南京事件を考える必見ドキュメンタリー映画『天皇の名のもとに』 | |||||||
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配給会社がつかない未公開の劇映画『ジョン・ラーベ〜南京のシンドラー』の大上映会が、労働組合関係者・文化人らの呼びかけで、7月20日・日本教育会館で開催されるが、それに関して、とても参考になるドキュメンタリー映画『天皇の名のもとに』を最近観た。以下、紹介したい。(笠原眞弓) 南京大虐殺を記憶しなおすために〜ドキュメンタリー映画『天皇の名のもとに』ドキュメンタリー映画『天皇の名のもとに』は、まだ代々木の歩行者天国が健在だった頃の1992年、若者へのインタビューから始まる。アメリカ人の監督が制作した南京大虐殺のドキュメンタリーだ。ご覧になった方も多いと思うが、南京大虐殺をいかに日本人が知らないか、また、学者たちも知らなかったかから始まる。この映画が日本に紹介された当時、日本でも盛んに南京大虐殺の真偽が議論されていたと覚えている。 画面には、ドイツ・イタリア・日本の三国同盟に沸く人々が映し出され、戦争に向かう人々の異常な興奮状態が伝わる。さらに当時の南京の様子の実写フィルムが流れるなか、南京陥落後も市内に残った市民や元兵士が証言し、当時数少ないが租界に残った外国人による日記で綴られていく。その悲惨な様子は「ウサギ狩りのように人が撃ち殺されていく」などの言葉と共に目を背けたくなる。もちろん日本のニュース映像も挿入され、先発隊が南京を攻略して我が軍の軍旗を迎えて感激しないものがあるだろうかと勇ましく、「……日章旗を翻した殊勲の将兵は、敵の都南京を背に……」天皇を遥拝したと叫んでいる。 しかしなんといっても、当時南京にいた牧師のジョン・マギー氏が命懸けで撮影して持ち帰った16ミリ映像は、その悲惨さを伝えて余りある。そのフィルムの存在は盛んにいわていたので、私も覚えている。それだけでも、貴重な映画だと思う。 元兵士や当時南京にいたジャーナリスト、このことを正面から受け止めて調べ、検証している学者、教科書事件の家永三郎氏に加え、大虐殺はなかったとする日本人学者も登場する。 中でもリチャード・リー氏の「大事なことは、何人殺さたことではなく、いかに殺されたかである……」の怒りに続き天皇制に触れ「……兵隊は、天皇に尽くすという最高の栄誉のために従軍した」と分析する。元日本兵の「日本の軍隊は国民の軍隊ではなかった。天皇の軍隊だった。盲従する軍隊を作った……」の経験から出た言葉が響く。 この南京での軍の行為が秘密にされていれこと、慰安所と続く。特にしっかりと目を見開いて見たいのは、東京裁判がアメリカの都合で行われ、茶番だったということだ。今の時期、多くのことを考えさせられる作品だ。私たちは、謙虚に歴史を振り返って、けじめをつけて先に進みたい。 →なお7月25日のレイバー映画祭2015で上映決定。詳細はこちら DVDは、日本語版を制作したビデオプレスでも入手出来る。こちら Created by staff01. Last modified on 2015-07-21 20:44:23 Copyright: Default |