4/4 入学式を前に都教委、「服務事故再発防止研修」を強行
抗議及び、当該支援行動に参加しての報告 (根津公子)
卒業式で「君が代」不起立し処分された教員のうち、退職者を除く3名に対し4日、都教
委は「服務事故再発防止研修」を強行した。受講を命令された3人の受け付けは8時40
分からというのに、8時に研修センター前に着くと、門扉を閉ざし、広くはない玄関前に
は研修センター職員9名と数人の警備職員が立っている。玄関を入ったロビーにも、何人
かの姿が見えた。いつもながらの異様な光景だ。過剰警備を敷かなければ実施できない「
研修」なのである。
河原井・根津らの「君が代」解雇をさせない会のメンバーも、被処分者の会が主催した表
題の行動に参加したので、その報告をしたい。
8時20分、被処分者の会の澤藤弁護士が憲法及び最高裁判決に違反する「再発防止研修
」について抗議し、受講者に敬意をもって接するよう申し入れた。続いて、被処分者の会
が「抗議声明」を、私たち、河原井・根津らの「君が代」解雇をさせない会も抗議・要請
文を手渡し、8時40分、受講当該の人たちを見送った。
私たちの会では、石原元都知事が「文学界」3月号で発言した「僕、国歌歌わないもん」
を大きなプラカードにして掲げ、都教委の職員の「良心」に迫った。
12時半過ぎ、長時間の拘束に耐えて、3名が出てきた。
「講義の後、反省を迫る振り返りシートへの記入をさせられ、記入すると、それを読み上
げるよう指示された。しかし、読み上げは拒否した」と、処分3回目のAさん。
田中聡史さんは、「振り返りシートで、『教育公務員として今後どうするつもりか』と問
われて、『全体の奉仕者として職務を遂行する』と書いた。都教委も同じ文言を使うが、
彼らとは違った意味。一部の奉仕者ではなく、全体の奉仕者なのです。」「都教委は最高
裁判決の『職務命令は違法とは言えない』を持ち出すが、最高裁判決がどう言おうと、起
立斉唱は私の良心をとがめると述べた」と報告された。
受講者は堂々としたものだった。それは、ご自身の行動に嘘偽りがないからに他ならない
。門扉の向こう側にいる人たちの表情とは対照的だった。
■「服務事故再発防止研修」は首切りに向けた暴力装置
ところで、都教委は「服務事故再発防止研修」を2年前の最高裁1・16判決以降、回数
及び内容ともにすさまじくひどいものにした。回数だけを見ても、以前は研修センターに
呼び出しての「研修」が1〜2回だったのに対し、最高裁判決後はセンターに呼び出して
の「研修」を2回、都教委の管理主事等が学校に押しかけての「研修」を3回、校長を講
師としたものをほぼ毎週とした。昨年、卒業式・入学式ともに不起立処分を受けた田中さ
んには、延べ19回の再発防止研修を課した。
最高裁同判決は、原則、「戒告を超えるより重い処分は違法」としたが、それとともに
、私の停職3ヶ月処分を適法とする判決を出し、例外として重い処分を適法とする判断項
目を入れた。「過去の処分歴」とともに、「不起立前後の態度等」がよくなければ、重い
処分も可としたのだ。
都教委はそれを援用して2012年に、「服務事故再発防止研修」を強化再編した。不
起立を続ける教員に対し、研修の機会を繰り返し与えたにもかかわらず反省が見られない
として、いつ都教委が重い処分を出すかは、予断を許さない。「服務事故再発防止研修」
は、自己の尊厳を奪ういじめ装置である。しかし、不起立を続ける教員に対しては、いじ
め研修ではくくることのできない、首切りに向けた暴力装置であると私は思う。
都教委にそれをさせないためには、大勢の人たちがこのことを大きく問題にすることだ
と思う。この点を、ぜひ、ご理解いただきたいです。
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staff01.
Last modified on 2014-04-06 10:17:47
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