命の重さを知れ!会社の責任を問う〜「さいたま新都心郵便局過労自死事件」裁判 | |||||||
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命の重さを知れ!会社の責任を問う〜「さいたま新都心郵便局過労自死事件」裁判2月17日「さいたま新都心郵便局過労自死事件」裁判は、死に追いこんだ管理職の証人調べが行われた。郵政民営化のモデル局「さいたま新都心郵便局」は、年賀状配達数日本一を誇るマンモス局。集配の職員も300人いる。しかしここでは合理化の極限といわれる「トヨタ方式」が2004年に導入され、過労自死が頻発していた。Kさん(享年51歳)は、この局に配転されてから「抑うつ状態」を発症し3度の病休を繰り返していたが、2010年12月8日に職場の4階から飛び降り自殺をした。「とにかくきつい。上からは“ミスるな!事故るな!残業するな!”と言われ、毎日頭のはげる思いだ」と聞いていた妻は、個人的死として片付けようとする会社の態度に納得がいかず、3人の子どもと一緒に2013年12月に裁判提訴にこぎつけた。山場を迎えたこの日のさいたま地裁には、傍聴支援の仲間が約70人も集まり「日本郵政・日本郵便は命の重さを知れ!」の大横断幕を掲げた。
さいたま新都心郵便局では、交通事故やミスをした職員が「お立ち台」に上げられ、反省を迫られる、ということも起きていた。亡くなったkさんはその様子を「お立ち台の職員は、涙声で震えていた。翌日頭を丸めた人もいる」とその恐怖を語っていた。かれは精神的に限界に達し、うつ病を直すためにも、もっと小さな局への異動願いを上司に何度もだしていたが全て拒否された。 この日の裁判で証人として出廷したのは、「異動願い」を無視した人事労務の総責任者「業務企画室長」、現場のトップでどなりまくり自死の引き金を引いた「第一集配営業課長」、そしてKさんの所属していた班の「班長」だった。かれらはそろって「職場の雰囲気は活気があって問題なかった」と口を揃えた。しかし尾林芳匡・山添拓・青龍美和子の各弁護士の鋭い尋問で、メンタルな病気を抱えたKさんに何の配慮もせず、死に追いやった過程が浮き彫りにされた。「業務企画室長」「第一集配営業課長」は肝心なところになると「わかりません」「覚えていません」「知りません」を連発した。だれも責任をとろうとしない無責任で自己保身の態度に、満席の傍聴席からも「ひどい」の声が漏れた。
原告はKさんの妻と3人の子ども。当時小学校4年、5年、6年だ。この日は長男が傍聴にきた。もう高校生になっていた。Kさんの妻は、報告集会でこう語った。「きょうは長男ときました。お父さんを死に追いやった“第一集配営業課長”の顔を見たかったのです。私たちはかれが裁判所に着いたときから、ずっとにらみつけてやりました」。いよいよ次回3月2日の口頭弁論では、妻の証言が行われる。
この日傍聴に集まったのは、郵政産業労働者ユニオンのメンバーが中心だが、地域の市民や過労死家族会など市民も多く、広がりを感じさせた。もともとKさんはJP労組の組合員だった。しかし、会社と一体化しているJP労組は、妻の訴えを聞くことはなかった。そんななか「ネット」で調べてつながったのが「郵政ユニオン」だった。この日の傍聴者にはJP労組組合員もいた。過労自死を産む職場にさせてしまった責任は労組にもある。この事件は、さまざまな問題を提起している。(M) *次回裁判 3月2日(水)13.10〜 さいたま地裁 Created by staff01. Last modified on 2016-02-18 23:05:01 Copyright: Default |