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教育労働者は観るべき映画「ローマの教室で〜我らの佳き日々〜」 | ||||||
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ジョゼッペ・ピッチョーニ監督のイタリア映画「ローマの教室で〜我らの佳き日々〜」を観た。マルコ・ロドリ原作「赤と青」のこの映画は、イタリアのローマにある公立学校に勤める3人の教師の半年間の物語である。 「教師の仕事は学校内だけで家庭には立ち入らない」というジュリアーナは、教師たちに苦言を呈しながら、自らも真っ先に出勤し学校内のトイレや施設を点検する真面目な女性校長。ある朝、体育館でせき込みながら寝ている男子生徒を発見し、病院まで連れていくのだが、その生徒のたったひとりの肉親の母親が何日も帰ってこないということを知り、どこまで面倒をみたらいいか悩む。 「生徒にやる気を起こさせる」と情熱に燃える男性国語補助新人教員ジョバンニは、教える詩の意味を考えさせようとして生徒たちから反発をくらうが、生徒全員の名前を覚え、やがて生徒たちから信頼を得始める。ところが一番反発する女子生徒の身の上に同情しすぎて、立場が悪くなる。 「生徒はみんな頭がからっぽ」と嘆く情熱を失った皮肉屋の老教師フィオリートは、短期間しかつきあわない生徒の名前を覚えても無意味、また詩の意味を生徒に教える必要はなくリズムよく朗読させることしかしない。ところが記憶にない女性の卒業生から留守電がはいり動揺する。 そして物語はそれぞれ展開するのだが、3人はなかなか思い通りにならないのだが、最後に3人とも「少なくとも一人以上の生徒の伴走者」となっている。3人とも異なる個性を出しながら教師の仕事を果たすのである。 そして、実は3人は、佳き仕事を果たすためのヒントを生徒から借りているのだ。 この映画はエンドロールが始まっても絶対に席を立たないでほしい。 そこに大切なメッセージが隠されている。 さて、憲法違反の教育への政治介入により、理不尽な強制が押し付けられている現況の日本の教育現場で、教師たちは上意下達の指示の中でしか考えることができず、生徒たちから見ても没個性の金太郎飴になってしまっている。この映画の3人のように「生徒の伴走者」という教師の仕事を果たせるのであろうか。 この映画の謳い文句は 「答えはひとつじゃない。人生色とりどり。それぞれ好きな色があっていい」である。 日本の教育労働者よ、生徒たちのために頑張ってほしい。 「ローマの教室で〜我らの佳き日々〜」(配給・クレストインターナショナル)は、 岩波ホールで8月23日(土)よりロードショー 予告編→ https://www.youtube.com/watch?v=gMSHATbRY5k(ジョニーH) Created by JohnnyH. Last modified on 2014-08-11 06:27:03 Copyright: Default |