首都圏青年ユニオンの山田です。
毎日新聞、朝日新聞、共同通信、しんぶん赤旗に掲載されましたが、カフェ・ベローチェを経営する「株式会社シャノアール」で、改正労働契約法を逸脱運用する「4年雇い止め制度」が導入されました。
首都圏青年ユニオンが複数回の団体交渉と折衝を重ねて来ましたが、会社からは、「定期的に従業員が入れ替わって若返った方がいい」、ベローチェではこれを「鮮度」と呼んでおり、従業員が入れ替わらないとその店の新鮮度が落ちると考えているなどと発言がありました。
このベローチェの雇い止めは不当として、従業員が23日に提訴。同日、厚生労働省で記者会見が開かれました。(写真下)
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新聞報道は以下のとおり。
共同通信:ベローチェの雇い止め不当と提訴 元女性アルバイト
http://www.47news.jp/CN/201307/CN2013072301002166.html
毎日新聞:ベローチェ:雇い止め女性提訴 「鮮度が落ちる」と言われ
http://mainichi.jp/select/news/20130724k0000m040086000c.html
朝日新聞:「雇い止め不当」運営会社を提訴 「ベローチェ」元従業員
http://digital.asahi.com/articles/TKY201307230678.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201307230678
しんぶん赤旗:雇い止めの撤回を カフェ・ベローチェ 従業員が提訴
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-07-24/2013072404_01_1.html
首都圏青年ユニオンのホームページに記者会見で話をしました原告の発言を載せましたので紹介します。
==ここから==
私は、時給840円というとても安い賃金で働くアルバイトでした。2003年にオープニングスタッフとして働き始めましたが、2004年からは店長とほとんど同じ仕事をする責任者を任されるようになりました。店長が1年〜2年で次々と換わるカフェ・ベローチェで、お店を支えてきたのは、お店への愛着とこだわりを持つスタッフでした。
2012年年3月、事務所で店長から突然、「来年の3月で更新できなくなるみたいです」と告げられ、私が「それってクビにするという意味ですか?」と聞き返したところ、「そういうことになるみたいです」と、全くの他人事のように、返答されました。
役に立ってきたはずの、いなければお店の営業に支障のあるスタッフを、何の説明もなく雇い止めにするような会社だとは思いもせず、3カ月更新の契約を30回以上重ねて、一生懸命働いてきました。そして、雇い止めの話をされた日から1年3カ月のあいだずっと、「なぜ辞めなければならないのか」という理由を問い続け、「働き続けたい」と、会社に対し訴えてきました。
これまでの会社とのやりとりで深く傷つけられた事は、数えきれませんが、なかでも私に裁判という選択を余儀なくさせた出来事が二つありました。
ひとつは、会社の不誠実な裏切りです。2012年2月末までの交渉で、会社は一度、私を含め一緒に交渉を行ってきた複数のスタッフに対し、これまでどおり、更新回数に上限を定めない契約を行うと、約束をしました。私はこの回答が出た日、泣いて喜びました。ところが、その回答から10日後、交渉の窓口であった総務部長は、急に、「和解協定書は結べない。社長にダメだと言われたから」と、この約束を一方的に破棄したのです。総務部長を、会社の代表と信用して交渉をしてきたのに、それまでの一つひとつの話し合いが踏みにじられ、なかったものにされてしまったことに怒りを感じ、自分自身の立場の弱さへの悲しみに苦しめられました。
いまひとつは、雇い止めの理由のひとつとして会社が放った、“鮮度”という言葉です。鮮度という言葉はモノに対して使う言葉ですが、若い女性のことを、“鮮度が高い”と言い、そういう子をそろえた方が男性客の集客につながると、平然と言ったのです。愛着を持ち、8年以上働いてきた大切なお店に、魚や野菜のように、“鮮度が落ちたから”“賞味期限切れ”だから、もういらないと言われたことに、打ちのめされ、深く傷つきました。ただ4年で人を使い捨てにするだけではなく、女性をモノ扱いし、年齢を重ねた女は、必要ないと言われたことが、私に裁判を決意させる決め手となりました。
約束を反故にされたこと、“鮮度”という言葉。私が声をあげるには、もう十分でした。生活の糧を得ていた職場を奪われただけでなく、人間としての価値も否定されたことが、どうしても許せなかったのです。
==ここまで==
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staff01.
Last modified on 2013-07-25 20:07:11
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