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都教委、田中聡史さんに再発防止研修を強行!
「私は、公共の福祉のために起立、斉唱はできない」

 東京都教育委員会は、3月の卒業式の「君が代」斉唱時の不起立を理由として不当処分(8回目、減給10分の1・1か月)を下した田中聡史さん(都立特別支援学校教員)に対し、4月3日「再発防止研修(強制研修)」を強行した。

 研修は午前9時から、小休止をはさんで午前12時半までの長時間にわたるもので、田中さんによれば、「これまでの何ら変わらない内容」であったという。これは、2004年7月の東京地裁決定(注*)に反する不当なものである。

 都教委は、この強制研修と並行して1月に確定した減給処分の取り消しの都立高校教員1名に対して再処分(戒告)を強行し、またさらに8名の都立高校教員にも再処分を行う構えを示している。このような動きに対し、強制研修が行われた東京都教職員研修センター(東京・水道橋)前には60名の支援者が集まり、田中さんを支援する行動が取り組まれた。

 研修を終えた田中さんは、「そもそも行政は、処分によって起立、斉唱を強制してはならないと考えます」「研修の最後に『ふりかえりシート』という『あなたは今後どのように職務を遂行していこうと思うか』という設問に対し、『私は今後も地方公務員として全体の奉仕者として職務を遂行したい』と書きました。かって『日の丸、君が代』を使って、侵略戦争を行い、どれだけの人が命や財産を失ったり、傷ついたりしたのかを考えれば、公共の福祉という立場からすれば起立、斉唱はできないというのが当然だと思います」と語った。(湯本雅典)

動画(田中さんの訴え)

*2004年7月23日 東京地裁(須藤裁判長)
「繰り返し同一内容の研修を受けさせ、自己の非を認めさせようとするなど、公務員個人の内心の自由に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであれば、そのような研修や研修命令は合理的に許容される範囲を超えるものとして違憲違法の問題を生じる可能性があるといわなければならない」


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