列を作る人ばかりでこれじゃちょっと絵にならないなと思いながら、本当に効果的な運動とは何なのか…と、そんなことを私は考えざるを得なかった。


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