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サラリーマンも、OLも怒っているんだ!
「脱原発スーツデモ」、新橋で開催

             西中誠一郎

 10月30日夕方、勤め帰りのサラリーマンやOLで賑わう東京・新橋駅界隈に、スーツ姿の「脱原発デモ」が出現した。

 「スーツを着て、デモをしよう。折り目正しく、抗議しよう。声を上げることは、決して特別なことなんかじゃない!ごく普通に働き、ごく普通に生活している私たちの声を、ビジネス街へ向けて、ストレートに伝えよう!」を合い言葉に、約600人が1時間デモ行進した。永田町、霞ヶ関界隈で毎週続けられてきた「脱原発金曜デモ」。今年夏に、国会議事堂前の「ファミリーコーナー」の参加者から提案があったのがきっかけ。秋も深まり、スーツ姿のサラリーマンたちが仕事を終えて駆けつけた。

 「私たちサラリーマンにも一言言わせろ!」「原発いらない!再稼働反対!」「家族を守ろう 子どもを守ろう!」「声を上げよう、一緒に歩こう!」

 新橋駅近くの公園を出発したデモ隊が東電本社前に差し掛かると、ボルテージが一段と上がった。「危ない原発はもう止めなさい!原発いらない、東電いらない、再稼働反対!」

 新橋駅前では、SL広場で「原発事故子ども被災者支援法」の正当な予算化や、「避難•移住の権利」を求めて街頭アピールしていたグループも応援にかけつけた。

 昨年6月に全会一致で国会可決された同法の基本方針は10月11日に閣議決定された。しかし法律の趣旨に反して、福島県内外での住民への「公聴会」は開催されず、支援対象地域は福島県東部の33市町村に限定され、東北や関東地方の高線量地域は対象除外された。既存の医療健康対策の見直しや県外への避難•移住対策も全く示されなかった。このような復興庁の基本方針案に対して連日のように政府交渉や集会が開催され、基本方針の撤回を求めるパブリックコメントも多数寄せられたが、その内容が公表されたのは閣議決定の直後だった。しかし基本方針が閣議決定されたからといって、健康被害のリスクが減ったわけではない。子どもや家族を守るために、市民ひとりひとりが基本方針の見直しを訴え続けていかなくてはならない。

 「子どもを守ろう!大人の責任!政治を変えよう!」デモ行進のシュプレヒコールが、新橋のネオン街で繰り返された。福島第一原発の発電は、東京で消費されてきたのだ。  

 終着点の公園に戻ってきても、多くの人々はすぐにその場を立ち去ることなく、情報交換したり、記念撮影をしたりそれぞれの思いを確かめ合っていた。普通に働き、子育てをして、平穏な日常の暮らしを守るために。「スーツデモ」はこれから全国に拡大していくだろう。

 


Created by staff01. Last modified on 2013-10-31 13:11:19 Copyright: Default

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