報告:双葉町の避難者がフクシマの現実を語る〜東京・荒川で脱原発集会デモ | |||||||
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双葉町の避難者がフクシマの現実を語る〜東京・荒川で脱原発集会デモ11月30日午後、東京・荒川区の荒川公園で脱原発集会が開かれ、区内を縦断するデモ行進でシュプレヒコールをあげた。主催はサークル団体や労組など区民有志で構成する「脱原発オール荒川アクショ ン」。「3・11」以後、福島の現地集会に大型バスで参加。ビラまきや学習会、ビデオ上映、現地産野菜の販売など、地域に根差した活動を続けてきた。 荒川区役所前のこの公園は、将棋や魚釣りに人々が集う憩いの場。曇天のこの日、雲の切れ間から時おり光が差し、木々を黄金色に輝かせている。 最初に、主催者を代表して白石孝さんが挨拶した。「公園の近くのラーメン屋には、行列ができる。特別うまい店とは思えないのにどうしてなのか。それはテレビで紹介されるからだ。 日本のテレビは、ゴールデンタイムに政治の問題を取りあげない。原発や集団的自衛権行使に反対する運動をなぜ報道しないのか。公示が近づく今回の選挙についてもそうだ」。 白石さんはメディアの現状を批判。「私たちは政策をきちんと見極めて投票したい。今日は最後まで参加してください」と呼びかけた。 「企業組合あうん」の中村光男さんは30年間山谷で働いてきた。福島の事故以降、収束作業に携わる労働者を見て、かつての自分と同じだと感じた。危険手当の不払いや偽装請負。さらには健診結果の偽造。現地に行けばいくほど、国と企業による棄民政策だと実感する。それでも待遇改善に取り組み、着実に成果をあげてきた。「みなさんと共に少しずつ、現地とのつながりを強化したい」と語った。 双葉町から避難している鵜沼久江さんは、原発から2.5キロの距離で畜産業を営んでいた。事故以後、残された家畜が次々と餓死した。国は「環境に変化はない」と言い張り、ある大学教授は、「残り湯が抜けるように、放射能も抜けていく」と、人間の身体を風呂桶に例えた。 小動物も死骸も多い。牛の死骸の上でカラスが、こぼれた米の上でネズミが死んでいる。餌がなくて死ぬんじゃない。それでも国と東電は「何でもない」と繰り返す。 復興の名目で電気代や消費税が上がる。毎日働いてきた高齢者が、今は部屋に閉じこもっている。先の見えない生活を強いられる被災者自身の言葉に、園内は沈痛な空気に包まれた。 避難民の記録を映画『原発の町を追われて』にまとめた堀切さとみさんの発言、ジョニーHの歌に続き、区民のリレートークがあった。東都生協、東京土建労組からのアピールを受け、参加者は デモ行進に出発した。 尾竹橋通りは区の中心部を南北に貫き、昭和の面影残る道沿いには、多数の専門店が軒を連ねている。 「原発なくしてOK、OK」 「自然エネルギーOK、OK」。 「原発再稼働ノーサンキュー」 「放射能汚染はノーサンキュー」。 銀色の車体に夕陽を反射させて、京成電車が頭上を通過していく。混雑する町屋駅周辺では、歩道の人々がデモ隊に目を丸くしている。免震設備のある高層マンションから、住人が手を振っている。 「福島の農業を守ろうよ、子どもの未来を守ろうよ」。 夕闇迫る下町の商店街に、色とりどりの幟が翻り、リズミカルなコールが響いていた。(Y) Created by staff01. Last modified on 2014-12-01 20:15:17 Copyright: Default |