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民放労連声明・不当な政治圧力から放送の自由を守れ

 2015年4月28日
日本民間放送労働組合連合会
  中央執行委員長 赤塚オホロ


 自民党によるテレビ放送への介入が後を絶たない。去る4月17日、同党の情報戦略調査会が放送内容を理由としてNHKとテレビ朝日の幹部を呼びつけて事情を聴くといった事態が起きた。政権政党が、放送の許認可権限を背景に放送局に対して高圧的な態度に出ることは報道機関に対する不当な政治圧力そのものであり、私たちは絶対に容認できない。「停波」の可能性にまで言及するなど、放送局への恫喝以外の何ものでもない。

 昨年来、自民党は放送局に対して文書の交付などを通じて放送内容に介入することを繰り返しているが、一連の行動は放送法第三条が保障する「放送番組編集の自由」を露骨に侵害する違法行為と言うほかない。「放送の公正」とは放送事業者が自律的に判断すべきもので、政府の一方的な判断を放送局に押しつけることを認めるものではないからだ。

 さらに自民党は、テレビ朝日『報道ステーション』でのコメンテーターの発言に関して「放送倫理・番組向上機構(BPO)」への提訴を検討していることを明らかにし、その対応が不十分な場合にはBPOへの政府の関与にまで言及した。一般視聴者の権利救済を目的に放送局の自主規制機関として発足したBPOに対する無理解も甚だしく、ましてBPOへの政府関与など、70年前の国家総動員体制を思わせる乱暴な議論ではないか。
 
 このように政権政党のやりたい放題に歯止めがかからないのは、放送局がジャーナリズムに本来求められている権力監視機能を十分発揮していないことに大きな要因がある。今こそ放送関係者が一丸となって、権力による不当な放送介入を許さず、放送の自由を守るたたかいに立ち上がるべきだ。

 政権政党の横暴がまかり通る背景には、政府による放送の直接免許制という、先進諸国では異例とも言える放送制度の問題がある。私たち民放労連は、民主的な放送行政確立のために、かねてから中央・地方に独立した行政組織を設け、政府から放送行政を切り離すことを提言してきた。いま改めて、放送の自主・自律を保障する放送法制・放送行政の民主的な改革を強く求めたい。

 以 上

*写真=自民党の攻撃の標的にされた「報道ステーション」コメンテーターの古賀義明さん


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