社会的連帯がキーワード〜「反貧困世直し大集会2013」開かれる | |||||||
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安倍政権が、労働規制緩和や社会保障費削減をもって99%への暴挙を振るうなか、反貧困の運動をこれからどう進めていくべきか、識者や活動家、そしてジャーナリストなどが話し合った。 「貧困を可視化させてきたという意味では、これまでの反貧困運動の功績は大きい。しかし、貧困の発見だけではダメで、どうしたら自分たちで変えていけるか。どう自分が関与できるかの道筋をつけることが重要だ」。大内裕和中京大学教授は、10月14日に東京・四谷区民ホールで開かれた「反貧困世直し大集会2013」のシンポジウムで、こう檄を飛ばした。 奨学金問題対策全国会議の共同代表を務める大内さんは、可視化した貧困問題に気づくも、普段接している学生たちが「自分もこうなったらおしまいだ」「こうなりたくはない」といったことを指標にしていることを報告した。 高利の奨学金で一生借金を負わされる学生たちは、すでにバイト先で長時間労働、低賃金で働かされ、職場に労働組合があったとしても学生バイトは加入できないなどの排除にも直面する。 「新自由主義に抗するも、新自由主義によってそれに対抗する力を奪われている状況だ」。大内さんはこう説明し、今後の対策として、仲間とつながることが必要だと訴えた。 同じくパネリストを務めた毎日新聞記者の東海林智さんもこれに同意。「これからは社会的連帯というキーワードしかないと思う。連帯を意識した運動を展開していこう」と呼びかけた。 集会では、貧困を生き抜くセクシャルマイノリティ、障害者、シングルマザーなど当事者からの発言や、社会的排除や低賃金労働を題材にしたドキュメンタリー映画「逃げ遅れる人々」「メトロレディーブルース」も上映された。 子ども時代を貧困家庭で過ごした、人材育成コンサルタントの辛淑玉さんもシンポジウムに参加。「貧乏はすべての不幸の入り口。しかし、一方でその苦しさなどエピソードを絶えず言葉にしていくことだ」とも訴えた。また、女性に多いとされてきた貧困が、今や男性にも波及したことで注目され始めたことはチャンスだと捉え、問題を理解してくれる人たちと広くつながることを呼びかけた。 集会にはおよそ300人が参加し、世界の貧困をなくすためにともに立ち上がる「Stand Up」(写真下)で閉会した。反貧困世直し大集会は、毎年10月17日の世界貧困撲滅デーにあわせて開催されている。(松元ちえ) Created by staff01. Last modified on 2013-10-15 13:40:51 Copyright: Default |