報告 : アジア女性労働者交流集会〜韓国・香港・インド・日本が参加 | |||||||
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10月27日(日)、東京・明治大学研究棟でひらかれた「アジアの女性労働者の現状と課題〜今をつなぐ、未来につなげる〜」オープン・ミーティングに参加しました。韓国、香港、インドからのゲストも含め約80人が参加していました。 30年にわたってアジアと日本の女性労働者をつなぐ活動を進めてきたCAWネット・ジャパンの呼びかけで、アジア女性資料センター、働く女性の全国センター、プレカリアートユニオンなど9つの団体が実行委員会を立ち上げ、共同での取り組みでした。 あいさつで広木道子さん(写真)は「日本は今、労働規制緩和が進んでいる。安倍首相は「最も企業が活動しやすい国に」と言っているが、女性労働者への犠牲を強いるものだ。今これを止めなければアジアに波及する。女性労働者の交流が必要だ」と訴えました。 韓国からは女性労働者会と女性労働組合が参加しました。韓国女性の経済活動参加率は50%であり、労働市場の二極化(大企業と中小企業、正規職と非正規職、男性と女性など)が進んでおり、女性労働者への差別が深刻であるという報告がありました。女性労働者会の活動として、介護・家事管理士・家庭保育士などの家事労働者の労働権確保の活動や非正規職問題に取り組んでいることなどが話されました。韓国女性労働組合は1999年に400人でスタートし、現在は10支部6000人の女性労働者を組織しています。学校非正規職労働者や清掃請負労働者の組織化や最低賃金の引き上げ現実化などの活動に力を入れています。 香港からは香港女性労働者協会が参加しました。劣悪な状態が続く女性の雇用状況や、何重もの下請け契約のもとで雇用されている臨時雇用労働者の実態などが報告されました。また労働者協同組合の組織化に力を入れているとの話がありました。 インドからは、女性への抑圧反対フォーラムのスジャータさんが参加し、報告しました。インドでは働く女性の65%以上が農業に従事している。農業労働者組合があるが、メンバーになるのは稀。女性の働きの大部分は正当に評価されていない。女性労働者を雇用する産業はあるが、電子産業や衣料品製造業における組合組織率は非常に低いなどの報告がありました。 「日本における女性労働と非正規雇用化の現状」は、均等待遇アクション21の屋嘉比ふみ子さんが報告しました。まず、経済のグローバル化が進み、労働における規制緩和が進められ、低賃金の非正規雇用労働者が年々増大してきたこと、特に女性労働者は劣悪な労働条件を強いられ、女性の貧困が常態化していることが話されました。 2012年時点の非正規労働者の割合は38.2%で、女性は57.5%、非正規労働者全体の68.3%が女性である現状が報告されました。日本の非正規労働者の特徴は、契約社員、派遣労働者、パートタイム労働者、アルバイトなど雇用形態が多様化していることなど。年収では、43.2%の女性労働者が200万円以下、66.1%が300万円以下という状況が10年以上続いていること、シングルマザーの年収は平均217万円で、昼夜を通して複合就労しなければ生活を維持できない現状であることなどが報告されました。女性の経済的・精神的自立および基本的人権である「人としての尊厳」を確立するために女性の労働問題の解決に向けた運動の広がりが急務であること、また労働組合の積極的な取り組みが必要であることが話されました。 会場には長年女性の人権問題や労働者の問題に取り組んでこられた方々も多く参加されていて、懐かしい方々にお会いできたこともうれしかったです。(尾澤邦子) Created by staff01. Last modified on 2013-10-30 12:29:00 Copyright: Default |